学歴の意味/大学別就職先と学歴フィルターを考える

有名な経済学者の野口英雄さんの記事です/私もそう思いますよ・・けどね最初の一歩はどうするの?

日本人の4分の3が「学歴フィルター」で不遇に? 日本を”活発な学力社会”に変える《人事制度改革》の処方箋」と言う有名な経済学者の野口悠紀雄 さんの記事を読みました。ここでは「大学ランキングは18歳頃の時点での順序づけだ。しかし、人間の能力はその後の勉強でいくらでも変わりうる。だから、「学歴フィルター」をかけている企業は、潜在的に有能な人材を取り逃がしていることになる。」と述べられています。

もっともな話です。政治家や官僚を見ると「これで東大卒か?」と言うようなのがゴロゴロいます。

らから、「多くの学生を一斉に審査するという新卒採用の場面では、ある種の機械的指標に頼らざるをえないだろう。したがって、問題は今の新卒中心採用の仕組みにある。この状況を改善するためには、大企業がその採用・昇進の仕組みを改革することが必要だ。すなわち、新規採用中心の体制から中途採用を増やしていく。」と書かれています。

でもね、最初の一歩はどうするの? 全員が新卒採用なわけです。その上、最初に入った企業がキャリアに大きく影響します。実際は中堅企業でソコソコ実績を上げても、大企業の管理職に転職することは難しいでしょう。理系なら、最初に勤めた企業の職場でそ専門分野を磨くわけですから、新卒の配属先が後の人生の大半が決定されると言ってもいい。昔と違って転職が当たり前になりつつあるとは言っても、超優良大企業からわざわざ転職する人も少ない。

じゃあ、「ある種の機械的指標」で採用される新卒の就職先が、とても大きな役割になります。

じゃあ、その機械的指標=学歴をまず確保するしかないんじゃないですか?

機械的指標=学歴フィルターをなぜ企業が使うのか?/野口先生の荒っぽい類推を塾経営者が補足

この記事には、「大企業への就職可能性については、「日東駒専」までは可能だが、「大東亜帝国」になるとかなり難しくなるといわれる。つまり、ここで「学歴フィルター」がかかるわけだ。」と書かれている。
その通りです。 だからミドリゼミでは、公立中学で真ん中程度の成績なら日東駒専=産近甲龍には大学受験からでは無理だから、まだ入りやすい高校受験で付属から潜り込めと言うんです。理由はこのレベルだと中堅高校に中下位で進みます。中堅高校で産近甲龍に進めるのは上位3割程度だからです。

では、何でここで一線が引かれるのか?
こういう中学の学習も満足に出来ていない高校生は遊び呆けて進研ゼミで偏差値40台などと言う有様になります。産近甲龍未満では、こういうほぼ偏差値の選別がなくなった生徒たちが推薦などで全入に近くなるからです。「将来のために頑張ろう」という意識など全くない学生だらけになる。こういう若者を雇って、「企業では頑張る!」になると思います? 「頑張る」と言うかもしれませんが、その頑張りのレベルが偏差値などないレベルの頑張りでしかない。
15歳や18歳にもなって、学歴の意味など十分分かっているのに頑張らないヤツが、就職したら頑張るんですか? 雇ってもロクでもないことを企業は分かっているから学歴フィルターを「ある種に機械的指標」として仕掛けるんです。そんなこと何十年も変わっていない。と言うことは何十年もそういう実績があると言うことです。アメリカでもヨーロッパでも中国でも、学歴フィルターのない国など存在しないのは、この万国共通の理由があるからです。

なぜ学歴フィルターが重宝されるのか?/塾経営者の経験からもう少し精密に考える

長年の中高生の指導から、MARCH=関関同立と日東駒専=産近甲龍の間には大きな能力差があります。高校の3教科の学習をほぼ理解できるか基本がやっとの差があります。MARCH=関関同立、その学力を手にするだけの努力もします。だから、学習も安心して任せることが出来ます。ところが、日東駒専=産近甲龍だとこうはいかない。答えを丸写しして分かったような気になっているスカスカの学習を繰り返すので、塾は常に注意して指導しなくてはいけません。

