こういう英語の先生に教わったら、まず英語が壊滅する件
このチャンネル大好きで、山田五郎さんは尊敬しているんですが、このお話だけは・・・
私、山田五郎さんは尊敬してるんですよ。「お勧めのyoutube、どの学校や予備校の授業より優秀だと思います」の通りです・・・でもね、「外国に生まれればバカでも英語が喋れる。自転車乗れるのと英語を話せるのが同じくらいの話」っていうお考えはちょっと・・・。
ヨーロッパ言語の体系から最も遠く外国人にとってはとても学習が難しいとされる日本語でも、日本で生まれ育てばアホでも馬鹿でも話せるし、三種類の複雑な文字を駆使する最高難易度の日本の識字率は世界最高峰なわけですよ。その世界最高級の言語能力を持つ日本人が、欧米人なら簡単に習得できる英語がからっきしなわけです。理由は日本語が文法的にも発音でも英語から最もかけ離れた言語であるからです。そんなことは西の端にある英国と東の端にある日本の関係を地図で見れば分かる。
山田五郎さんの誤解の根源
とある経歴によりますと、
灘中学校の受験に失敗して公立中学校に進んだため「周りがみんなバカに見え」、再度非行に走って警察に補導されたが、両親に泣かれて更生。反動で中学2年の頃は引きこもりとなり、誰とも話さず読書ばかりしていたが、「そういうことは東大に入ってからやれ」と父親に叱責されて反発し、映画・音楽・美術・文学の世界に入り込んだという。その後東京大学の受験に失敗(本人談)、上智大学に進学している。
上智在学中はオーストリアのザルツブルク大学へ留学し、西洋美術史を専攻。 大学の卒論は「戦後野球漫画の様式的発展」。大学卒業後は講談社へ入社し、『ホットドッグ・プレス』『ソフィア』『チェックメイト』『TOKYO1週間』などの雑誌編集を担当。『ホットドッグ―』では編集長を務めた
という、あまり勉強しないでも上智ぐらいは楽勝で通り、まだ留学など一般的ではなかった時代にアメリカではなく英語圏でもないオーストリアに留学し、その後の社会生活でも有名出版社で才能あふれる方に囲まれて頭角を表した方の言葉で、必死で頑張って神戸大とかそれなりに頑張って関西学院というお子様の能力を分かってらっしゃらないんです。
山田五郎さんが分かっていらっしゃらないこと
一般ピープルでは、どう単語を並べるかも分からずに好き勝手に喋って、英語など話せるようにはならない。とある英語留学の斡旋の社長が「文法などができていない方がいくら海外留学しても話せるようにはならない。」と言明しています。「留学の幻想を振り払う 前編 ~アホか! そんなうまい話あるわけがない~|栄陽子のアメリカ留学コラム | アメリカ留学なら栄 陽子留学研究所 (ryugaku.com)」似たようなことをインタビューで答えている留学斡旋会社の運営者のもありましたが、探しきれませんでした。
私もそう思います。日本人がバカでも日本語を喋れるのは、言語中枢の発達する幼児期に大半の時間を日本語でコミュニケーションを取ろう生きてきたからです。バカでも識字率が高いのは、小学校・中学校・高校と毎日数時間、真面目に勉強する子供なら高校では毎日10時間も日本語を様々な科目で読む書くしてきたからです。
数日練習すれば乗れる自転車も、それまで歩く走る飛び跳ねる訓練を遊びや日常生活でしてきて訓練された運動神経と筋肉があってのことです。
言語中枢の発育後に他の学習や仕事の傍らで語学を学ぶのであれば、体系的に言語を整理してある文法の理解もなしに、読めるようにも、書けるようにも、話せるようにもなりません。高校レベルの文法力も単語力も分からないのでは、数カ月留学したところで喋れるようにはなりません。せめて、英検2級は楽勝・でも準1級は難しい・・くらいの英語力を持っていないと、この留学派遣会社の社長の言う通り「留学先で日本人同士でおしゃべりして、海外旅行気分で楽しんで終わり。」です。
もちろん、私の言っている英語力がない方が大半なわけで、だから皆さん英会話に大金を突っ込んでもしゃべれるようにならない。文法など復習し直すことなど尚更ない。だから、うれしい楽しいで釣ってyoutubeでビジネスをしているチャンネル、あるいは「これさえできれば大丈夫」関連で安易な客を釣ろうとしている英会話関係のビジネスが世の中に溢れているんです。
一方で、ネイティブはバカでも喋れるんだからという天才肌の五郎さんのような方が「英語学習不要」などと世間に流布して、みんな「その通りや!」と言い始める・・・アホか、私たちが日本語を喋り・書くために、私たちはどれだけ努力をしてきたんだ? そんなことも分からないから、こういう「英会話詐欺」に引っかかるんです。
山田五郎さん的、中学英語教科書と授業のバカさ加減
そうして、一般ピープルには出来もしない英会話詐欺が正義となって、最近の英語の中学の教科書は教えている教師たちが批判するほどのクズのような代物になっています。文法も教えていない文章が本文でテンコ盛りで学校では教えきれない。
その教科書と文科省の指導に対応するために、教科書に載っている文章の説明もほとんどなく、和訳を教師が読み上げて集団で音読して終わりという、ろくでもない授業になっている。「階層固定化を進める文科省/英語の教科書改訂から」「もうちょっとちゃんとした授業をやれ/現在完了も受動態もまともに教える教師はいない」
本当に程度の低い英会話詐欺になっています。こんなことでは読めず、当然書けず、書けないということは英語は喋れるようにならない。学校の先生方も「これじゃあ・・」と思っている方も多いとお察しします・・・現に授業中に生徒に嘆いておられる先生がおられることも生徒を通して知っています。
それでテストは従来通り「文法、穴埋め」でお作りになる。義憤のためか、他に作りようがないためかは存じ上げません。でもね、こんな授業するなら、テストも文法問題なんか出さずに和訳丸暗記と教科書音読にしないといけません。
公立校では授業で教えていないことなどテストで出したらアカンのです。塾に行っていない生徒以外は得点するなということになるからです。
今日の結論:こんな英語の授業ではアカンと思います
山田五郎さん系統の、よくある英語学習論は、ダルビッシュに「150㎞の変化球投げるのはどうしたらいいっすか?」って聞いて、「いや自然に楽しめばできるようになるさ。」と気休めを言ってもらっているに等しい。
英文法、特に文型、それに時制、不定詞と分詞の修飾用法を徹底的に学習しないと英語は喋れません。