公立高校/文理や総理は特別なのか?/特別ではありません
公立高校の文理や総理の教育内容と位置づけ
まず、兵庫県の都市部の進学公立高校こういう推薦入学のクラスの教育内容についてです。私も何人かこういうクラスの生徒を教えたこともありますし、神戸大学などに合格させたこともありますが、私の経験からは「特別な授業はない。」です。あるとしても、「大学と連携した実験」程度のことで、大学進学とはまるっきり関係ありません。
一般の普通クラスとは多少違うかもしれませんが、カリキュラムも授業進度も、私立の中高一貫の進学校と比べると、普通クラスとは誤差の範囲です。
では、なぜこういうクラスを作るのかという位置づけです。単に「進学クラス」「特進コース」として、成績優良な生徒を集めたいからに他ならない。ところが公立高校だと「進学クラス」などと差別的に訴求できないから「文理コースです。興味のある方は・・・」という募集にしているのだとしか、私の経験上考えられない。
では、その「文理」「総理」が有効なのか?
私の考えは「有効ではない」です。だって、神戸高校の総理に行く生徒は、どっちみち神戸高校に行くわけです。推薦入学で「総理」という進学コースに進むのか、そういう特別コースがない時代の普通クラスで上位にいるのかの差だけです。だって、特別な授業などないんですから。
そして、例えば神戸高校の次のランクの御影高校の「文理探求コース」ですが、このコースが出来たからと神戸高校に進める生徒が御影に来るか?それは、非常に考えづらいことです。だから、結局御影高校の上位の生徒が進学コースにいるに過ぎないのです。
だから有効ではない。総理や文理の平均レベルは普通科より上だが、こぼれていく生徒もいる。 普通科から上がっていく生徒もいる。 これも、私立の進学コースと普通科と同じ。 普通科でも国立理系・文系コースもある。入れなくても何てことはない。普通科で頑張ればいいだけです。
ただ一つ例外はある 国際科
特に葺合高校の英語教育はレベルが高く、普通の高校とは別格です。でも、こういう高校は、英語は得意でも数学などは不得意な生徒が集まる高校です。英語も数学も得意なら神戸高校に進むでしょう。
だから、そのコースで英語に比重を置いたらどうなるのか?理数系はおざなりになります。だから、いくら英語教育に力を入れても、それほど大学進学は改善しない。言い換えれば、英語が得意でもその語学力を生かせる就職ができる大学には進みづらいということです「英語が得意な国際科の生徒が関関同立にも行けない理由」。
それでは、そういう特別コースは、まるっきり雰囲気が違う進学コースなのか?
いいえ、違いません。だって同じ校舎で同じ先生に習っているんですから。それに、クラブも同じです。変わりようはありません。
言い換えれば、普通コースの下位の生徒にクラブなどに引きずり込まれて、成績を落とす可能性もあるということです。
それでは、特別な授業を望むのなら?
素直に中学受験をして、中高一貫の進学校に進むことです。もっともそれがいい方に転がるとは限りませんが「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」。