中学受験・高校受験の弊害

受動的な学習しかできない

中学受験塾や高校受験塾に通っていた生徒の中には、宿題しか学習しない生徒が結構います。塾の宿題をしておけばよかった習慣が中学はおろか高校になっても染みついている。特に中学受験した子供には色濃く染みついています。

だから、高校に入って学習が難しくなって、自分で分からないところを復習したり、入試までの学習プランを考え自己学習を進めたりできる子がどんどん減ってきています。学校の宿題だけやっていて、それがその子供に合っていて、それでよい結果が生まれている場合はそれでいいのですが、そうではない場合に対策を打てないことが増えているのです。

私の塾では、進学校の子供の学力や授業内容それに学校からの宿題などを考えて必要な自己学習を提案していくのですが、学校の宿題以上の学習をすることに凄い抵抗感を持っている子供が多いです。本人が「今のままでは理解不足が進むだけ」と分かっていても、いざ実行させるとやらない子供が多い。それで、塾から提案した学習はやらずに、塾の宿題ばかり持ち込んで、塾は宿題をやる場になってしまう。

こういう子供は、いくら進学校に進んでいてもズルズルと成績を下げて大学受験で失敗します。

丸暗記学習しかできない

中学受験の塾はもちろん、高校受験の塾でも、子供に理解をさせる手間を嫌がり、通り一遍の解説をして宿題を出して、宿題が出来ていても出来ていなくてもハナマルのハンコを押して終わりの塾が多いです。

理解力のない小学生はもちろん、中学生にも理解をさせる手間は大変です。問題の題意把握や、考えるポイントなどを説明しても徒労に終わることが多い。上位の一部を除いて90%以上の生徒では無駄だと私も思います。だから、通り一遍の学校と似たり寄ったりの授業をして、宿題を出して、その宿題で解法丸暗記をさせる。上位の生徒は丸暗記はできるが、多くの生徒は丸暗記もいい加減で赤ペンで正解を書き入れるだけの作業になります。

けれど、90%の子供に解法を丁寧に教えたとしても、彼らには解法暗記以上のことはできないのだからある意味で仕方がないことかもしれません。でも、その授業で被害を受けるのは上位10%です。能力が高く丸暗記もお手のものだが、思考力が育成されていない。一方で、丸暗記で進学校に合格した成功体験と丸暗記学習の自信だけは持っています。

その状態で、バリエーションが無限にあって丸暗記では対応できずに、理解をした上で題意を把握し解法のポイントを考えなければいけない高校の数学に突入して大破するわけです。これ、上位の進学校でとても多いです。でも、そのことを言い聞かせても、進学校に通っている自負と、今までの学習方法への自信から学習方法を変える生徒は少ないです。

進学校では成功体験が足を引っ張る。それ以外は学習は無理になってくる。

結局、進学校ではこの丸暗記学習の成功体験が高校で足を引っ張ることになります。

一方で、その他の生徒では、能力的に高校の数学をどうにかしようなどということはできなくなってくる。その結果、今では「名門」と言われている産近甲龍レベルの大学では理系の入試で数Ⅲが無くなっている。理系の生徒でも数1Aと2BCだけで精一杯で、それ以上は無理だからです。この理解力を鍛えられていない頭で大学の専門を学ぶのは、私は無理だと思っています。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。