子供を指導する際に気を付けていること/自分の固定観念を持たずに、子供の真意を聞くこと
とあるピアニストの評価
最近このCDを買いました。ベートーベンのピアノ曲です。とても優れたピアニストの演奏だと思って買ったのですが、アマゾンなどのレビューは芳しくありません。
理由は、このピアニストはロシア系のユダヤ人で、多くの人が、特に年配の人が若いころから聞き続けているドイツ系のピアニストが弾くオーソドックスなベートーベンではないからです。だから、批評では「なんか違う」「私には合わない」と書かれています。
もちろん、アマゾンのレビューに素人が書く無責任なものなのですから「私には合わない」でいいわけです。でも、「聞く耳がない人間が適当なことを書いている」と知らない他の購買者はこのレビューを真に受ける方もいるかも知れないし、何よりこのピアニストにとっては迷惑な話でしょう。
キチンと評価するなら、ロシア系やドイツ系の差を理解したうえで、このピアニストの表現や技量が優れているかどうかを評価しないといけません。もちろん、趣味の話なのですから「好き・嫌い」は最優先事項なのですが、その前に「優れているか、いないか」の評価がないと、とてもレベルの低い「好き・嫌い」の趣味になってしまいます。それは、音楽に限らず、お酒や食事といった本能的なものから、読書や音楽などの結構知的なものに至るまで同じだと思います。

子供の教え方や接し方もそうなっていないか?
経験が浅い塾の講師や教師では、専門書やマスメディアの「ベートーベンはこうあるべき」というような、浅い音楽評論を丸呑みしたような浅い考えだけで教えている方も多いような気がします。これは、上に書いたピアニストのアマゾンレビューの「私には合わない」以前の状態で教えているに過ぎません。
塾の講師や教師を長年やっていても、自分が長い間かけた教えてきた経験から生まれた固定観念さえ持たずに、「これはこうだから」と、浅い音楽評論を丸呑みしたような浅い考えだけで教えている方も多いような気がします。
一方で、長い経験から生徒をひとくくりにして、固定観念から「どうせこんなものだろう。だからお前は間違っている」と評価する講師や教師も多いと思います。これは上に書いたアマゾンのレビューそのものです。私も大体の場合はそれでいいと思います。子供がどこで理解不足を起こすかなど、学力やレベル別でたいがいは決まっていて、例外は少ない「学力別の個別指導とは?/素人の誤解」。
それでも、子供によってはとんでもない誤解や理解不足をしている場合がある。それを理解せずに子供に接することは、上に挙げたようにこのピアニストがロシア系だということも知らずに批評を書いていることになります。。
子供から進路相談を受けるときには、収入や兄弟数も含めた家庭の環境も含めて、その子供がどこまで将来のことを考えてそう言っているのか吟味しないと、安易に偏差値の切り口だけで相談には乗れないと私は思っています。これは、そのロシア系のピアニストにどんなタイプがいるもかも分からずに批評を書いているに等しい。
また、子供が「分からない」という時は、そのレベルの生徒がおよそ理解不足を起こしている典型的な学習内容を確かめるだけではなく、個々の問題について子供の題意把握や選択肢の問題なら各選択肢が持っている問題意図をどこまで把握して分からないと言っているのかを聞き取らないと、その子供に最適な教え方にはならないと考えています。ドイツ系やロシア系といったピアニストの特徴の上に、そのピアニストの演奏意図や技量を理解することと似ています。
ミドリゼミの特性
ミドリゼミの長所は、少なくともこのようなことを考えているベテランの講師が直接少数の子供を全教科教えていることです。各生徒の全教科の学力や生徒の考え方や偏りの特徴、そしてそ家庭の背景までも考えて接していることです。もちろん、そういう洞察をするには、講師としての年季、経営者としての人間的な理解もありますし、得意不得意はあるにせよ全教科へアプローチできる能力も必要です。
多くの塾では講師は自分の教科を教えるだけで、他教科への洞察はありません。教室長は教室の管理業務が主体になっており、子供の状態など把握できていない場合がほとんどで、進路相談と言っても偏差値でしか子供を見れません。総合的に子供の能力を判定して教え、指導できる大人が身近にいない状態で、子供は学習方法も分からず、親も進路も分からず、それこそマスメディアなどを鵜呑みにした素人の思い込みで受験に臨む方も多い。
ミドリゼミはそういう状況が生まれないように教えていくことを、まず第一に考えています。
しかし、全教科を一人の講師が教えているので、各教科について予備校の専科の講師ほどの専門能力はありません。難問・奇問対策さえしてくれればいいという、京都大学以上や国公立の医学科の受験生にはそれ専用の塾をお勧めします。
ですから、ミドリゼミは「神戸高校・御影高校、大阪・神戸・関関同立の大学受験に向けた塾」としています。このレベルの生徒には十分に教えきれるし、進路を国公立や関関同立などとミドリゼミのアプローチは最適だと考えているからです。一方、これより学力が下で全てを手取り足取り教え、サボらないか常に監視しないといけないお子さんの場合は、講師一人が複数の生徒を教えている集団個別方式の特性上、指導が難しいと考えております。
ちなみにオタクの話
ロシア系のピアニストには、旋律を優先して表現に振るこのピアニストの系統が主流です。大昔はベルマンなどの優れたピアニストもいました。これはチャイコフスキーやラフマニノフなどのロシア音楽を考えたら分かります。
一方で、徹底して透徹したピアニズムの機能を求める一派もいます。リヒテルなどがその代表でしょう。こちらは音楽の構成が分からないとただの雑音のショスタコーヴィッチなどの流れかもしれません。


