私の偏見:父親が母親を差し置いて塾に直接コンタクトを取る場合、塾では成果が出ないことが多い
重要な注:キチンと分かっているお父さんもいます。先日塾に来てくれたアナタのことではありません!
ケース1
まずは黙って母親に任せていた父親も口を挟まざるを得ない状態に子供になっている場合です。基礎学力はおろか、テスト前に漢字をおぼえる気すらないような子供が多い気がします。
この場合、いくら父親が介入してこようと、まったく効果がない場合が多いです。母親で小言に免疫が出来ていますから、最近の優しい父親ではもうどうしようもないんです。昔のように怖い父親はいませんから。石原伸晃が石原慎太郎に「落第したら慶應付属を辞めさせる。」と言われて、「このオヤジなら本当にやる」とビビって頑張ったと言っていましたが、こんな影響力のある父親はもういない「子供に見透かされている親たち/だらしない子供を育てる親」。塾の生徒(姉)の親からは「父親が弟(塾生ではないを付属校の生徒)を脅すと『やれるものならやってみろ。っそんな度胸もないくせに』」と言われたと申しておりました、ハイ。
こういう子供を塾で預かったところで、褒めてもおだてても、凄んでも受け流されるだけなので、どうしようもないことが多いです。それで指導力がないと言われるのでしたらその通りです。母親と父親の二人がかりで矯正できない子供など、強制力がない塾で預かってもどうしようもありません。少年鑑別所や自衛隊や警察学校レベルの強制力を子供に持たせるような組織でないと、矯正できないと思います。
塾としては信頼を失うだけなので、私はお預かりしないようにしています。
ケース2
父親が子供のダメダメな状況を容認できない場合です。母親は子供に日常接している場合が多く子供の状況をよく理解していて、塾ともその状況の認識は共有できていても、父親はそれが容認できない場合です。
これは大企業にお勤めのお父さんに多いです。ご自分は中学、遅くても高校から「テスト前に漢字もおぼえる気もない」「計算問題も理解できない」人間とは別の集団で暮らしてきているので、そんなことすらやる気がない子供、何度教えても簡単な計算問題をできない子供を容認できないのです。だから、「やればできるはず。母親や塾がキチンと指導していたなら出来るはず。」という自分目線の思考回路になっていることが多いです。
その気持ちが母親や塾が不十分だという怒りになり、母親を差し置いて塾にクレームと言うか、その怒りをぶつけることになります。でも、いくら塾にねじ込まれても「漢字をおぼえる気もない」子供など、どの塾でも持て余します。その状況を母親も分かっているので、「そんな子供でも少しは良い状態を・・」と意識を共有することができてトラブルにならずにやって来れたのです。それを根本から否定するのですから、「ご自分で納得される塾をお探しください、多分ないでしょうが・・・」あるいは「ご自分で一度苦労したら?」ということになります。
ケース3
これは、私にとっては、一番扱いにくいケースです。父親が、今の褒めて育てる式のマスメディアや、「新人を叱るな(辞められる。ハラスメントと言われる。)」という会社の方針に染まって、塾に主張してくる場合です。
褒めて育てるなど、自助努力ができる子供には有効だと私も思いますし、そう接している塾の生徒も3人現在ではいますが、それは「こいつは言われたことをキチンとやってくれる。うるさく言わなくても神戸大学には行ける」レベル以上の生徒です。中学ごときで落ちこぼれている子供に対してではありません。
会社でそれ相応の学歴もあり自助努力ができるこういう若者に対しては出来ていることを、自助努力もなく中学で落ちこぼれている子供に持ち込んでもどうすることも出来ないことが分かっていらっしゃらない方がかなりいます。こういう方は自分の生きてきた優等生に囲まれた社会しか知らず、マスメディアなどの「褒めて育てる」を真に受けていらっしゃる。そんなきれい事派など自分の子供には通用しないことが分からない、あるいは認められないんです。怒鳴りつけて締め上げてもどうしようもない子供を預かって、褒めて教えろなんて無理です。褒めて伸ばせるのなら、とっくにしています。
少し前も、一次関数の座標代入を1時間かけて教えて、翌日きれいサッパリ代入ということさえ忘れている中学2年生を「帰ったら復習くらいしておけ。こんな単純なこともきれいサッパリ忘れるって、ボケっと学習するな。」と締め上げたら、「子供を傷つけた」と激高した父親と揉めることになり、即塾を辞めさせましたよ。こんな父親の相手をしてられますか? どうぞ、お辞めください・・・と私は思います。
それを教えるのが塾やろってか? 座標代入1時間かけてできない子供、教えて成績が上げられるというのなら、やってみて下さい。因みに、このレベルで公立中学では通知簿3です。