国立大学付属の中高一貫校は同レベルの私立の中高一貫校と比べると大学進学実績は落ちる?
阪神間の国立大学付属の進路状況
私の塾にも時々来る神戸大学付属の中高一貫校からは、およそ上位1/3で神戸大学に進学できます。
神戸大付属には中学受験では灘よりは簡単で甲陽とほぼほぼ同様の偏差値がついています。こちらに日能研のデータが公表されています。
ところが大学進学実績は甲陽には及ばず、兵庫県のトップの公立高校、長田高校や神戸高校、あるいは中高一貫私立の2~3番手の六甲や海星クラスとほぼほぼ同じレベルと言っていいでしょう。
国公立の中高一貫校の進学実績の理由への考察
大きく理由は二つあると、経験から考えています。
まず一つ目は、実験的というかゆとり系統の授業が多く、生徒は放置されていることが多いというのが正直な感想です。だから、その状況を理解して、自分から自己学習を進める、あるいは予備校などに通い、そこを学習の主戦場にする生徒でないと上位の国立大学には難しいのではないかと思います。
ふたつめは、甲陽などのトップレベルの私立中高一貫校に比べ圧倒的に授業進度が遅いことです。このレベルの私立では中学1年生でほぼ中学3年分の学習を終わり、中学2年生から高校の学習をはじめます。文系なら中学3年生で、理系でも高校1年生で大学受験に必要な科目の学習はほぼほぼ終わり、そこからは受験対策になります。
こういう付属校でも神戸大の付属はまだ進度が速い方ですが、文系では高校2年生の半ば、理系でも高校3年生に入ってから全カリキュラムは終了します。普通の公立高校より少し早い程度で、六甲や海星クラスの進学校より半年以上遅い学習進度です。
だから大学受験の準備が十分できません。特に理系では難しいでしょう「進学塾の最上位クラスで「神戸高校だ!」「北野高校だ!」と言っている中学2年生の皆さんへ/ライバルが何をしているか教えましょう」「国立大学の理系には公立高校から現役では難しい?/中学受験は必須」
こうした緩い授業と遅い学習進度から、中学入学時は同等な私立の中高一貫校より進学実績が劣ってしまうのではないかと推測されます。
学校のオープンスクールなどで決めてはいけない
いいことばかり言われる学校のオープンスクールなどで「あそこはうちの子に合っている」などと決めてはいけません。
オープンスクールで、ここの簡単に書いたような学習進度の格差、授業内容の差が分かりますか?「ウチの学校、真ん中だと関関同立危ないんっす、デヘ」なんて当然言ってはくれません。だから、そんなものを相手に調子が良いことを言うだけのオープンスクールで学校を決めるなど愚の骨頂です。
せめて学習進度を聞き、同等レベルの他の学校と比べ、なぜそうなっているのかよく考えて学校は選ぶべきです。もちろん、中学受験塾に相談するのもいいとは思いますが、私の今までの経験上役に立つことを言ってくれる塾や講師はとても少ないと思います。だから親が自分で考えなくてはいけません。


