英語ができない生徒の学習/文法を熟語と思ってしまう

文法とは熟語である?

英語が落ちこぼれる生徒は、文法を理屈で理解できずに、構文や熟語として暗記してしまいます。彼らには、文法の学習は文法の学習でおぼえる、和訳は和訳で単語の意味を適当に並べて日本語にする、英訳も今まで見たことがあるような文章を思い出して単語を並べると、別個のものとして認識しています。

するとどうなるのか?

だから、文法問題も少し変えられたり捻られたりしたら分かりません。もちろん、和訳など中学1年生の簡単な単文の場合は良いですが、2年生になって不定詞、3年生になって分詞や関係詞が入ってきて修飾関係が複雑になってくると無理になってきます。和訳が無理なのですから、英訳など論外です。

例えば、 I know that he loves her. と I know him that loves her. の違いを正確には訳せません。単語の意味をつなぎ合わせて両方とも「私は彼が彼女を好きなのを知っている。」と言うように訳します。

もちろんヒアリングも出来ない

文章の構造が分からないのですから、ヒアリングも聞き取れた単語を並べるだけです。英訳も出来ないのですからスピーキングももちろんできません。

ヒアリングが出来ないとなると、耳が英語に馴れていないなど「聞く」ことが出来ないと思いがちですが、それ以上に文法的な能力がないから聞けないし話せないのです。

だから、こういう人向けに「このフレーズをおぼえればネイティブ」などと言う宣伝で教材が販売されます。でもこんな教材を買う人は、話せるようにはならないでしょう。

こういう生徒の学習とは?

このような生徒に、「教科書のこの文章はこういう文法で、こうなっているんやで。本文に入る前に重要文法で教えて、問題集もやったやろ?」と何回も教えます。すると、「忘れてました。」という頭が痛くなる答えが返ってきます。

もちろん、もう一度説明し、時にはもう一度問題集を学習し直させるのですが、次のに教科書を和訳させるとまた適当に単語を並べて訳します。それで「そういう学習の仕方をしたらダメだと言っているだろう。文法をキチンと把握して正確に訳しなさい。」と注意を繰り返すのですが、一向に直りません。それどころか、1週間もすると新出の重要文法だとして学校だけではなく塾で何度も教えた文法をまた忘れます。

文法を学習しては忘れるのは、ポイントを把握しておぼえようという気がないからでもありますが、教科書を読んでも「どんな文法なんだろう」とポイントを考えながら読んでいないからでもあります。

指導方法

もちろ、、「この文法のポイントはココやで!」「この文章は、ホラこういうふうにその文法が使われている屋r。せやからこういう訳になるんや。」とそのたびに教えるのですが、彼らに聞くと「どうすればそういうふうに考えられるのか分からない。」と言うのです。

もちろん中学生の文法ですから、理屈が複雑で分からないこともありません。丸おぼえでなく理屈を理解して問題や長文に当てはめていくということが出来ないのです。いくら見本を見せて考え方を示しても、思考回路が分からないのです。丸おぼえしてほぼ同じような問題はその時にはできても、長文などに持ち込むことはできないし、丸おぼえだから少し経つと忘れることを繰り返します。

もちろん、この学習傾向は英語だけではなくすべての教科に及びます。どの教科でも同じ状況です。この状況を指導してどうにかすることは、とても難しく大抵は無理です。「どうすれば考えられるのか」というこの一番基盤となる問題をクリアできている子供にしか学校や塾は無力です。問題点は英語や数学などのその下の基盤にあるからです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。