大学受験の自由英作文/共テ後に進める赤本の解答例は狂っていることがある

大学受験の自由英作文とは?

私立大学では採点が面倒な長い自由英作文はほとんど出題されません。出題があっても、ソコソコの日本文を英訳せよと言う通常の英作文です。

自由英作文は「~について200語以内で意見を述べよ。」というような小論文を英語で書くものです。このような設問に受験生が耐えられる英語力を持つ上位の国公立大学で出題されます。

高校生も通常の学習では指定された日本文を英訳するような英作文しか学習してきていません。自由英作文などが学校から課題で出されるのは英語科などの特殊な学校のみです。

上位の国公立大学を受験する生徒なら、3年生の半ばになって文法も長文読解の学習も一通り終えた時期なら、一般的な英訳問題にはほぼ文句のない解答を書くようになります。そして、志望校も決まり過去問題を見て自由英作文があるとその対策を始めることになります。

赤本を中心にした模範解答

ここで多くの生徒が利用するのが、英作文の問題集や赤本と言った過去問題集です。この中で、問題があるのは上位大学の赤本の自由英作文の解答です。

通常の英作文の基本問題集なら特に問題があることは少ないですが、上位国公立大学の赤本の模範解答には長ったらしい、重文に重文を重ねたような長ったらしい文がつながった模範解答を書いてあることがあります。

昨年度に気になった解答例が今手元にありませんが、例えばこういう解答が書いてあることがあります。

When asked what methods they think are effective for passing on memories, 31% of teens and 20s answered "disaster prevention education at school," indicating that the younger generation actually feels the effectiveness of disaster prevention education. 

こんな長ったらしい文章をミスなく書くのは難しいです。まず最初の間接疑問文を正しく書けるとは限らない。

だから、Teens and 20s were asked what methods are effective for passing on memories. 31% of them answered “Educatio at school for prevention is important .

ぐらいにしておかないと受験生は正確には書けません。ところが、模範解答が上のようなものだと、こういう長ったらしい上等な文章を書かないと合格できないと誤解する受験生が現れます。昨年度、この生徒の矯正のために受験前には苦労しました。

なぜこんな模範解答になるのか?

私が模範解答を読んで感じたのは「英語で考えて書かれた文章ではない」と言うことです。文学的な、あるいは気取った文章を除いて、長ったらしい文章が通常の英文で使われることはあまりありません。読者も訳が分からなくなるし、疲れるからです。

私は、「日本語で考えて日本語で書いた文章を英訳したままだ」とこういう模範解答を見て感じました。

実際上に上げた例文は、「記憶の継承に有効だと思う手段についても尋ねたところ、10代と20代では「学校の防災教育」が31%と最も多くなり、若い世代が防災教育の有効性を実感していることがうかがえます」という震災関連の記事をグーグルで翻訳しただけのものです。こういう模範解答が赤本には結構あります。

こういう模範解答に騙されないようにしましょう

日本語で考えた文章を英語にするには無理があります。そもそも文法がまったく違うのですから、直訳で日本語を英語にすること自体が無理なのです。

だから、英語で書ける文章を考えて書く訓練をする必要があるのです。日本語で考えずに英語で考えると言うのは、英会話でもまず最初にぶち当たる壁です。日本語で考えたことを話そうと英訳するから話せないのです。英語で話すことを考えるとそうはなりません。

自由英作文でも、そのことは忘れないようにしましょう。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。