最高級の女たちの円熟を考える
偏見かもしれませんが、女性奏者って、男性より明らかにピークがある気がします。一生を通して演奏のクオリティが保たれる、あるいは年齢を追うごとに円熟していく奏者は少ない・・と言うのは私の偏見でしょうか?
・・・別に女性差別のつもりはないです。私があまり知らないだけです。
銀座NO.1、並みの男では手に負えないチーママ
男を取っ替え引っ替えしなくなってからアルゲリッチはダメになりましたな。
この演奏を聞いてお分りのように、アルゲリッチはフレージングを細かく動かして、時の断片を作って、その断片が飛び散り宝石箱をぶっちゃけたような音楽を作ります。これができるのは、後はホロヴィッツだけです。不世出のレベルの天才です。
それに加えて、アルゲリッチには女性特有の扇情的なピアノの音が乗ります。「エエ女やけど、手に負えんな・・」というアレです。
この人の魅力は、不世出の天才に加えて下半身と音楽が直結している魅力にあります・・・イヤ、これマジな話ですぜ。今や聞く価値はない。
北新地の魅力的な跳ねっかえり/アルゲリッチと同レベルの天才
この頃が一番いいんじゃないでしょうか。最近は独創的な表現に走りすぎてダメになりつつあります。
この方の音楽はアルゲリッチとは違い、計算ずくの独創的な表現にあります。綿密なリハで、独特でエキセントリックな表現がオケとぴったりとハマっています。その場の気分の急速なテンポの変化に指揮者とオケが合っていないアルゲリッチの天才とは違い、音楽の構成と表現を考え抜いた計算ずくの天才です。
その独創性に走りすぎて音楽が崩れてしまっているのが、最近のコパチンスカヤです。やはり独創性と言うのは、創作できる限界が個人にはあるために、壁にぶつかっているのだと思います。
ただ、コパチンスカヤもアルゲリッチ同様に女性独特の扇情的な音と表現を持っています。アルゲリッチとの共通点は音が細いこと、スタッカート気味な表現が多いことです。まあ、ヒステリックと言い換えても言い換えても良いかもしれません。けれど、それがとても魅力的なんです。
尚、この方は安定した結婚生活を送っておられます。ダンナさんは大変でしょうなぁ・・・知らんけど。
日本の天才・・・まるで受験戦争が生んだ「大学入学時が人生のピーク」のようだ
20歳、この当時がピークだったような気がします・・。今はこの演奏に見られる伸びやかで自信に満ちた音楽はないような気がします。若さだけでは突っ走れない年齢になって壁にぶち当たっているかのようです。
こ、これは例外・・・丸の内のヤリ手部長
この方は、崩れませんな・・・常にスーパーエリートです。全てが最上に計算されコントロールされています。そして、このベルベットと評される声質。容姿にも恵まれているので、オペラでも威力を発揮します。アメリカの至宝ですな。
ただ、アーティストとして完璧ではあるが、名人の円熟や洗練はないような気がします。
年齢を追うごとに演奏が深まった至芸
81歳の演奏です。協奏曲の後のアンコールで、この曲を選ぶとは大した自信です。
演奏は「洗練」「円熟」という以外ない至芸です。人を幸福にさせる音楽とはこういうものを言うのだと思います。女性奏者にはこういう至芸を見せる方がいない・・・私の偏見なのか?