親の選択ミスで進学校の生徒の大半が大学受験を失敗する
親が志望する中学・高校に夢見ている大学進学のレベルが現実に即していない
阪神間ではトップレベルの公立高校である神戸高校や長田高校、そしてそれに匹敵する進学実績を持つ六甲や海星という進学校に親が夢見ている大学進学レベルと実際の進学レベルには乖離があります。多くの親は神戸高校や長田高校などの公立のトップ校に合格すると、当然子供は神戸大学ぐらいには進んでくれるだろうという思いが強い。それは六甲や海星という中高一貫校の進学校でも同じです。このレベルの学校では、高校や中学の入学時から関関同立で充分だと考える親はほとんどいません。だって、その付属校に行けたのに蹴ってきているわけですから。
これはその次のレベル公立高校で言うと御影高校などでも同じようなことが見受けられます。御影高校などに入学する生徒の親は子供は当然関関同立ぐらい行ってくれると思っています。高校入学時に産近甲龍で充分だと思っている親などいないと言ってもいいでしょう。これも同じです。産近甲龍の付属に行けたものを蹴ってきているわけですから。
実際の大学進学実績はどうなっているのか
ところが、これらの学校の実際の大学進学実績は、親が夢見るものと大きく異なります。公立高校最上位の神戸高校そしてそれに類する私立の中高一貫校では、およそ上位2 ~3割で神戸大学です。真ん中少し上のレベルでやっと関関同立です。真ん中より下だと産近甲龍ということになりかねません。こんな現実を中学高校入学時に親は想像しているでしょうか?
このワンランク下の御影高校レベルでは、上位2~3割で関関同立。真ん中ぐらいでは産近甲龍がやっとです。こんな現実を高校入学時に親は想像しているでしょうか?
ということは、どの中学・高校でも7~8割の生徒では入学時の期待は裏切られるということになります。この現実を認識していない親子が大学受験を失敗するわけです。特に、志望校の上位の生徒が叩き出す華々しい大学受験の成果を盾に、結局は中学や高校のブランドばかり気になり、そんな中高に自分の子供が中下位で入学するとどういうことになるのか想像もせずに一つでも上等なブランドを望む親子の場合失敗がより多いことになります。
中下位で入っても追い抜けばいいじゃん?という理屈は現実には難しい
こういうことを書くと「決めつけるな。中下位で入学しても頑張ってを上位まで追い抜けばいい。」という方もいらっしゃるでしょう。でも、それは難しいかも知れません。
上に書いた進学実績を考えるとお分かりのように、同じ学校の上位と下位では追いつくというレベルが不可能なほど学力差は開きます。この学力差はもともとの能力の差も大きいですし、それと同時に努力できる差も大きいことが進学する大学の格差から分かります。「大阪大学や神戸大学に合格する生徒とは」「産近甲龍と関関同立に進む高校生の違い」などに書いた通りです。
まずは能力の格差についてです。その中学・高校にギリギリで入る生徒と余裕を持って上位で入る生徒では能力に明らかに違いがあります。だから、「頑張る」という気持ちだけでは中下位で入った生徒が上位まで追い上げることは結構難しい。同じ神戸高校に入る生徒でも中学校で1番、2番で特別に優秀だった生徒と、何とか入る生徒では自分たちの能力の差は子供自体が一番分かっています。教えていても別物だとすぐ分かります。こんなことは各中学・高校の上位と下位でどこにでも起こっていることです「進学校の下位が大学受験に失敗する理由/中学受験の前期入試で入学した悲劇/進学校で関関同立に合格できない悲劇」「進学校の下位、中堅公立高校で失敗するパターン/関関同立には絶対に行けない」「進学校に入っても失敗するパターン/神戸大学には絶対に行けない」「進学校に入っても失敗するパターン2/神戸大学には絶対に行けない」。
分かっていないのは、「神戸高校!」に舞い上がっている親の方かもしれません。だから無理をして上の高校に入れて子供を潰すのです。試しにお子さんにその特別に優秀な「○○君に努力して追いつけると思うか?」と聞いてください。お子さんはきっと首を横に振ることでしょう。
