日本最大のマンモス女子大であり偏差値を上げている稀有な女子大 武庫川女子大の共学化
武庫川女子大とは
武庫川女子大は、阪神間の甲子園球場の近くにある学生数が1万人以上いる日本で最大の女子大です。文系学部は教員免許の取得に、理系学部でも栄養士や建築士そして看護師や薬剤師の免許取得にと、とても資格取得を重視する実学中心の大学です。最近では情報系の学部も充実させてきています。文科系学部だけのこじんまりした女子大が多い中で理系にも積極的に拡大している武庫川女子大は、少子化の影響で多くの女子大が学生数確保に苦心し偏差値を落としていく中で、唯一偏差値を上げてきた女子大でもあります。
最近では産近甲龍と並ぶ偏差値に上がってきており、阪神間の女子大では唯一の存在です。その人気の武庫川女子大が2027年度から共学化されます「武庫川女子大学 2027年度から共学化へ 西宮」。
理由は少子化?
同大学の広報担当は「人口減が進むなか、学校の規模を維持するため共学化が必要だと判断した。女子の共学志向も高まっている」などとコメントしているそうです「武庫川女子大学が2027年度に共学化 全国最大規模、名称も変更」。一方で、女子大だから選んだという学生も多く、この大学側の突然の決定に当惑の声が上がっているそうです「武庫川女子大学 2027年度から共学化へ 西宮」。
もちろん、この少子化の中、限られた文系学部しかなく、共学を望む女子が大半の中で、多くの女子大が共学化しています。共学化を良しとしない女子大、あるいは共学化するだけの資金や計画が持てない女子大は閉校しています。先日も京都の名門女子大のノートルダム女子大が閉校を発表しました「京都ノートルダム女子大学 学生募集停止のお知らせ」。
理由は現在の学生集めの問題だけなのか?
武庫川女子大は関西圏では唯一偏差値を上げて産近甲龍と同等の難易度を誇っています。中堅の公立高校などからは上位ではないと合格できないレベルです。これのレベルで今学生集めに苦労することはないかも知れません。だから偏差値も高いのです。
ところが、この産近甲龍より下のランクの大学では、もう偏差値と言う物差しがなくなり、どの大学が上なのか下なのか分からない状況になっています「進研模試偏差値50の大学とは? 偏差値68=上位4%の大学とは昔の偏差値55です」。全部Fラン大学とってもいい状態です。だから、産近甲龍のレベルから落っこちた場合、学生確保は一挙に難しくなりまます。推薦入学でかき集めて、全入に近いようなことをしださなければいけません。だから偏差値と言う物差しがなくなり、どの大学が上なのか下なのか私でも分からなくなっています。
だから、武庫川はこの偏差値から滑り落ちることに恐怖を抱いているのではないかと思うのです。武庫川では理系学部も多く、学生数が減少すると一挙に大学の維持が難しくなるでしょう。だから偏差値を保っている今のうちに産近甲龍レベルの共学大学にして、学生数の確保を万全にしておきたかったのではないかと思います。
私の考え
私は、この産近甲龍レベルの大学も、近い将来偏差値の物差しで測れないレベルに堕ちるのではないかと思います。
これは教えていて実感することですが、関関同立に進む高校生と産近甲龍に進む高校生は学力に大きな差があります。明確な差がある。例えば、出来る問題集なども明確に違います。下に挙げた有名な入試用の英文読解の問題集を、関関同立に合格する生徒は取り組めますが、産近甲龍の生徒では難しすぎて無理です。
産近甲龍より下になると、もう教えようがない・・・高校生としての基礎学力がまったくなく、中学生のような学力しかないからです。だからこのレベルの大学の入試問題は少し難しい私立高校の入試問題とほぼ同レベルです。
女子大にこだわり、特に理系で志望者が減ると、この箸にも棒にも引っ掛からない学生をかき集めるFラン化してしまう。そうすると武庫川が偏差値を上げてきた資格取得が担保できなくなるのではないかと思うのです。そうなると、余計に志望者が減ってFランスパイラルに巻き込まれる。この状況を武庫川は恐れているのではないかと思のです。

付属は共学化しないようです! 良かった!
武庫川付属の中高生は、私が教えた中でハズレはありませんでした。みんな真面目で努力家で、しっかりとした将来設計を持っていました。こういう学校は、他に小林聖心しか私は経験がありません。もちろん、進学校ではそういう生徒は多いですが、進学校の枠外ではこういう学校は珍しいです。中堅の公立高校などでは望むべくもありません。
武庫川の付属の場合、上部に大学が付いているにもかかわらず、こういう生徒を育成してきたこの学校を私は尊敬しています。だから、この良き伝統を守って頂きたいと切に願っています。
私は、中堅公立高校に真ん中ぐらいの成績で進むような女子中学生には、毎回武庫川付属を薦めます。