フィンランド式「自由で創造豊な教育」は下半分で失敗した/フィンランド教育科学庁自ら総括/日本でも同じことが起こっています
表題に間違いがあります。教育文化庁です・・・
日本ではこういう本が人気です。本当でしょうか? 少なくとも、今現在フィンランド自体が認識しているものではないと思います。これは1990年代に始まった今のフィンランド教育以前の教育レベルが高かった時代の学力を、「創造性豊か・叱らない」という親が喜ぶ今のフィンランド教育で語っているように思える。
1990年代以後、「自由で創造豊かな教育」を取り入れて学力は低下し続けた
「The bildung review describes the development of Finland’s education and culture sector over the past decades up to the present moment Ministry of Education and Culture」これはフィンランド政府が発表している英語版の報告書です。面倒なのでグーグル翻訳を丸写しします。私が読んでも、間違いはほぼありませんでした。
アブストラクト 教育文化省は、過去数十年にわたる教育省の行政部門の発展を概観する最初のビルドゥングレビューを発表しました。1990年代に始まった最新の段階は、達成された学習成果の低下、フィンランド人の教育水準の上昇の停滞、および教育への一般市民のインプットの段階的な減少によって特徴付けられます。
グラフにするとこんな感じらしいです。教育新聞から転用させていただきました(これはフィンランド政府の発表ではない)。
どういうことなのでしょう?
達成された学習成果の低下(丸写し)
フィンランドでは、1960年代から1990年代にかけて読解力と数学の習熟度が向上し、1990年代後半から2000年代初頭にかけて実施された学習成果評価では、国際的にトップになりました。
国際的には、2000年代初頭に始まった学習成果の達成度の低下は、フィンランドで非常に急速に進んでおり、いくつかの研究で観察された読解力と数学の習熟度の低下は、一部の研究データによると、1年、さらには2年で達成された学習に相当します。顕著な減少にもかかわらず、若者の達成した学習成果は、多くの国際的な評価で示されているように、国際比較ではまだ良好です。
社会的背景にまつわる学習成果の差は、以前よりも顕著になってきています。また、性別間の差は国際的に見ても非常に大きく、21世紀に入ってもその数は増え続けています。
教育レベルの低下(丸写し)
フィンランドの人口の教育レベルは、ここ数十年で低下しています。1978年生まれの人々は、最も高学歴の年齢層です。今日の30歳は、1978年生まれの人々に相当する教育レベルに達する可能性は低いです。しかし、2010年代後半に見られた高等教育研究の開始が順調に進んだことで、2020年は28歳未満の人々の教育水準が2010年よりも向上しています。1990年代生まれの年齢層は、1970年代末に生まれた年齢層よりも高い教育を受けることになるようです。
この不明瞭な記載が意味するもの
上の二つの段落では、数学と国語の学力の低下がみられる一方で、高等教育は向上していると書かれています。これは、何を意味するのかが最初の段落の最後に書かれています。「社会的背景にまつわる学習成果の差は、以前よりも顕著になってきています。Differences in learning outcomes related to social background have become more pronounced than earlier. 」という一文です。
この結果がもたらすもの/研究者の数が最も急激に増加しているのは企業です(丸写し)
研究開発人材の教育レベルは、特に21世紀に上昇しています。2000年には、博士号取得者が研究開発要員の15%を占めていたが、2010年代末には23%だった。大学教育を受けた従業員の割合は、1990年代初頭の約3分の1から2010年代には45%近くに増加しました。
ここからは私の総括です。フィンランドでは高学歴者持つ人材を企業は良い条件で雇用するようになり、そういう教育が享受できる家庭と義務教育レベルで野放しにされて低学歴になる家庭は固定化されてしまい、貧富の差も固定化して、状況はより拡大しているということを意味しているのかもしれません。
日本でも同じことが起こっている
ここ最近、中学受験せずに小学校で野放しにされた下半分子供は、学習以前に「頑張る・努力する」の垣根が下がって、公立中学の下半分では教えきれなくなっています「親が知らない公立中学通知簿3と4のレベルとは?/中学受験は必須」。
これは、フィンランドと時同じくして、「ゆとり教育」が導入化され、その状況に危機感を感じた親が中学受験に走り、小学校では中学受験しない子供は野放しの動物園状態で放置され、それを叱る教師がいると吊るし上げられる状況が続きました。その後、子供の学力低下に危機感をおぼえた文科省はゆとり教育を捨てて、ここ最近中学や高校の学習内容を急激に難化させています「国立大理系は公立高校から現役ではもうムリ?/理系なら中学受験は必須」。
しかし、その一方で「褒めて育てる」式の教育にまだ感化されている親が多く、小学校でだらけて過ごすことがデフォルトになり、その状態で反抗期に突入して中学校校で締め付けられていた80年代の親世代よりはるかに過密な学習を押し付けられる。この結果、公立中学の下半分ではとんでもない状態になって、到底教えきれなくなっているのです。
人手不足の日本で起こっていること
企業は今や人手不足でとんでもない状況です。でもそれは全ての若者についてでしょうか? 現在の20~24歳の正規社員の割合は63.9%です。ということは下位4割近くが非正規で働いているということです。これが人手不足ですか? 人手不足は優秀な若者に対してだけのお話です。
このお話をザックリと数字で見ると、学力の高い子供の多くを含む半数近くが中学受験で私立に抜けた残りの芦屋の公立中学であれば、真ん中ぐらいの子供であっても将来は非正規しか職はない可能性が高いことを意味します。
私も数年前までは中学受験など灘や甲陽の上位以外は必要ないと経験から考えてきました「経済格差は学力格差というウソ/中学受験に乗せられる親たち」。 でも、ここ数年、人手不足でホワイト化だと企業が若者に媚びだして、親もその状況に感化され、それから急激に劣化し始めた公立中学の下半分の生徒を見ていると、中学受験するしないは別にして中学受験塾の厳しい環境下で小学校時代に締め上げないともう無理だと思うようになりました「この数年に崩壊していること/子供の学力<親の力/特に父親が甘い場合は、子供は矯正不能」。
中学受験なしで教える塾なんか無意味です。小学校と同じくだらけているだけです。受験を目標に尻を叩く塾が必要なのです。下半分の子供こそスパルタが必要です。算数や国語を教えるためではなく「キチンとする」という教育が家庭で崩壊している今、中学受験塾にでも放り込んで締め上げるしか方法はないからです。でないと、一流大学どうこうという話ではなく、下位4割に墜ちて非正規しか未来がなくなる。