進学校の中下位は、進学校に進学する意味がない/中下位の生徒に足を引っ張られる進学校
進学校の中下位の成績の生徒の実態
進学校で中下位の成績を取る生徒は、今まで書いてきたように学校の宿題を漫然と行い、できないことは解答丸写しで理解不足のまま学習を進めます「進学校に入っても失敗するパターン/神戸大学には絶対に行けない」「進学校に入っても失敗するパターン2/神戸大学には絶対に行けない」。意識も意欲も低い彼らの学習態度を見ていると、「これが本当に進学校の生徒なのか」とあきれ果てるようなことがよくあります。親のコントロール下にある中学受験では親に全面復習して真面目にがんばっていた生徒が、思春期になってその本性が丸出しになったのです。この年齢では親もコントロールできなくなり、今の状態と言うわけです。「進学校に入学しても落ちこぼれる最大の原因」
進学校のメリット
中高一貫の進学校に進む最大のメリットは授業進度が早いことです。多くの進学校では学習が簡単な中学の学習を中学1,2年生で終わらせて、中学3年生から高校の学習を始めます。このことが如実に現れているのが数学です。多くの進学校では数研出版の体系数学という教科書を使います。これは中学三年間の学習分を二冊にまとめてある教科書です。でもこの教科書は特別に進学校向けのことが書かれているわけではなく、ただ中学の内容を2年間で学習しやすいように2冊ににまとめてあるだけです。

中学の学習内容は進学校の生徒にとっては簡単なためこのようなことができるのです。ところが数研出版も高校の数学に関してはこのような教科書は出していません。高校の学習内容は難しく、進学校の生徒でも三年分も二年間で学習することなど難しいからです。ですからどの高校も同じ問題集や参考書を使っています。例えば数学ではチャート式や4ステップという問題集や同じようなものをほとんどの高校では使っています。学校の授業で教える内容も大差はありません。進学校に行くと大学受験で受かるための特別な授業や対策があると思っている方は、私にはとても哀れに思えます。逆に、特に理科や社会では教師が趣味に走った自己満足で生徒には理解不能の極悪な授業が横行しています。「私立中学で注意しなければいけないこと/理科と社会の変な授業が多い」
進学校のメリットは特別なことが学べるということではなく、授業進度が早いことにほかなりません。これは、多くの学校を教えてきた経験から自信を持って言えます。公立高校だから授業のレベルが低い・悪いということはありません。
ということで多くの進学校の生徒は、文系では高校一年が終わった時点でで大学入試に必要な多く科目を一通り学習することになります。理系でも高校二年生が終わった頃にはほぼ大学入試に必要な学習を終了しています。高校生の残り1 2年間を大学入試の受験対策に専念できるということは進学校が大きなアドバンスなのです。特別な授業があると言えば、この受験対策と言っても過言ではありません。
進学校のメリットを活かせない進学校
ところが最初に書いたように進学校で中位下位の生徒は理解不足のまま学習が終わっており、入試問題などとてもできません。学校側もこの状況はよく理解しています。だからこの生徒たちに進学校は何をするのかというと、当然理解不足を埋める復習をし出すわけです。
阪神間で序列3位で名前が轟いているような進学校でも、高校三年生の夏休みの宿題は入試問題を解かすのではなく、チャート式の復習でした。これでは何のために進学校に進んでいるのか意味がありません。こちらはかなり古い話ですが、大阪でとても有名な進学校では、中位の生徒に向けて高校3年生で白チャートを配りました。白チャートというのは教科書よりも簡単なレベルの問題集です。「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」
この状況は進学校にせっかく進んでも中下位の生徒は落ちこぼれていることと同時に、上位の生徒でも中下位の生徒のために足を引っ張られて入試対策が出来ないことを表しています。この落ちこぼれている中下位の生徒でも、まだ神戸大学と言って国立大学の進学コースに入っているから、こういうことを高校3年生でさせるほかないのです。本来なら進学校の国立大学コースでは神戸大学に進めるような生徒向けに高校3年生では入試問題を学習させなければいけないのですが、それが出来ないのです。
国立大学コースと言っても上位と中位で学習内容を分ける必要があるのですが、それを出来ていない学校も多いです。理由は、可能性がある上位の子供だけで国立大学コースを作ると、1~2クラスしか国立大学コースは無くなり「進学校ってウソ」ったとバレるからでしょう。それに、私立コースに入れられた生徒の親から「真ん中より上の成績なのに、うちの子は無理ってことですか!進学校なんでしょ!!」と特大のブーイングを食らうからです。・・・高校3年生でチャートの復習をしないといけないようでは無理に決まってるじゃん。さっさと3教科に絞らないと関関同立も行けませんよ!「進学校で浪人が多い理由」
早い学習進度を生かせない進学校は多い
このように早い学習進度を生かせない進学校というのはかなり多いですし、生徒はより多いです。進学校で中位下位の成績を取って高校3年生でチャート式を復習しないといけない生徒など進学校に進む意味は全くありません。
そして進学校の上位の生徒でも、この怠惰学習をする中位下位の生徒に足を引っ張られていること多いです。学校側が高校3年生で受験勉強をできる学力を持った上位が、中位の生徒のために復習プログラムを受けさせられるからです。学校が上位と中位の間で明確に学習を分けないからです。
ですからせっかく進学校に通って高い授業料を払いながら鉄緑会などに意味を見出す生徒や親も多いわけです。これでは何のために中学受験をして高い授業料を払っているのか分かりませんね!