高校でとても多い生徒の学習パターン/神戸大学には絶対に行けない
学校の宿題のみしか学習しない/学校の宿題でいっぱいいっぱい
今や進学私立だけではなく、公立校でも多くの問題集を生徒に購入させて、各科目の教師がお互いに連携もなく、生徒の適性や進路も関係なく、問題集を宿題として生徒に放り投げています。
この状況で、生徒たちは分からない問題の解答を赤ペンで写して提出するだけで精一杯となって、分からないところの復習までできない生徒が多くなってきています。昨年度もソコソコの進学校の生徒で、問題集にプラスして毎時間大学入試レベルのプリントを主要教科ではない化学の教師が配ったおかげで大変なことになりました。
この生徒は理系だったのですが、理系で最重要科目の数学もほとんど学習できなくなって、英語などではまったくという状態に陥りました。さらに、その化学でさえプリントを埋めるのに精いっぱいで、間違えたところを理解できるまで学習できない状態でした。問題集とは違い解答がないため、塾で聞いて書き込むだけで必死だったのです。
教師と学校組織の問題
私は、この教師はいったい何を考えているんだと思いましたよ。確かに、化学だけを考えると素晴らしいプリントでしたが、最上位でやっと神戸大、上位でも関関同立の少しマシなレベルの高校でこんなことをしたら、数学も英語も学習できなくなって大学進学に悪影響を及ぼすのは目に見えています。ところが、各教科の教師は自分の科目のことしか考えずに行動する。
この教師間のチームプレーとかバランスを図る管理職がいないことが学校で整合性のない学習になる最大の原因です。一般の企業なら、各社員が好き勝手やって課やチームでまともに仕事ができないなんてことは許されるはずがない。でも、学校という組織は教師が好き勝手やって、責任は「成績が悪いのはキミのせい、大学進学失敗もキミのせい。」って平気でやるんです。
生徒の方にも問題がある
この状態で、化学は少し手を抜いて数学や英語をやろうとアドバイスしても、その化学の先生が厳しいものだから、この生徒は化学を優先せざるを得ないと言ったのです。高校2年生にもなって、教師が厳しいと中学生のようなことを言って、状況がまずいと分かっていても自主的な取捨選択ができずに学力不足に陥入り、大学進学に禍根を残すことになる。
そして、化学をそこまで学習するなら、この生徒が大好きなクラブ活動を制限しないと、バランスある学習はできなくなるとアドバイスしても、自分の好きなことを犠牲にして学習をするなどの考えなどまるっきりありません。それでは、塾から帰った後に、せめて数学だけでも頑張れと言っても、そこまでやる気力もない。
この状況で、自分は進学校に通っているから、上位の国立大学に行きたいと言うのです。私は、クラブを制限するか、もう少し自己学習をしないと関関同立も難しいと何度も忠告しましたが無駄でした。
このような状態が典型的な進学校の生徒です
私は最初から、「国立大学はクラブをやめて学習に全力投球しても、正直難しいともう。それなら、クラブもやりながらもう少し学習方法を考えて関関同立を狙った方がいい。」「もう少し様子を見て、志望大学を考えて、勉強方法の整理を納得してほしい。」と言い続けました、結局学校の宿題に流されるだけで終わってしまいました。
これが典型的な、ソコソコの進学校で、真ん中くらいの成績の生徒がやることです。判断力も根性もないんです。
分かっている生徒は最初からやっている
非常に高い学習適性を持って学習時間が必要ない最上位の一部の生徒を除いて、普通の少しマシな程度の能力なら、自分の学習環境を把握して、好きなことでも我慢して自助努力をできるかどうかが上位の国立大学に進める分岐点です。
神戸大学に進める生徒は、高い学習適性を持っていない場合、自分の適性能力を把握して、クラブなどを自制して毎日かなりの学習時間を取れる自制心と努力が必要となってきます。この判断がない生徒が上記のような生徒で、まず上位の国立大学には進めません。
そして、この資質は上記の生徒のように現状を認識して学べるものではありません。いくら失敗しても改善できない生徒がほとんどです。一方で、分かっている生徒は最初からやっていて学力を最初から保持しています。やらない生徒は、いつまでも分からないし、やらない。だから、高校2年生で「何とか国立大学に」と塾に来る進学校中位の成績の生徒は、まずもって難しいです。
そして、親御さんに言いたいこと
「クラブもやって、この子の喜ぶ顔を見て、学校の宿題もキチンとして学校の成績も上げて、それで数学と英語は模試で偏差値70をとらせてぇ~・・・で、塾でサクッと神戸大学に行かせてもらえたらなぁって、ウフッ・」ってお考えの、今どき非常に多い親御様。今どきの褒めて育てる、子供には無限の可能性がある式の親をよろこばせて金をブン取る教育業界のことばは、集客のための撒き餌=宣伝文句だとご存じない?
そんな簡単には入れるんだったら神戸大学の値打ちはないんですよ!それとも、偏差値30から〇〇大学へっていうオレオレ詐欺の信者さんですか?
相応の犠牲を払わないと相応の対価は得られないということを教えるのは、偏差値以前に、親御さんのお子さんに対する重要な教育だと思うんですが、最近はこの最初の一歩が壊れている親子が多い。