小室さんに学ぶ進学・就職術/勤続10年の社員1000人早期退職のパナソニックに学ぶ
なんで未だにこういう考えが蔓延っているの?
「パナソニック 早期退職1000人超 説明不十分で期待の人材も」らしいです。対象は勤続10年以上の社員です。この状況で「塾の卒業生からの相談/大手企業への就職の是非」にも書いたように、「この企業に勤めると生涯収入はがいくら」とか考えている方が未だに多いです。
パナソニックは、もっと壮絶なリストラを何度も実施していて、特に合併吸収したサンヨーの社員の取り扱いは酷く、パナソニックに恨み骨髄で退職した社員が中国企業の技術供与をしてパナソニックが太刀打ちできない今の状態になったとも言われています。まあ、こういう社員が中国に流れたのはパナソニックだけではないですが。
日本の工業が中国に追い抜かれていった20年ほど前に事業を縮小変換していったこういうリストラに加え、最近は別の意味で企業はリストラを始めていると言われています。年金の支払い延期に伴い、定年が70歳に引き上げられたからです。「そんなに雇うてられへんから、はよう馘にしよ」ということです。
あるいは、50歳くらいになると役職剥奪や再雇用と言う手を使って、新入社員並みの給料で平社員として扱うかです。これも「嫌やったら辞めたらエエねん」ということです。晩婚化に伴い、今や50歳代が子供に一番金がかかる世代ですが、酷いことをするもんです。
問題は都合の良いところだけ吸い取る日本企業
この早期退職の問題は、企業が入社時には長期雇用と勤続年数によって昇給するシステムを取っていながら、社員が転職も効かずに子供にも金が要る年齢になって、一方的にその契約を破棄にすることです。
企業は終身雇用を前提に若年層を若い給料でこき使い、給料が上がってくる年齢になって肩を叩くんです。だから、「不必要になったらクビ」というシステムが最初から企業と従業員で共有されているアメリカや中国に比べて若年層の給料が低い。
別に噂の彼が弁護士だから年収1800万円で特別だってことではないです。所詮州の弁護士なんか修士さえ出ていれば簡単になれる代物です。要するに修士で専門技術を持っているような若者なら、ニューヨークであろうが、ワシントンであろうが、シリコンバレーであろうがこの程度の初任給があるということです。
日本の給与水準は先進国で最低?
その結果、日本の平均給与は先進国で最低レベルになってしまいました。イタリアや韓国より下です。そら、若い時の給料も安く、中高年になって早期退職させられたり女性が育児でいったん退職したら、後は非正規で食い潰されるしかないんですから。
もっとも、このドルベースのデータは、今の極端な円安を反映しているともいえるんですが。物価などで是正した実質為替レートを考えると、日本の今の為替レートは2割程度割安であると言われています。2割割高に考えると、日本の平均収入はヨーロッパ諸国と肩を並べますからねぇ。
まあ、トヨタが利益を出すために、輸入だよりの資源から食料まで、我々は割高な商品を買わされているということです。トヨタはその円安の利益を社内で貯め込むだけなんですけれども。
確かにトヨタの車も高くなりましたよねぇ。国際価格なんて言って、どの国でも同じ価格で売っているんです。でも2割の円安が解消されて、300万円もするようになったファミリーカーが200万円前半で買えるとしたら、「安全面も強化されてるし、仕方ないか。」になると思うんですよね。
こんな国で一流大学に行って一流企業に就職して何になる?
必死で勉強して一流大学に行ってパナソニックに勤めてこのザマです。アメリカでファミリーカー扱いされている車が高級車になっている日本で、「そろそろ給料も上がってきたかな・・・」って思った頃に「もうやめてくれへんかな?」と早期退職勧奨される。嫌ならリストラ部屋などで嫌がらせされる。そのくせ、給料の安い新入社員は入れて、20年後の自分とも分からないアホな若造に「アアはなりたくない」などと陰口を叩かれる。
それでも日本の一流大学に行って有名企業に入りたいですか?
私が今の若者なら、到底そうは考えませんよ。年齢や語学力の面で日本の大学に進むのは仕方がないですが、大学の4年間必死で語学を学習して、アメリカの大学院に進みます。
だって、銀行員でさえまともに勤め上げれなかった人の給料が1800万円だって言われてるんでしょ? 日本の院卒の給料なんて東大の院出ていても400万円ほどですよ。これで40歳でリストラされるんならやってられないですよ。それも、まったく関係ないところからきた苦労も知らないプロ経営者にですよ。「サントリー社長の「45歳定年発言」が炎上 会社員が“準備”しなければいけないこと」
「塾の卒業生からの相談/大手企業への就職の是非」 の現実認識力がない大学生が生まれる背景い
自分たちが公務員という安定した65歳定年の組織にいて、「東大教授が「40歳定年制」を提唱した本当の意味」のようなとを平気で言う、あるいは逆に「生涯賃金は・・・」と今の時代に学生に言う世間知らずが学生を教えているからです。
だから、日本の文系大学の教育など社会からは見向きもされなく、「○○大学合格」の看板しか見てもらえていないことに、いまだに気づいていないんです。よくもこんな恥ずかしげもないこと、大の大人がメディアで話すと思いますよ。