「じゃあ、なぜ下のレベルの学校に上位で入らない? 下の高校でもトップは神戸大学だし、上位なら関関同立。上の学校に下位で入って、最初から可能性を狭めるのは賢い選択じゃないでしょう?」とは塾ではアドバイスするのですが、多くは聞く耳を持ちまん。上位校の上位の生徒が叩き出す夢のような結果に親の願望を重ねて現実を見ようとはしない。それどころか有名校のブランドばかり欲しがる親が大半です。インスタ映えの動画を見て借金をしてブランド物を買うのと似ている。これが失敗の第一の要因です。
社会に出てからの60年の人生で「どの大学出身か?」はとても大事なことですが、「どの高校出身か?」なんか聞かれることはない。中学や高校のブランドなどその制服を着ている6年か3年かしかないのに、分かっていても親は目の前のインスタ映えに飛びつく。
中学の後半から高校で破綻する生徒は予測がつく/そんな生徒を進学校に入れるのは自殺行為
もう一つの理由は、努力の格差に関するものです。自分の子供が思春期や反抗期に成長した際にまじめに学習に取り組むのかという予測を間違う親が多いということです。
中学受験で小学校の間、あるいは高校受験で中学の間、親が言う通りに塾に行き、塾から出された宿題を真面目に取り組み、親の思い通りの中学・高校受験を成功させる子供が、思春期を迎え反抗期になり中学の後半から高校になって同じように真面目に学習に取り組んでくれるかというのはまた別の話です。
本来は怠け者でも、まだ思春期に到達していない子供の場合は親や塾が厳しく指導をするとそれに従う子供は多いです。けれど思春期や反抗期になると親や塾の言うことなど聞かなくなります。子供の本来の性分が丸出しになって成績が落ちていく子供が一定割合でいます。
親御さんの方では、中学・高校受験での従順な姿ばかりを見ていて自分の子供の本性を全く分かっていない方もおられますが、やはり気がついている方が多い。ミドリゼミでも「お宅のお子さん、上昇意欲があって自分から頑張るタイプじゃないですよね? 高校になると親の言うことなんか聞かなくなって本性丸出しになりますよ。今でも片鱗あるでしょう?まじめに学習に取り組んで、優秀な生徒を追い抜かして成績を上位近くにまで引き上げて関関同立行けると思いますか?」と進路を決める際などにお尋ねすることもあります。
親の方もそんな子供には気づいていても、それでも神戸高校や六甲などに入学できる子どもに「今のうちから関関同立の付属校に行った方がいい。」、あるいは御影レベルの高校に進める子供に「じゃあ産近甲龍の付属に行っとくか?」ということにはならないのです「中学2年生で一発で分かる「関関同立は絶対無理」な生徒/勝ち目は付属高校一択!」「中学受験塾、下位クラスの生徒/付属校に入れる以外道はなし」。
先日も塾の説明会と体験授業でこのような話になった時に、お母さんは「でも、やはり希望というものが・・・」と仰っておられました。塾でデータを出されて頭では理解はできるし、子供の性根も分かってはいるが、気持ちは納得できないというこのお母さんと同じことに大多数の親御さんもなります。
それが子供を失敗に導く第2の原因です。
愛情は冷静な判断の上に!希望や願望の受験はもってのほか
進学というのは客観的な判断が重要です。「自分の子供だ」「子供の将来はこういうふうに夢見ているのよ!」という愛情や願望は置いておいて、会社の部下を査定するような気持で進学は客観的に判断しないと、上に書いたようにその後で失敗します。子供の将来のために現実に即してどう納得していくのかも親の愛情です。その親の愛情が願望という主観になって、盲目的に間違ったところで使う方が多い。
客観性を超えて親の希望や願望という主観が前面に出る中学・高校受験をした場合、必ず失敗すると言ってもいいと思います。客観と主観を逆転させて「ひとつでも上の中学・高校に入れるように頑張らせることこそが親の愛情だ」と錯覚して、親の気持ちを前面に出して受験をさせてはいけません。絶対にいけません。それこそが子供を潰し、子供の将来台無しにします。行けた大学にも行けず、就職できた会社にも就職できないことになる。
中学・高校受験後の生徒を20年以上教えてきた塾からの忠告です。


