マークシートで炸裂する受験生の勘?/でも勘だけでは上位国立大学は無理/当塾でも指導する選択肢対策
問題を理解できていないのに正解する生徒/中上位編
受験に揉まれて6年以上、高校3年生にもなると理解できていない問題でも正解する生徒が現れます。もちろん記述式ではなく、選択肢のマークシートの問題限定です。
なぜ彼らはそんなことができるんでしょう。
それは①A ②A’ ③B ④C ⑤C’ というよくあるマークシートの場合、こういう勘がある生徒は直感的に③は外します。だって、それだけが明確に選べる選択肢の問題など経験してきていないからです。そして①②と④⑤とACとA’C’のくくりで考えます。すると、キチンと解けなくても⑤だけはおかしいと判断でき、おそらくダッシュ付きのくくり’もおかしいとうっすらと分かります。だから①を選ぶというようなことをしていくわけです。
①を明確な正解と分かったわけではなく、まさしく選択肢として選択していくわけです。だから、生徒に選択理由を聞いても「なんとなく」という返答しか返ってきません。これは関関同立に合格するレベルの生徒で多い。これより下のレベルだと、こういうくくりが分からないから、何をひっかけようとして出題されているのかという題意の臭いも判断が付かない。学力だけでなく受験生の勘もないんです。
戦場で作戦状況も分かっていない兵隊が「この雰囲気ヤバい」とサッと身を隠すか、ボ~って突っ立っていて撃たれるかの差と言ってもいいでしょう。経験から何となく感じる勘がないんです。
でも、これはズルではなく、記述式でズバッて聞けばいいのに、採点が面倒だからマークシートの戦場にする大学が悪いんです。
でもこれだけでは上位には行けない/共通テストで75%以上取るには
この場合題意の把握が必要です。と言っても考え方は上と同じです。
①②③④⑤と選択肢に並べられているということは①②と④⑤のAとCの差のポイントについて判断を求められている。ACとA’C’があるということはダッシュ有無のポイントについて聞かれている。だからコッチと明瞭に判断できる学力があれば上位国立大学に必要な得点が国語や英語の共通テストでは取れます。だから学習のポイントを把握している学力が必要になります。
以前に塾で、学校で模試を受けた日に、関学に進学した生徒が「あの問題、何となく①と思うんやけど」というような話をしたことがあります。どういう問題かも明瞭にはおぼえていません。だって理解せずに勘で解答したんですから。ところがその生徒の同級生で神戸大学に進んだ生徒がネクストステージを出してきて、「この問題や。このことを聞いてるねん。」とペラペラとページをめくって問題を指さしました。このレベルでは題意を把握して解いているので、問題の詳細は忘れていても「アア、あのことを聞いていた問題ね。」とおぼえているのです。
この学力差が上位国立大学に進む生徒と有名私立に進む生徒の差です。だから、この後に返ってくる模試の偏差値など見なくても生徒とキチンと教えているマトモな講師や先生なら「コイツ、神戸大」「こっちは関学」って分かるんです。
このレベルになるには学力があるだけではなく、その場その場で素早く題意を把握する判断力と経験が必要になります。共通テストやセンター入試で予想問題だけではなく、過去問を数多くやって経験を積むように私が口を酸っぱくして言う理由です。予想問題で問題の傾向だけ研究しても、この経験がないと膨大な問題を短時間でこなしていく共通テストでは対処できません。この経験の差が共通テストをモノにできるかどうかの差です。
・・・まあ、何度言っても聞かない生徒もいますがね。
塾で必要な指導
問題集の解説を読んでも、学校の授業でも、そして多くの予備校や塾の授業でも「正解は①で~す。ホラ、①だとこの理由で正しいでしょ?」としか教えません・・・そんなんで選択肢の問題が解けるわけがない!
多くの場合、かなり学力があってある程度絞り込めても「どっちやろ」というのは残ります。その不安を払しょくさせるために①②と④⑤のくくりで考えて行くテクニック、そしてAA’で正誤を判断できる明確な学力を身につけさせ、受験生としてはある程度自信を持って①を選択できる対処を教える必要があります。この両輪が必要なのです。
だからやみくもに学力を身につけるだけでも、テクニックに縋るだけでも自信を持ってマークシートは解答できない。その結果、「上の問題は③やったから、こんどはコッチ④」とか「3問①続いてるのおかしいやん」と言った疑心暗鬼に襲われて間違った選択をするんです。
受験生として自信を持って選択肢に対処できるように育て上げることが塾の使命です。