進学校に入学しても落ちこぼれる最大の原因
進学校の生徒に対する以前の悩みは、能力や努力できる度合に適切に対処していくというものでした。 ところが、進学校の増加と進学熱の過熱で、無理やり中高受験させられ、大人の言うことを聞かない中高の年齢で将来の怠け者に戻る生徒が増加しています「今年度の最大の課題/進学校の生徒の個々にあった学習管理」。
これが進学校の生徒なのか?という「ダラシナイ」生徒が増えている
私も進学校で落ちこぼる原因をいろいと考えてきました。「中学受験と高校受験の弊害/進学校に中位・下位で入るのは愚かです」「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」そういう生徒をお預かりすることも多かったのです。
例えば、進学校では進学実績を出すために上位の生徒に合わせた授業・カリキュラムを組むので下位の生徒は落ちこぼれてしまう。だから下位3割で上位校に入るより、上位3割で下位校に入る方が良い結果が出るというようなことです。
もちろん、これは今でも正しいと思っています。ところが、最近は進学校の生徒でも学校側と生徒との間の誤謬の問題と言うより、完全に生徒側に問題があるのではないか?という事例が増えてきている気がしています。というのも「これが進学校の生徒なのか?公立中学の下位の生徒のようにだらしないではないか?どうやって進学校に入ったのだ?」という生徒が増えてきている気がするからです。
なぜそんなことになっているのか?
これは受験熱がますます過熱して親の監視下で中学・高校の学習塾で学習を強制される生徒が増えているからではないかと思ってしまいます。そして、今の子供の精神年齢の低さとこの問題が微妙にマッチングしてます。
今の子供を教えていると、中学2年で小学校6年生、高校2年生で中学3年生並のことしか言えない生徒が激増しています。理由は私にはわかりません。だから反抗期や思春期も遅れているのです。だから中学受験はもとより高校受験でさえ大人の指導下で疑問も抱かずに学習した子供が多い。
ところが、彼らには中学高学年から高校になって遅れてきた思春期がやってきて、大人の言うことなど聞かなくなるわけです。この時期にその子供の本性がさらけだされます。「コイツ、こんな怠け者だったのか?」と唖然とするということです。
私の塾でも、進学校の生徒だと期待していても学校の宿題を塾に持ち込んで、自主学習など全くする気のない子供が増えてきています。親もそのことが分かっていて私の塾に放り込むのですが、子供は親のそういう視線や管理に慣れているので、暖簾に腕押しの如く、塾で何を言ってものらりくらり逃げます。「落ちこぼれる進学校の生徒の思考/中学・高校受験の塾の「宿題さえやっておけばいいだろう」から抜け出せない」「進学校で成績が低迷する生徒の謎/決して追いつけません!
他の生徒も教えなければいけない中、根競べにこちらも負けてしまうことも多いです。
正直、中堅高校でよく見る怠け者が進学校に入っているのです。少子化と進学校・コースの増加でこんなことになっているのだと思います。
こういう生徒の特長
こういう生徒は、成績が下がっても、志望校に行けないと言われても、全く動じません。だって体は高校生でも、頭の中は反抗期が始まった中学2年生並なのですから、「ウザイ」しか考えはないのです。それで、大学受験が目の前にチラつくようになり学習を始めるも、高校の学習は難しく簡単には克服できないことを知ることになります。
それで、こういう生徒はどうするか? 私の経験上、あまり深刻に考えずに進める大学に進みます。だって、大学進学時でも頭の中は高校1年生程度なのですから、大学から就職への深刻な問題などまだ考えられないのでしょう。怠け者の性格と合いまって、「目の前のしんどいことは嫌」だけの判断で将来を潰します。
塾が抱える問題
こういう子供を預かると、こちらがいくら頑張っても成果が上がることはありません。進学校は学校の看板を盾に取って、成績が上がらないのは「子供が勉強しないから」と親に圧をかけます。自分たちの責任は認めません。
すると、親は塾にやってきて「おまえが全部悪い」と言い始めます。子供がだらしないのは一番よく知ってるからこそ、子供の責任でも、自分たちの責任でもなく、立場が一番弱い塾に怒りをぶつけてきます。怠け者の子供に対して塾が何もかもできるわけではありません。
私も自分の過ちや不手際はありますし、反省もします。叱責をされることもあるでしょう。それも仕事の内と考えています。
しかし、限度を超える場合は退塾してもらいます。一方で、進学校で明らかに落ちこぼれている生徒は、もう預からないようにしています。とても痛い目にあったのです。
今後の課題
高校無償化で親が金を払うのが塾ばかりになり、塾への風当たりは一層強くなりそうです。
だから、進学校で落ちこぼれている生徒はもう取りません。今の生徒と親の状況を見ていると無理です。