最上のブルックナー/極上の遺恨試合
素晴らしい演奏だと思います。チェルビダッケがこんな情感のあるブルックナーを演奏するなんて・・・息の長いフレージングが神々しいまでの響きです。晩年の名演だと思います。けれど、このブルックナーはカラヤンの響きです。
カラヤンが死んで3年、まだ当時のベルリンフィルには、カラヤンの響きが残っています。チェリビダッケが手兵のミュンヘンフィルを演奏するときの、空間に音を配置することを重視した巨大なゴシックの建築物のようなブルックナーとは違う。カラヤンは空間配置で旋律を犠牲にすることなく高度な融和に成功した神々しいほど美しい神殿を作る。その神殿がまだこの演奏にはある。
チェリビダッケは、一時期カラヤンとベルリンフィルの音楽監督の座を争ったこともあるようです。カラヤンの死後、どう思ってカラヤンのオケを指揮していたんでしょうな?
因みに、チェリビダッケのブルックナーは演奏が遅い事でも有名ですが、神々しいまでの美しさを誇るカラヤンと演奏時間は変りません。音を空間に配置しようとすると、この遅さが必要なんですかね?