youtubeから考える学習方針/戦略を間違える真面目さは不真面目でしかない
とても有能な、受験業界では知らない者がいない番組
毎日ご苦労様です! 私は尊敬しているんですよ。でも、ここでは違う角度から取り上げさせていただきました。ご容赦を。
ペット業界でソコソコ有名なチャンネル
両番組の違いは何か
両方ともこのブログ作成時の10日前の投稿で、この時点で数学の番組は視聴が8,000回弱、ネコ番組は100万回超です。収入はザックリ言えば、1,000円と10~20万円。1カ月で数万円と300~500万円。
この数学おじさん、入試ネタを探し、解法を伝えやすく整理して、ネタが切れたりしたら自分で問題を考え、ご自分のキャリアの全てを投入して、とても苦労して毎日番組を作ってらっしゃると思います。一方ネコの方は、映像の編集や文字入れなどはあるでしょうが、ネコを写しているだけです。勝因はこのいかにもおっとりしていてカワイイ短足ネコを手に入れられ、そのネコにあったこの音楽を使った偶然に過ぎません。
ここで肝心なことは、「魚がいない池で釣りをしてはいけない」という格言です。数学の難問をサクッと解いて快感!なんて変態は日本で1万人もいない。片や猫好きは100万人以上いる。この根本的な問題を無視してビジネスを展開してはいけない。
後は、それが分かった上で、競争相手の少ないホドホドの池で特異的なビジネスをするか、大きな市場相手に過当競争に飛び込んで数少ない勝者になるのかの選択だけです。だから、まかり間違っても「数学難問番組で視聴者数が伸びない!」とか「イヌ・ネコ番組で競争が厳しい!」と根本的な戦略を見誤ってはいけません。
もちろんこの数学おじさんはそんなこと分かってやってらっしゃるんでしょうから、私がとやかく言うことは失礼でしかないですけれどもね・・・。
高校の学習も同じです!
最近、塾でも多くて頭を悩ましているのが、戦略のない学習を進めて、目先の戦術に走って、失敗する生徒です。
簡単に言うと、上位公立大学に進む学力はない、あるいは数学が不得意で国立大学は文系でも難しい生徒が、英国社の3教科受験で私立の一般受験をしないといけないと分かっていても、定期テスト前や課題を前にして肝心な英語を放っておいて数学の学習に走って失敗することです。
彼らも頭では分かっているんです。不得意の数学にいくら時間を使ってもせいぜい平均少し上しか取れない。指定校推薦で名門私立もないから、定期テストや課題提出で頑張っても無駄だと言うことを。そんな暇があれば三教科受験の英語と国語を頑張らないといけないことを。
けれど、パブロフの犬のように、定期テストや課題を目の前に差し出されると、反射的に飛びつく。塾でいくら諭しても、反射なんですから言うことを聞きません。それで、数学はホドホド、肝心な英語の成績が思ったほどではない結果を繰り返すんです。最近は課題テスト、中間テスト、実力テスト、期末テストも毎月1回以上定期テストがあって、その上参考書1冊分の学校の宿題を放り投げられる。反射運動だけで時間切れになって、肝心な主要科目の学習をする暇がなくなる。
でもいくら失敗を繰り返しても、反射運動ですから、また繰り返す・・・反射的に頑張って「どう勉強したらいいですか?」「ここが分かりません。説明してください。」という目先の戦術はあっても、そもそも何のために何を学習するのかと言う戦略はないんです。だから、上のyoutubeのような結果になる。いくら素晴らしい番組を作っても、最初の戦略が間違うと不満を持つことになる。高校1年生で自分の特性や学力を考え、国立理系か国立文系か、それとも私立理系か私立文系かは明確に選定した上で高校2年生からは学習方針を考えてそれに沿った学習をしなければ成功はない。
当塾では、明確に本人に志望校と学習方針を伝えます。もちろん、それに従わない生徒もいます。届きもしない数学の学力でいつまでも国立大学だと言い続け、尚且つそれを克服するだけの学習をする根気も気概もない生徒です。その根気も気概もないから無理だとも言明しますが、もともと考え方がいい加減で希望的にしか物事を見れないので、まあ言うことは聞きませんわな・・・その際は、進学に関しては責任は持たないと生徒にも親御さんにもお伝えします。
何でこんな生徒が生まれるのか?
もちろん本人の性格によることが大きいです。「数学なんか私の将来に関係ない」と頭では分かっていても、定期テストが前に迫ってくると「でもいい成績を取らないと」という本能的な欲求というか脅迫に勝てない。しかし、自分が入試に向けてやらないといけない学習の上にそれを積み重ねるだけの計画性も努力もないんです。
でもね、こういう生徒は自分は「テストに向けて頑張っている真面目だ。」と思っているんです。だから、私が「方針を考えろ」と言うと「真面目やねんから文句を言われる筋合いはない」と反抗し、「入試に向けた勉強は忘れるな!」と言うと「真面目に頑張ってるちゅーねん」と不機嫌になります。
こういう真面目さは不真面目でしかないと私は思うんですが、「遊びたいから勉強イヤヤ~」と同じレベルで「将来のこともあるけど、まずは目先の成績でエエ点取ってエライエライされたいねん~」って言っているだけにしか私には思えません。
昔は戦略の時点で間違う生徒は高校生では少なかったんですが、今はとても多いです。「可能性がある!」「文転でも成功する!」などというこういう大多数の生徒に向けた安易な宣伝に踊らされているだけではなく、私は精神年齢の低下が招いた悲劇だと思うんです。親と話していると、親の精神年齢まで30歳で止まっているではないかと思われる方も多くなってきています。「今時の30歳半ばの精神年齢/成人年齢40歳くらいでいいんじゃないでしょうか?/お若い親に合わせる塾経営」
だって「定期テストで、入試に関係ない科目でもいい点数!」っていうキレイごとのSDGs系を率先してらっしゃる方が多いですから。「いい人はいい塾講師なのか?/私の考えるいい人」