MARCH=関関同立では、問題点を把握し、自分で検討し、分からないところは聞き「これで大丈夫だ」と言う学習が分かっています。教えていても、「この子たちなら企業でも仕事を任せられるだろう。」と実感します。ところが、日東駒専=産近甲龍だと「答えが分かった=できた」レベルのことしか理解できていません。「この子たちに仕事は任せられるんだろうか?」と教えていて感じます。

だから、大企業はMARCH=関関同立以上しか雇用はしないことが多い。企業も私が感じているような差を感じているからだと思います。これが、学習結果と実務能力の間に相関関係があり、学歴信仰や学歴フィルターが存在する意味だと思います。

もちろん、そうではない例外もあるでしょう。でもそれは例外であり、その例外を実務未経験の新卒一括採用の中からどう探すのでしょう?そんなことなら、ある程度相関関係の高い高学歴を一括採用する方が効率的だというものです。

もちろん、この実務能力には「人当たり」とか「リーダーシップ」などは含まれません。それは、その実務能力のある社員の中から選んでいくのです。実務能力がなく人柄だけでは仕事など進まないからです。

ところが、このMARCH=関関同立では大手企業には入社できても、超大手とか超有名企業は難しい。本当の意味での超一流企業は、「高校の学習は理解できる能力があります。でも3教科が精一杯です」のMARCH=関関同立レベルの能力と頑張りと能力ではなく、その上の「いや、3教科なら余裕で理解できて、癖の強い入試にも対応できました」という早慶か、「共通テストもあって二次も難しいので死ぬ気で頑張りました」という上位国立大でしか入ることは難しくなる。より高度な実務能力や頑張る実務への忠誠心を求められるということだと思います。

この大学差と企業差は少し前に入塾説明会に来た親御さんの話と私の感覚は一致します。ある企業グループがあるとすると、親会社には上位国立大学や早慶でないと入るのは難しい。その下の大きな子会社にはMARCH=関関同立が多いというお話です。

塾で教えていても、関関同立に進む生徒と神戸大あたりに進む生徒では、その精神性は全く違います。神戸大に進む生徒では目標に到達するためには、クラブ活動などのやりたいことも抑制して学習に専念するだけの自己犠牲を払います。ところが関関同立に進む生徒ではそういうことはありません。自分のやりたいこともやって、その残りの時間でしか努力できません。人生の正念場の学歴を決める受験でもそうなのです。仕事だから違うのでしょうか?そんなことは企業はよく知っているから学歴フィルターがあるのです。

そして、MARCH=関関同立の下の日東駒専=産近甲龍では大企業と言っても超有名企業には入れずに中堅企業と言う感じになる。でもね、こういう中堅企業が時流に乗って一流企業へと駆け上がって日東駒専=産近甲龍の管理職が大阪大学の若手をこき使っていることなどもありますから、運次第と言うこともあります。今の半導体関連の企業や情報関連の企業など20年前は上位大学の学生が希望する企業ではなかった。一方で、パナソニックやニッサンなどの大手メーカーは垂涎の的だった。今や全く逆転してます。

でも、その下の大学ではそれなりの企業への就職は厳しくなる。理由は、能力が低い上に頑張ることが出来ないからどんな職場でも働かせられないのだと思う。

もちろん、数少ない例外を挙げての反論もあるでしょう。しかし、上にも書いたように、その数少ない例外を拾い上げるのにどれだけの労力と時間がかかります?職歴もない新卒採用でそんなことまでする企業はない。 「学歴じゃなく能力を見ろ」と言うなら中途採用しかないが、中小企業だけではなく中堅企業からでも大企業に中途で入るのは大変だと思いますよ。

これが20年以上中高生を個別指導で教えてきた結論です

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。