授業料無償化は公立高校のレベル低下を生むのか?/普通の問題集がやりきれない公立のトップ高校の生徒たち
このブログは私の数少ない経験からの推測であり、確かなものではありません。
全国に先立って私立高校も無償化された大阪府
兵庫県などとは違い、大阪府は上位の公立高校のレベルが高く、兵庫ほど極端に中学受験熱は高くありません。昔ながらに、公立中学からいい公立高校に行って大阪大学を目指そうというのがまだ王道にあります。
ところがです。全国に先んじて私立も含めて高校の無償化が始まり、大阪府の公立高校はどういう状況になっているのか、兵庫県で塾を開いている私が想像を超える経験をしました。
ごく普通の問題集を最上位の公立高校の生徒がやりきれない?
数研のサクシードという問題集をご存じですか? レベル的には4ステップというより有名な数研の問題集と同レベルのものです。進学校で使われている標準的な問題集で、ワンランク下のクリアーといった中堅高校で使われているものより多少難しい問題も混じってますが、まったく別ランクというものではありません。青チャートと黄チャートの差と言ってもいいでしょう
この問題集を、大阪府では最上位に近い有名な、というより名前が轟いていて兵庫県でもたいていのお母さんがご存じのトップクラスの公立高校で、多くの生徒がやり切れず、宿題に出されても提出に多くの生徒が困ってしまって、学校では配られない別冊の解答冊子をメルカリなどで高額で購入しているというのです。いや、解説がなくても学校から配られるチャート式にはほぼ同じ問題が解説してあるのですから、見ながらやれば出来ます。ということはそれさえも出来ずに、解答丸写しで宿題をやっている中堅高校と同じようなことがトップ高校で起こっているということです。
この状況が私立無償化の第1期生の学年で起こっているらしいのです。
私は耳を疑いました。確かに進学校でも極端に数学が不得意な生徒はてこずるところはあるでしょうが、多くの生徒が困っているという状況は私の経験にありません。4ステップは兵庫県の上位公立高校でも進学私立でも採用している学校は多いですが、塾の中学3年生でごく普通の進学校の少し優秀な生徒が困らずに学習していますし、今その生徒たちは数ⅡBの4ステップを何の問題もなく順調に予習しています。
当然、この程度の問題集を出来ないことには、大阪公立大学以上の国公立大学など文系であっても無理ですし、関関同立の理系なども無理です。
一体全体この状況は何なんだろうと私はとても不思議に考えています。

私の予想・・・妄想か?/こうならないことを願います!
大阪府では令和6年度より授業料の支援が始まりました。年収別で少し違いますが、年収590万円未満のご家庭では私立の授業料も無償化され、年収800万円未満でも年間50万円が援助されているようです。ということで、私立への志望者が多くなり、昔ならそのトップクラスの公立高校に進んでいないレベルの生徒が、それもかなり下のレベルの生徒が入学している状況が生まれているのではないかと思うのです。
ということで、「大阪府立高校が授業料「完全」無償化で東京を上回る大崩壊!ナンバースクールも定員割れ、私立校も猛反発…25年度入試はどうなる?」というような記事も散見されている状況です。
今後、全国的に授業料の無償化が、収入を問わずに始まります。そうすると私立人気が高い兵庫県などでは一層このような状況が進むのではないかと予想されます。
私立人気の高い兵庫県では、多くの優秀な生徒が中学受験で私立に進むので、公立高校のレベルは大阪府ほど高くありません。でも公立人気が高い大阪府でこのような体たらくだとしたら、兵庫県の公立高校の凋落は今後一層進み、トップクラスの有名公立高校でも4ステップの更に下の中堅高校が使うクリアーなどをの問題集使い、成績上位者で関関同立の文系という有様になるのではないかと思ってしまいます。