国語の学習から見る学校の授業の弱点/不真面目な優等生を量産するシステム

国語の授業の問題点とは

中学、高校と通して、明確な段落構成や文章構成を説明し、「こういう設問は、この段落のことを聞いているから、こう考える。」「こういう問題では、こういうことを聞いているから、主語がこちらの文章を選ぶ。」などと言う授業は行われません。曖昧模糊とした「こういう主張を作者はしています。程度のことし説明されません。

だから、テストでは「私の答えも、正解もほとんど似たようなもんじゃない。何で私の答えは正解じゃないの?」と言うことが生まれます。そこで、「その設問は理由を聞いているから、理由を書いてある段落から選ばないと行けない。結論を書いてある段落に似たようなことが書いてあっても、そちらを選んではいけない。この問題は理由がどこに書いてあるか分かっているかを聞いている設問だと言い換えてもいい。」という指導はどこでもされないからです。

授業でいい加減なアブストラクトぐらいしか教えずに、テストになれば教材会社が作った問題で厳密な正解を要求する授業がまかり通っている現代国語と言う科目は、非常にタチが悪い。

私たちは国語を何で学校で学習するのか?

共通テストやセンターテストでも、この「どちらも似たようなもんじゃない。何でこっちを選ばないといけないの?」が選択肢が出されます。国語は読者目線で読む学習ではなく、作者がどういう意図で文章を書いているのか汲み取る学習だからです。

言い換えれば、読書を楽しむためではなく、下手くそな上司の書いた書面を就職して正確に読み取る訓練であると言ってもいいでしょう。国語学習は教養のために行うものではなく、社会に出て働ける人間を作るトレーニングなんです。だから学校で学習する。

国語の授業とテストが乖離する理由

この「社会人を養成するために、厳密に文章を解析する。」という目的を国語の教師や講師自体が分かっていないんじゃないのかと思うんですよ。だって、国語の先生って読書が好きでなる人が多いでしょ?だから、国語を教養だと思っている。だから市民大学講座みたいな趣味の読書と、社会人養成の国語を混同してしまっている。

そういう先生が多いから、テスト問題を作れない? テスト問題が作れても、正解を決める能力がない。だって、先生自体が「本の読み方は十人十色」というベースを持っているからです。そこで教材会社が作った問題を利用・参考にしてテストを作る。

それで、授業とかけ離れたテストが行われ、生徒は「授業で習っていない。」と言うことになるんです。

不真面目な優等生を産む典型が国語

今の子供たちは、塾で、学校で目の前の得点を取るために、ノートを丸暗記し問題集の正解を丸暗記します。そこに思考はありません。だから、学校の授業と問題集の正解が乖離していても、「何でだ?」と考えることはないです。テストを返されても「なんでその解答になるのか分からない。」「なんで私の解答ではダメなのか分からない。」とも考えずに、もちろん解決もせずに、思考のない丸暗記で1点でもいい点数を取ろうとするんです。

だから、ここに書いたようなことには気づかない。当然学力など身につくはずもありません。この乖離が大きくなる高校ではその傾向が顕著になります。まだノートからそれ相応に出る学校のテストではソコソコの点数を取れても、実力だけの模試の偏差値とは結び付かなくなります。

これが、中堅高校の優等生や進学高校でソコソコの上位者で起こる悲劇です。真面目のベクトルが間違えているんですが、その間違いを指摘してくれる大人がいない。仮にいたとしても、子供は面倒な「理解」から目を背け、安楽なノート・正解丸暗記をチョイスする。

こういう学習が、国語を始め、全教科で行われるわけです。目の前の得点を1点でも上げようとする反面、本当に考えてチャレンジしなければいけない面倒な学習からは目を背ける。この相反関係は、偏差値50後半ぐらいの生徒で顕著です。

だから、このランクの生徒は真面目に勉強していると本人は主張しても成績は伸びていないし、真面目に教えようとしても逃げてしまうので学力は上げてあげられない。

真面目に努力できる生徒とは?

進学校の最上位の生徒は、さすがにこのことが分かっていて解決する能力があります。この解決力の差を高校入学時に持っている生徒が神戸大学以上の国立大学に進学できます。

この状況に高校3年生くらいに気が付いて「何とかしないと」と思うその下のレベルが進むのが関関同立です。そのさらに下では、この「不真面目な真面目」に気が付きません。これが産近甲龍です。

そのさらに下では、「不真面目な真面目」さえしませんから、話にならない。

私の塾を分かりにくいと言う生徒/理解してくれる生徒

「関学以上に行きたければ、学校の学習以外に、地道に実力を身につける学習をする。数学では安易に解答を見ずに考えろ。古文では文法の用法や助動詞の接続のウラを全部取れ。英語の長文でも修飾関係の文法のウラを全部取れ。古文も英語も長文読解の学習などその次のレベル。」などと言うものだから、安易に正解を教えられない生徒は「あの塾は分かりにくい。」と言います。

だから、高校から私の塾に来たソコソコの成績の生徒は続かないことが多いです。もちろん、こういうことを言う高校生では良いところで産近甲龍で、関関同立には届きません。逆に成績優良者は納得して通ってくれます。また、中学から塾に通っている生徒では、このことを叩きこまれているので高校になってからも文句を言わずい通ってくれます。中学では3年生辺りからきて、私にも反発して学習不足で中堅高校に進むことになっても、その失敗から塾のアドバイスに気づく生徒が少なからずいます。そういう生徒だけが、中学から高校に上がる時に残ってくれます。だから中高と通ってくれる生徒では、高校では予想以上の成績を取って関関同立以上に多くの生徒が進んでくれます。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。