「1日12時間の勉強で偏差値35からの大逆転!」というウソ
1日に12時間も勉強できると思う親も子もまともに勉強したことがない
一度本気で勉強したらわかりますけれど、休日や夏休みなどでも1日10時間はできません。集中力が続かないんです。けれど、学校で8時から4時まで勉強して、家に帰ってきてからでも4時間ぐらいは勉強できます。これで合計12時間です。
「1日12時間勉強しました!」というのは、こういう学校や予備校・塾の時間を入れてじゃないかとしか思えません。これは、9時ころまで残業して1日12時間働いているという会社員と同じカラクリだと思います。
学校や会社込みだと、なぜ12時間も勉強できるのか?
それは、人の話を聞いて「ホ~、そうか」と言っているだけの学習と、自分で考えて自力で解く学習は負荷が全く違うからです。それに、学校の授業では、入試に関係ない科目の授業も多くあり、気が抜ける時間も結構あるわけです。だから、家に帰って来て、それなりの学習や仕事ができるのです。
会社員の場合でも、学校の授業と同じで、自分の業績とはあんまり関係ない会議あり、書類書きのルーティンワークありだからです。ホンマに頭動かして新しいこと考えてる時間どれだけあります? 子供が学校で授業受けてるのと、そう違わんでしょう。「新しい事業や~」って言っても、過去の経験などから引き出せる仕事がほとんどでしょう。体当たりで新しいこと吸収して考えないといけない仕事って、それほど多いですか?
会社や学校にいる時間で、本当に頭を使って考えている時間はそれほど多くはない。一方で、家で問題を解く高校生や暗記をする中学生は、新しいことに挑戦し頭はフル稼働しています。だから学校に行かずに、家で自主学習など8時間も持ちません。もし1日に12時間も自主学習ができるというのなら、それはまともに学習していないからです。集中していなかったり、できる問題を繰り返しやっていたりする役に立たない勉強が多くを占めているはずです。
1日12時間脳ミソフル稼働だというお父さんがいたら、それもウソだと思います。元気の盛りの高校生ができないことを40歳超えたオッサンができる訳ないでしょう。
こういう宣伝文句に騙される親子って・・・
人間の脳なんて、フル稼働できる時間はそれほど長くないです。考えるって言っても、大抵は経験やルーテインが入り込んで、全面的に何かを理解する・考えだすなんて時間はそれほど多くはない。学習は、子供にとっては、常に新しことを吸収し考え出すことです。だから、1日12時間もできるわけがない。できるとしたら、適当に流す学習が必ず取り込まれています。
だから、そんなことも分からずに「長時間勉強すれば成績が上がる」と漠然と考えている親に、こういう宣伝文句が使われるんです。逆に言えば、「夏休みは合宿で1日15時間学習! ホテルに缶詰めで猛特訓。ホテル代込みで30万円で偏差値アップ!」というような宣伝文句を使われる親は学習業界からバカにされているということです。だって、1日12時間も集中して学習できないことを一番知っているのは塾です。「差額ガッポガッポ」以外の意味はありません。