進学校の授業の一例を紹介/こういうところに進んで自ら行こうとしてるですよ?
阪神間で誰もが知る進学校の数学
この中高一貫校は、阪神間で誰もが知っている学校です。昔は凄かったのですが、同じようなレベルの進学校が新設されて優秀な生徒が分散し、大学進学実績は今は上位3割で神戸大以上の国立大学、真ん中くらいで関関同立、下位で甲南という感じです。
灘などの特別な進学校を除いて、典型的な上位進学校の学力レベルです。
当然、中学2年生の後半から高校の範囲に数学は入ります。それで、ここの高校生が1年から来たのですが、もう青チャートのⅠAは終わってⅡBに入っています。でも、中学生に高校の難しい内容を教えてきたのですから、優秀な生徒を集めたこのレベルの学校で、しかも成績は結構上位の子供でも内容の理解はグラグラです。
その状況で学校は何をしたか
数学では3種類程度の授業が並行して進んでいます。数Ⅱと数Bともうひとつです。この数ⅡBだけでも精一杯のはずです。それなのに、理解不足の状態で青チャートをぶん投げられている高校1年生に、3つ目の授業でこの学校は何を教えたか?
数ⅠAの復習ではないです。大学への数学という、難問奇問満載の赤チャートより上級の問題集を投げつけたんです。簡単に言うと、青チャートや神戸大学レベルの入試問題ならまあまあ解ける偏差値70の高校3年生が、京都大学の難問用にチャレンジする問題集を、理解不足でグラグラな高校1年生に投げつけたんです。
何か得るものがあると思いますか? この生徒は、そのわけのわからない問題と、解答を説明されてもピンとこない学習に、週何時間も1年間費やしました。
再度書きますが、この進学校は、上位3割でやっと神戸大、真ん中で関関同立です。こんな学習が役に立つのは、高校3年生の秋の時期でも学年で10人、5%ほどです。
日本全国に名前を轟かす超有名進学校
ここは、阪神間だけではなく、日本全国に名前を轟かしている学校です。一昔前は、神戸大学の医学部の名簿を見ると、ここの学校から数十人入っていたようなところです。
ここの授業は、「ほとんど何も教えない。」です。適当な授業をして生徒ができないと「あの厳しい中学受験を勝ち抜いたあなた方に出来ないはずはない。」です。生徒を自由に泳がせて、勝手に学習させるという30年前のトップ進学校の方式をまだ採っている。
それで、ガチガチに教え込む新参進学校に猛烈に追い上げられている状況です。別に、これなら学校行く価値ないんじゃないの?と真剣に思います。だって、そこの超優秀な生徒、授業のペースなんか無視して、塾で中学で数ⅡBほとんど独力で学習し終えてますから。
この有名校を真似ているのが、トップ公立校です
授業中も、生徒をグループ分けして自分達で教え合って解決しなさいという授業です。
ところが、残念なことに、いかに公立トップ校とは言え、上に書いた最上位の超レベルの私立の生徒程の学力はありません。多くは基礎も分からないまま落ちこぼれて行きます。だって、神戸大の医学にバンバン入る学校と、神戸大の普通の学部にバンバン入る学校では、生徒のレベルはまるで違います。
後者である普通の公立トップ校のレベルでは、親切に教えてあげないと分かりません。
お嬢様学校から進化した進学校
ここも上位の生徒は神戸大以上の国立大学に進みます。上の公立校と同レベルです。もちろん、中学2年生で高校の数学に入ります。それはいいのですが、英語で使われている教材は、数十年も前に外国人の教師が作った阪神間では有名な教材です。
この教材は外国人の視点で書かれているため、文法の学習順序や構成がメチャクチャで、学習進度も独特です。そのせいで生徒は苦労して学習する割に文法力も体系的に身に着かず、落ちこぼれる割合も多い。正直、こんな時代遅れの教材を使っているのは、昔はその教材を進学校が使っていたので、その見栄にしがみついているとしか思えないんです。
普通の中学の教材を使い、中3くらいから高校の普通の教材を使う方がマシだというのは、誰にでもわかることなんですが、見栄か因習かに縛られてできていない。
必死の受験で行こうとしている学校がどんなところか知っていますか?
それさえも知らずに、トップ順位の生徒が叩き出す大学進学実績にのぼせ上って、下位の成績で入学すると、酷い目にあいます。「進学校とはどういうところか?/優秀な生徒を搔き集め、チャート式も理解させられず多くは関関同立で精一杯、そういうところです」の通りです。