国立大理系は公立高校から現役ではもうムリ?/理系なら中学受験は必須
理系での負担の増大
「暗記が苦手な子供は高校理科はもう無理/文系でも物理基礎を選択」で書きましたが、理系科目の負担がとても大きくなっています。
理由は、「暗記が苦手な子供は高校理科はもう無理/文系でも物理基礎を選択」にも書いた通り、数Ⅲで曲線や複素数などの分野が増えてきたこと。理科では化学で無機や有機の暗記、生物のバイオ関係の新しい分野の暗記が激増したことです。だから、工学系の物理・化学を選択するより、医学・バイオ系で化学・生物を選択する方が負担が多い。その結果、医学・バイオ系でも物理・化学で受験する生徒が出てきて、大学で講義についていけるのかと心配になります。
公立校の学習ペース
この学習を高校に入ってから始める公立校では、上位の進学校でも数Ⅲは3年生の前半まで持ち越し、理科はほぼ2学期が終わる頃まで持ち越します。こんなペースで学習を進められ、国立大学なら二次試験の対策も出来ない状態で2学期が始まると共通テストの対策もしないといけません。共通テストの面相な国語や英語の問題量や選択肢に慣れ、社会なども学習しつつ、その上で二次の難問対策など不可能なんです。
でも、出来ると言い張る公立高校多いでしょ?だから進学実績も落ちてるし、それを分かっている親は中学受験させるんです。こういうこと言ってもお分かりにならない方は多いと思います。なぜか? それはね、上位の国立大学の二次試験の数学の問題を見たことがないからです。神戸高校に上位で入る程度の子供が半年やそこらで何とかなるものではないんですよ。
もちろん、関関同立なら理科は1教科ですし、数学もそこまで難問が出ることはないので、何とかすることはできます。でも、上位の国公立大学は、公立高校から現役で進むのはとても難しくなっていると思います。
私立の学習ペース
だから、中高一貫の私立は、中学2年生の後半から高校の数学をはじめ、高校2年生では数Ⅲを終えるようなカリキュラムを組みます。そうしないと国公立大学の受験に対応できないからです。公立大学の二次試験の難問と共通テストの準備を考えれば当然の選択です。
だから、理系の国公立大学に進むのなら、中学受験するか浪人するかの選択しかないと思います。
文系ならこんなことにはならない
文系では数Ⅲもないですし、理科も基礎しかありません。公立高校でも2年生でほぼすべての学習範囲が終わります。だから、私立にわざわざ行く必要はないかも知れません。