関関同立以上の合格レベルの英語/入試英語の変化への対策

入試問題の英語の質変化への対策

昔は英語の入試問題というと、エッセイや文芸的な文章が多く、複雑に修辞・修飾された文章を読むとものも多かったです。それからは、修飾句が複雑な文章を、動詞の人称や時制を考えながらいかに読み解くかということに力が注がれていたと思います。これは、改定前の「基礎英文問題精講」などを見ると良く分かります。例えばこういう文章です。画像で見る限り、旧版の基礎英文問題精講の問題です。

この冒頭の文章分かりますか? たいていの人はcan one experience four seasonsで分からなくなるはずです。これはIn~Englandまでが強調で前に出ているから、canが倒置されて主語の前に出ているんです‥多分(ネットで拾ってきた文章で、解答見て書いてないので、間違えてたら叱ってね!)。だからoneの三人称単数に対して、canがあるからexperenceが原形なんです。こういう文法的解析的読み方ができないと解けなかったんですよ。もちろん、このexperenceという単語は名詞でも動詞でも使えるので、それがより一層混乱を招いているんです。

ところが、この数年で大学入試問題は急変したと言ってもよいと思います。文章内容が社会事象や自然科学・哲学などの説明文や評論に代わり、文法的には複雑ではないが基礎知識がないと何が書いてあるのか分からない文章が多くなってきました。要するに、英語を和訳作業するだけでは読み取れないことになってきています。これは、現代国語の説明文も同じ傾向で、日本語の内容が難しくなっているのではなく、書いてある内容が難しくなっているため読めないことが増えてきています。下の文章も、下線分の文章は何も難しくないでしょう。でも第3段落で内容把握が急に難しくなるはずです。第4段落では英語は読めても何を書いているのか分からない方も多いと思います。

同じ系統の「基礎英語長文問題精講」も、改定によってこのように問題が変わってきています。修辞的な面倒くさい文法はないが、内容自体が読み難いのです。基礎英文問題施工と基礎英語長文問題精講にレベルだはありません。前者が読みにくい箇所だけ抜粋、後者が入試問題全文を載せているだけです。だから、基礎文問題精講でも同じ変化です。

もちろん、この傾向は上位大学ほど顕著です。だから、関関同立レベルでは英語力を鍛えるだけでは対応できなくなってきています。同時に、教科書的な文章ではなく、このような問題集を多く当たらなければならなくなっています。もちろん、英字新聞などを読めればいいのでしょうが、そこまでは無理だと思います。

これが一つ目の対策です。

文章量の増加への対策

また、英語の文章量も増加傾向にあります。以前は、国立大学の二次などは、1問は長い文章問題で速読、1問は修飾が複雑な難問と別れていたのですが、最近は上のような内容把握が難しい文章が2問以上ということが多くなってきています。ですから、内容を把握できる社会知識とともに、速く読める能力も必要になってきています。もちろん、これは実際の英語の必要性に応じたもので悪いことではありません。でもそのためには、速読できる能力が必要になってきます。その育成が二つ目の対策です。

英語を早く読むには、日本語に訳さずに、英語のまま理解することです。英語のまま理解するとはどういうことか?それは、日本語と英語の正反対の特性を理解して読むことです。英語はSVOと目的語と動詞の位置が正反対なだけではなく、修飾句の位置も違います。修飾句も後ろにあります。だから、この位置を補正する作業=漢字のレ点のような作業をするのが和訳なわけですが、そんなことをしていては速読は出来ません。

だから、英語のまま頭から読んで英語で理解していくことです。SがVをした、Oに対して。その後の修飾句=そういう理由でか・・と頭から単語を置いていけば英語は読めます。でも、そのためには文型や修飾句(不定詞・関係詞・分詞など)の文法的知識が必要です。この知識がないから、英語のまま読めずに、意味が通りように単語を並び替える和訳という作業が、ほとんどの生徒で必要なのです。でもそれだと読むのに時間がかかりすぎる上に、多くの生徒では和訳に必死になって内容把握ができないんですよ。

だから、英語のまま読めるように、長文読解の前に、まず文型や修飾句の英文法をしっかりと学習することです。学校の英文法の授業や教科書だけでは内容が貧弱なので、下のような上質の問題集を文法の参考書で確認しながらしっかりと学習する必要があります。でも、学校によっては文法学習より構文学習に力を入れているところもあるようで、「熟語的に構文は暗記しているが、文法を知らないので、上に挙げたような複雑な文章の入試問題では対応できない」という生徒が増加しています。

「文法なんて分かっていなくても大丈夫。」と言っている生徒はまず関関同立には合格できないでしょう。学校から配られている参考書を一通り理解できているレベルでないと無理かと思います。

英語を頭から読めないレベルでは英会話も出来ない

上に挙げた入試問題を和訳せず位英語のまま頭から読めるレベルは、英検では準1級より上だと思います。2級では無理です。この2級少し上というのが、関関同立の合格ラインです。だから、上の文章を詰まりながら半分以上なんとか読めるレベルでしょう。

2級では、英語を日本語に直す作業がないと理解できません。ということは、日本語を英語に直す作業がないと英作文も英会話も出来ないわけです。だから、自分が思ったことを書けない話せないということが起こります。英語を頭から読めると、英語のまま書き、話すことができます。もちろん単語で詰まることはありますが、英語表現で詰まることは少なくなります。だって、適当な修飾句で後から説明していけばいいんだもん。

だから、「英会話!」という人も、まずは地道に英文法を学習して準1級くらい取ることだと思います。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。