模試の国公立大学の合格判定は当てにならない/数学の偏差値を見ろ
模試の合格判定の見方
高校1・2年生なら、今のところ国公立大学なら英数国の3教科で合格判定がBとかCとか出ていると思います。Bだとほぼ大丈夫だろう、Cだと合否半々というような感じなんですが、この合否判定にもいろいろな考え方があると思いますが、私の経験から一つの考え方を紹介します。
まず、理系だけではなく文系でも数学が弱くて英語や国語で埋め合わせをして3教科の総合判定でB判定などが出ている場合は「ヤバい」ということです。私の経験から、入試ではあまりいい結果が出ない場合が多い。逆に、英語などが少々弱くても数学が強い場合いい結果が出ることが多い、というものです。
その理由
配点は各大学様々ですが、大まかに言って共通テストは各教科100点で900点、多くの大学では共通テストと同点の二次試験を行います。大阪大学などは例外的な採点方法も使いますが、あまり細かいことはここでは書きません。大雑把な傾向です。
ということは、二次試験では文系では英数国各300点、理系も英数理各300点の配点があります。文系では数学は3問、理系では5問出題する大学が多いです。とうことは、二次試験の数学の配点は文系では1問100点にも達します。もちろん数学の配点は少し低めのこともあります。でも200点満点にしたって1問70点近い配点があります。
多くの高校で受ける進研模試は問題が易しく大阪大学受験レベルでは80点程度の得点が取れます。ところが、上位の国立大学の二次テストは難しく進研模試で80点取る生徒と60点取る生徒では、入試ではもっと大きな差が出ます。すると模試で80点の生徒が入試では70点に、60点の生徒が30点になんてことは頻発するわけです。この差を上の入試の配点に直すと二次テストの数学だけで100点近い差が出ます。共通テストの200点分も併せると140点近い差が出るわけです。
共通テストで50点違えば大阪大学から神戸大学に志望を落とすなんて言っている入試で、この140点の差は致命的です。国語や英語という文系科目の多少の得意不得意では140点の差はひっくり返せない。
理系では数学の配点も多いですし、問題もさらに難しいのでより大きな差が数学では生まれます。もちろん、理系で数学は苦手で英語や理科で点数を稼ぐなど論外です。理系の英語力ではそれほど大きな差は出ません。みんな理数の学習に必死なんですから、英語力を文系のトップ並みに上げることは帰国子女でもない限り難しい。理科も、物理や化学の計算問題は定型の問題だし、化学の暗記物や生物は所詮暗記ですら、数学をひっくり返せるだけの差は出ません。
数学が苦手な生徒は数学を捨てるべき
数学が苦手な生徒が数学に四苦八苦しても、それ相応の見返りは少ないことが多いです。文系より理系の方が先天的な要因が大きいからです。そして、その数学に時間と努力を使い結局は思ったほど成績が上がらずに、英語や国語などがおざなりになると、数学と英語と国語でダブルパンチ以上のダメージを見舞われます。結局は一生懸命勉強したのに関関同立になる。
そんなことなら、英国だけ頑張って、3年から社会1科目だけ勉強したら楽勝で関関同立に進めたはずです。無駄な苦労を背負い込んだだけになります。私が数学の苦手な生徒には、さっさと数学を捨ててクラブ活動や友達関係も充実させて納得して関関同立に進んだ方がいいという理由です。
もし、英国で大阪大学など十分に進めるのなら、親に土下座してでも、アルバイトをしてでも英国をブッシュアップさせて早慶に行けばいいのです。それに、早稲田や慶應は問題に癖があり、大阪大学が楽勝だからと合格することはありません。志望校に沿った対策が必要です。だから、早慶に絞って英語や国語の学習を進めていけばいいのです「数学が不得意な生徒は、文系でも国立大学は不可能」。
ところが、特に関西では早慶は無理になりつつある
早稲田や慶應、上智、ICUといった上位の国立大学に肩を並べる私立が関西にはないから、関西の優秀な生徒は国立大学志望にならざるを得ません。その傾向は以前より強化されています。理由は、私立の学費高騰と東京の生活費の高騰です。
早稲田や慶應と言った私立の学費は高騰し文系でも年間100万円以上です。理系ならその倍近くなります。おまけに賃貸も高く、下宿代が上乗せされると、本人がいくらアルバイトをすると言っても、やはり毎月10万円近い仕送りをしないと東京では生活は厳しい。年間200~300万円近い出費になります。兄弟がいたら、それだけの金を一人の子供に使えるのは自営業でよほど成功しているか、会社員なら大企業で相当出生していないと難しいでしょう。
だから、親も「早稲田や慶應なら大阪大学や神戸大学に」という場合がほとんどです。この傾向が数学が苦手な子供を余計に窮地に追いやっていると、最近は実感しています。
でも、受験生は自分のために親に頼み込み、奨学金も借りて挑戦しましょう。自宅でも必要な食費+αで4万円でも仕送りしてもらってアルバイトをすれば、奨学金はそれほど借りずに済みます。月5万円借りても4年で250万円ほど。有名企業に勤めれば、毎月少しずつ返済してボーナスでドカッと返せば2年ほどで完済するはずです。