塾もアパレル業界も同じです/偏差値70以下の世界は消費財
ブランディングか叩き合いか、その中で凡人は消費される
この動画の要旨は、アパレルなど材料や縫製はほぼ同じ。安物業界のデザイン力も上がってきて、百貨店で売ってる2万円の服もユニクロの2,990円の服も、パッと見分からないし実質も差はない。ところが、同じ服にグッチのマークがあれば10万円で売れる。モンクレールもただのダウンジャケットが数倍の値段で売られる。この裏には、莫大なメディア・広告戦略を使ったブランディングがある、ということです。
だから、中途半端な広告戦略しか使えない中途半端な規模の日本の百貨店ブランドは経済停滞と二極化の中で壊滅した。一方で、大多数の消費者をターゲットにしたユニクロやしまむらは低利益と人件費削減の中で叩き合いの戦略しか残されていない。
ほぼ塾や予備校業界も同じ状況にある。大手でうまくブランディングした予備校だけが、成績チョー優秀者を囲い込み名前で売れる。でも、この自由競争で入試問題が公表されている世界で特別な学習法などあるわけもなく、そのチョー優秀者の進学実績目当てに集まってきた凡人は高い授業料をむしり取られソコソコの大学に進むだけの結果になる。チョー美形のモデルの宣伝広告に短足6頭身で平べったい顔の日本人があこがれて、実際にバカ高い服を着てみてもマジックなどあるわけもなく「ブランドがかわいそう」と言われる状態になっているのと同じ構図である。
しかし、実際は「チョー〇〇」に憧れて消費してくれる無数のかわいそうな凡庸がビジネスのターゲットである。多数のかわいそうな消費者で金を儲け、チョー美形のモデルに高額ギャラを払い、チョー優秀な高校生に授業料無料どころか奨学金のお手当まで出してかき集めて、さらなるブランディングを目指す。これができないと、大多数の消費者を目指すユニクロと同じで、駅前に個別指導塾を作って偏差値60以下の生徒の奪い合いになって、新規開校と閉校を繰り返す叩き合いになる。
偏差値70以下の凡人は、グッチを着ようがユニクロを着ようが大勢に変わりはない。それに気づいても、駅前の個別指導の叩き合いに参加するしかない。もっとも、偏差値70以上のチョー優秀では、どこの予備校に行こうが、家でチャート式で勉強してようが、変わりはないというのも真実です。パリコレのモデルはグッチを着なくても、ユニクロで最高に美しいのです。
高い金を払えばどこかが違う、駅前の塾でも何かが違うとお考えのあなたに
それはただの幻想です。個別指導では大学生のアルバイトが塾で家庭教師をしているに過ぎない。集団塾では、講師の多くはアルバイトやパートが教えているに過ぎない。どの塾も予備校も中身に違いはない。あなたがが払っている授業料で、駅前の一等地に教室を借りて、自習室まで作って、全員きちんとした有能な正社員にそれなりの給料を払って理想的な授業を行う経営できると思ってます? 思っているなら、子供の前に親がオメデタイと考えてユニクロに直行するしかない。
だから、やる気がない子供ではどの塾に行こうが同じで、あちらこちらの塾に変わることになる。私は彼らを「塾難民」あるいは「塾ノマド」と呼んでおります。