私の理解の外にある言葉「部活に打ち込んでほしい」/学校って何のために行くんですか?/文武両道が成立する生徒など少数です
「部活に打ち込んでほしい」理由
「部活に打ち込んでほしい。」という親御さんはよくいらっしゃいます・・・おそらく、ご自分もそうされてきたんだと思います。
けれど、私には理解しかねます。学校はまず何をさておいても学業のために行くものであり、全国レベルの運動選手でもない限りは主要教科の受験がその学業の延長線上にあり、その受験の延長線上に学歴と就職そして将来の大きな部分がかかっています。
だから「真剣に取り組むことを教えたい。」というのは、まずは学習に対してであるはずです。子供の楽しみの余暇活動であるクラブ活動に対して、真っ先に「頑張ることを教えたい。」という理由がまるで意味不明です。
もちろんクラブ活動の意義は理解できますよ
私も日本人ですから、クラブ活動で先輩もいる中で集団主義、空気を読むことを学ぶことは就職してからも大切な要素であることは理解しています。だから「クラブ活動を真剣に取り組むことを教えたい。」という方は、この点に重点を置いているのも重々承知しています。
けれど、勉強そっちのけで人間力を養成したところで、その前にその集団主義がまともな形で機能している組織に属さないとどうにもならないのではないのですか? どの集団に属するかに何よりも大きな影響を及ぼす学歴を放り出して、クラブにうつつを抜かすなど本末転倒だと思うんです。
ブラック企業や家族経営の中小企業に入って、「集団主義」や人間関係って言っても苦労するだけでしょう。そういう集団が嫌になって非正規に落ちこぼれれば、「人間力」って言ったって人間扱いしてもらえません。
こうおっしゃる親御さんのお子さんの一般的な傾向
「クラブは大切。」とおっしゃる親御さんのお子さんもたくさんお預かりしてきましたよ・・・。
その一般的な傾向は、「辛抱がない」「頑張りが効かない。」「いい加減。」で、「成績など上げようがない。」ことが非常に多いです。特に、公立中学や中堅高校でこんなことを親御さんが言っている子供の場合、「どうしようもない。」ことが多いです。
そら、親が「嫌な勉強は放り出して、クラブで好きなことをして遊びなされ。」って言って育ててるんですから当たり前です。
今まで多くの生徒を見てきた結果、まずは本分である学業を一生懸命頑張った後に、楽しみや人間力の養成があるのであって、その逆はないと私は思っています。
「頑張る」を学ばせるのなら、クラブ活動ではなく、まずは子供の責務であり将来に大きな影響を残す学習で学ばせるべきです。嫌なことでも頑張って達成感を得る喜びを知らない子供は、クラブ活動も好きで楽な範囲で楽しむだけで頑張るなどありません。
彼らが「クラブは頑張っている。」というのは、頑張る垣根が低いからです。隣の中学や県大会の2回戦で勝った負けたをやるクラブ活動のどこが頑張っているんだと思います。そんな根性で上位の大学など受かるわけがない。社会に出て仕事ができるわけもない。
文武両道を謡う学校や教育関係者たち
そこで、「学業もクラブ活動=人間力も大切だよ!」という、どなたにも納得しやすい呪文を唱える輩が大量に現れます。
でもね、優秀な中学受援組が抜けた、極端に言えば、下半分の公立中学で真ん中程度の成績をとっている子供に、文武両道など言っても「勉強を放り出して遊べ。」と言っているようなもんです。
また、偏差値60くらいの高校生に文武両道を言うのなら、せいぜい十分に学習できる教科は3教科で、私立しかありません。それを、英語も数学も勉強して上位の国立大学にというのであれば、絶対に無理です。文武両道でそういう国立大学に行ける生徒は、初っ端から偏差値70を連発する先天的に学習適性がある生徒です。要するに教えていて「こいつはモノが違う」とすぐにわかる生徒です。
文武両道など言う高校は、そういう適性の高い生徒を引き合いに出して、ソコソコの大学進学になる生徒を遊ばせてなだめているに過ぎない。ソコソコの生徒が国立大学に行きたいのなら、クラブ活動など犠牲にして学習にまい進する覚悟がなければムリです。「高校生の指導 | 特進個別塾ミドリゼミ芦屋校|定額で毎日プロが個別指導 (tokushinkobetsu.com)」
その体験がなく状況が分かっていない親子に、こういう学校や教育関係者は取り入っておいしい話を垂れ流しているに過ぎない。「東大生断言「部活頑張る人」こそ成績伸びやすい訳 | 生まれつきの才能は不要 東大「逆転合格」の作法 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)」
・・・アホか・・・東大生の学習を聞いて一般ピープルの何の役に立つ? まともにスイングもできない(基礎学力もない)その辺の中高生にダルビッシュが「オレ、未成年の時からパチンコ屋でタバコも吸って適当に楽しみもしてたけど、一流になれたんや。それで成功する方法教えよか?(ダルビッシュ有 – Wikipedia)」って言ってるようなものです。私は子供の将来を踏みつけにして金儲けをする「犯罪行為」だと思っています。
当塾では、関関同立までの私立受験なら「クラブ活動はOK」ですが、少し成績が良い程度の高校生で「神戸大学」という生徒にはクラブに入らないことを求めます。入っても活動量の少ない文化部です。それができないのなら保証はしませんし、どうせ私立になります
それが分かっているから、上位国立大学の就職はいいんです
だって、社員の大多数がそうして目の前の苦難を乗り切り一流大学の学歴をつかみ取ってきたからです。高校時代に適当にクラブ活動をして、適当に勉強をしてその辺の私立大学に進んで「イヤ、会社入ったら話は別です。必死に頑張ります!」って就活したって、そういうヤツを見てきた社員が納得すると思います?「今までもそうして頑張ってきたし、これからも頑張ります。」っていう実績がある学生を選ぶでしょう。「勉強する理由 なぜ学歴が大事なのか?」の通りでございます。
だから、書類選考で落とされるんです。面接でその場しのぎの作り話など聞いても仕方がないからです。これが学歴フィルターの正体です。もちろん学閥や差別意識があることは否定しませんが、人間力の前に頑張りが効かないと使い物にさえならないことが一番の理由です。でも、嫌なことを我慢してまで頑張った経験がないサイドは、相手が何を求めているのか分からないから「学歴差別だ!」ってなっているんです。