ミクロの視野を欠いたマクロ視点はもうウンザリ/入試でも同じことしてませんか?
途方もない円安理論
以下の動画で賢い方が円安万歳って言ってます。給料も上がらずに円安で物価が上がるから困るって言ってるのはバカらしいです。
通貨安になってトヨタなどの輸出で大企業の売り上げと国のGDPだけが上がっても、大企業は企業内に金を滞留させるか外国に投資するだけで、下請けにも金は回さないから関連企業の給料も上がらない。国は法人税を下げて消費税を上げてそれを応援する。経済発展とプライマリーバランスを盾にまったく国民に還元しない。
それで一時的にGDPが上がっても、消費は喚起されずに国の経済は下降傾向は変わらない。我々の生活はますます苦しくなっている。我々が今直面しているのは、このミクロの問題なんです。個人消費の悪化がマクロを悪化させ、ダウンスパイラルに陥った。我々は20年の歳月をかけてやっと、いかに日本がバカなことをしてきたかとうとう気づき出した。
これまで20年、こういう学者と政治家がマクロのことばっかり言って、多くの家庭が貧しくなっていても『それはミクロの話で、あなた方の努力不足じゃない?』と言われ、私たちは納得してきた。「でも、もうもううんざりだ。」とみんな思っていることに、頭が良いはずの人間が全く気が付いていない。どっちがバカなのか、やっとバカな我々は気が付き始めた。
適正為替水準の1ドル100円程度じゃあ利益が出ないほざいている大企業と、今の円安で材料費の値上げに奮闘して何とか踏ん張っている飲食店とどちらが優良企業なんでしょう?
同じことが入試でも起こる
「こういうカリキュラムで進学実績が上がっています。国立大の合格者も50人から70人に増えました!」というマクロのことを語られて、「凄い!うちの子も!!」って言ったところで、300人も生徒がいて150番で合格するのなら、何の関係もないことです。その他大勢は「ウチは進学校でキチンとしてます。あなた方の努力不足じゃない?」と切り捨てられるだけです。
学校のマクロ政策はあなたのお子さんの進学というミクロの問題には、まったく関係がありません。東大に何人行こうが、その生徒たちのために中学2年生から高校の学習を始めようが、そんなことは円安政策でトヨタは儲かってもあなたのフトコロと全く関係ないのと同じです。入試で大切なのは、マクロに感心して「私も!」と思うことではなく、自分の子供のミクロ的学習環境に目を向けて最善を探ることです。
アメリカが今いかに富んでようと、グーグルや投資銀行で社員になれるような人間以外その富を享受できない。多くの普通の人は、インフレに喘ぎ、都市部では家も借りられなくなって犯罪が増加し始めているらしいです。アメリカの中間層なら、国は貧しくてもメキシコで立派な家を持ったプチ富裕層の方がマシかも知れないわけです。
進学校の進学実績がいかに優れていようと、そこで上位にいる生徒以外はその成果は享受できない。普通の生徒は、関関同立もやっとということになっている。そんなところに中位・下位で入るなら、学校自体の進学実績は国立大学20人かも知れないが、その範囲内に入れる下位校でトップクラスにいる方がよほど良い結果が出ます。
上位校で真ん中、下位校で50番ならどっちみち関関同立です。上位校の速く難しい授業に分からないことが多く、苦労する割に成績が伴わないのであれば、下位校で簡単な授業を悠々と受けていても偏差値も入試の結果も同じです。上位校で汲々として関関同立に進むのなら、下位校で充実した生活を送って関関同立に進む方が賢い。
マクロのことなどいくらたいそうに言われても無駄の極みで、ミクロな個人個人の状況を考えないと入試など成功しません。「大学入試で逆転する学校間格差・逆転は難しい校内格差/上位校に下位で進んではいけない理由/哀れさえ感じます」
中途半端に賢いから屁理屈にごまかされる
ただ一つ必要な視点は、「GDPもへったくれもどうでもエエねん。それで、私の生活はどうなの?」「学校から何人東大行こうがそんなことどうでもエエねん。それで自分の子供の進学はどうなるの?」この一点だけです。
日本人は中途半端に賢いから、こういう学者や教育業界のビジネスのもっともらしいオハナシに手玉に取られるんです。そんなことなら、理屈が分からないバカが「難しいこと分かれへん。ほんで、オレどうなるの?」って言ってる方がマシです。
国民の平均を取れば優秀で規律も守る日本人が、ロクでもないのがごまんといて犯罪が増加しているアメリカよりロクでもないことになっている。「理屈は分かれへんけど、コイツらアカンわ。全然オレのとこに金は入ってけえへんわ。」とアメリカは政権交代が起こり、日本では無能な自民と官僚の長期支配が蔓延り開発途上国に落ちかけている。それでもアメリカのように暴動も、ヨーロッパのように強烈なデモも優等生の日本ではおこらない。
ロクでもない教育理論や「経済格差は学力格差」という机上の空論に納得する中途半端に頭が良い層が、無駄な中学受験や高校受験に突っ走り、多くの子供は落ちこぼれて公立に行っているのと大差ないことになっているのに、ますます中学受験が盛んになっている。高い金を払って苦労して進学校に通わせて、子供は頑張っても授業について行けず、私立大学に行くハメになっても、「高い金払って、苦労して、普通の成績やったら公立以下ってどういうことやねん!」と親も生徒も誰もブチ切れない。「経済格差は学力格差ではありません/噂と広告に乗せられる親たち」