総合型選抜(旧AO)入試が増加している/日本でそんなことやっちゃあダメだと思います

日本の総合型入試の問題点

高校時代の成績や小論文、そして面接などをもとに総合的に人物を評価して選ぶというものです。もちろん、高校時代の成績なんかと言っても、トップ校の真ん中と中位校の上位をどう比べるかなどの物差しはありません。だから、アメリカなどはSATと言われる標準テストの得点が、これに加えて勘案されます。

ところが、共通テストの得点を勘案することも、模試の結果を参考にすることもない日本の総合型入試では、学力の担保があまりにも乏しい。これが最大の問題点です。でもそれでいいんです。

日本の総合型入試の目的

だって、下位ランクの大学で、定員不足に苦しむようなところなら、無試験にして生徒を搔き集める手段に使われますから、成績なんか関係なく全入です。総合選抜の入学者の増加は、少子化によって定員不足の大学が多くなっている裏腹です。総合選抜型の激増は有名大学で総合型入試の定員が劇的に増えているからではありません。

これでも埋まらない大学では中国人留学生を搔き集めます。文科省は彼らに金を配って授業料も無料です。一方で日本人学生はアルバイトに苦しみ、奨学金の返済に苦しみます。文科省の役人の天下り先のFラン大学を維持するのに、何で日本人が苦しまなければいけない? 中国人や総合選抜で低学力の生徒を搔き集める下位大学など全部潰せばいいんですよ。中国人にバラ撒いている金を、頑張って大学に入った苦学生に回せよ(怒)!

一方で、有名大学では、総合選抜型の入試は学生を搔き集めるためのものではなく、学力一本の一般入試や、それに近い指定校推薦では取れない「特技」のある生徒を選ぶためにつかわれます。その特技も「秀でている」だけではなく、学校の役に立つものでなければなりません。

スポーツ推薦もその一つです。箱根駅伝で活躍したり、プロ野球に屋いれば大学の宣伝になるわけです。あるいは、「英語からっきしで一般入試では受からへんけど、数学は数学オリンピックで優勝してる。」というような特徴のある生徒では、将来才能が開花して有名になって大学の宣伝になるかもしれない。だから、「クラブも真面目にやっていた普通のいい子」だけでは通用しません。

総合選抜型では学力担保のない一発大当たりのバクチなんですから、多数の定員は取れないのは当たり前です。総合選抜型で目立つ学生を採って宣伝に使い、クオリティはその他大勢の普通に学力で入ってきた学生で担保しているんです。

だから、多くは小論文の出来などあまり関係がない

生徒の優劣などどの程度つくのか分からない上に採点基準も明確でない当日のテストの小論文などでは、よほどのことがない限りは合否判定には使えません。私が見る限り、いくら文章構成などを教えても、社会知識の不足から何を書けばいいのか分からない高校生が大半なのですから、チープ過ぎて多くの小論文では選びようがありません。

無試験で入れたとなれば体裁が悪いから小論文を書かせているに過ぎないと思うんですよ。総合選抜の合格者など、高校時代のスポーツや数学オリンピックなどの実績であらかじめ決まっているのですから、小論文で「こんなことを書くんなら、コイツ犯罪でも起こすんと違うか。」というようなことを書かなければいいんです。

もちろん、国立大学などの「数学特化型入試」で小論文がある時は、小論文の採点も入るでしょうが、これは総合選抜型入試ではありません。医科系の大学で小論文がある時も同じだと思いますが、こちらは医療人の適正からヤバいヤツを外す目的もあるかと思いますが、採点に大きな影響があるかは知りません。だって、小論文優位で選んで国家試験を通らないような学力だったらどうします?

日本で総合入試型選抜が一般的にならない最大の原因

以上のように、学力の担保がない私立の総合型入試は、一般的なものではなく有名大学では定員も少ないです。でも、それ以外にも日本では総合型入試が受け入れられない絶対的な要因があります。

日本の大学は、アメリカとは違い、学生全員卒業させることが建前だからです。合格しても半数が退学になる大学など、日本では受け入れられません。別に、これは大学だけの話ではなく、企業でもそうです。慎重に選抜して、一旦入れれば首はあまり切らない。護送船団方式なわけです。

一方アメリは、大学でも企業でも「コイツ、可能性があるなら入れて見よう。」で大きく網を広げて、中で絞るんです、だから大学の退学も企業の首切りも当たり前です。

これは、大学なら当初の最大学生数に対応できる教室や職員を揃えて、4年生では半数しか残らない学生がその負担をするということを意味します。アメリカの大学の授業料が高い原因は、インフレや私立で全寮制という面だけにあるわけではない。企業でも通年採用で人事に大きな費用を割かなければいけない。

この差は社会の成り立ちに起因したもので、簡単に解決できるものではありません。下のグラフでも、イタリアを除いて、ハンガリーはよく知りませんが、転職の流動性と大学の退学者の割合は比例しています。護送船団方式の日本で流動的なアングロ・サクソン系の総合選抜方式を大学入試に採用するなど不可能です。

総合選抜型で学力の担保もなしに、世間知らずの大学の教員が「コイツおもしろそうや。」だけで選んでは、大学は卒業生の質を担保できなくなります。もちろん、入試や採用試験の狭き門を通過しても、専門教育や企業実務に不適な人材、あるいは組織のカラーに合わずに実力が発揮できない人材は日本でもいます。そうだからと言って、この門を開けっぴろげにして、入ってきたら護送船団方式を取るのは筋違いです。

今でさえ、内部進学や指定校推薦の激増で、私立大学の卒業生の評判は落ちているのに、総合選抜型で全員卒業なんてシステムは不可能です。

大学の退学者の割合

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