最近の親御さんの子育ての失敗の大きな要素/親の前の子供を子供の全人格だと思っている/リモートワークで悪化?

自分の目の前の子供が全てだと思っている

人間はその場と状況で違う人格を作り上げます。上司と部下の前で同じ態度をとる会社員はいません。会社での顔と家庭での顔が同じ人間もいないでしょう。同僚の会社での姿と、同僚の奥さんから聞く家庭での姿とのギャップに、「アイツは二重人格だ。」と言う方はいらっしゃらないでしょう。そんなことは当たり前のことだからです。逆に、家庭での良きパパが会社では厳しい上司でリストラを平気で行っていたとしても「それは仕事だから仕方がない。」と言う奥さんはいても、「そんな冷血人間とは家庭を築けない。」と震える奥さんはいないでしょう。そんなことは当たり前のことだからです。

ところが、いざ自分の子供のことになると、この当たり前が通用しない親御さんが、最近急速に増えておられる。特に母親は、子供が自分に言ったこと、子供が自分に見せている姿だけを信じ、学校や塾での違う姿を伝えると「そんなことはない。それはあなた方の指導が悪いからそうなってしまったんだ。」と怒る方がとても増えています。親、特に母親では、子供は自分の分身であり、都合がいいことしか言わないし時には嘘もつく別人格だという認識が無くなっておられる方が増えていらっしゃるように思います。

こういう方は、ご自分が子供の時に親に嘘をついたことを忘れておられるんです。自分ができなかった勉強や受験を無理強いしている姿と、子供の嘘をマルっと信じる姿は表裏一体の「都合の良い親」にあります。

この結果何が起こるか

自分の言うことをマルっと信じてくれるチョロい親に、子供は都合のいいことばかりを言う、時には嘘をつくことになります。それを信じ込んでいる親御さんは学校や塾にクレームをつけることになる。そして、こういう程度の悪い嘘がまかり通る多くの場合は、私の経験で「教え方が子供や学力、進路にあっていない。」というようなレベルの話ではなく、「簡単な計算問題や漢字を繰り返し教えても翌日には忘れている」という、まるっきりやる気のない低次元のレベルの話であることが多い。

10分も真剣にやれば済むものを1時間も2時間もダラダラ学習し、それにを咎めると「あの塾は分かりにくい。」などと親に言う場合がほとんどです。

ところが、学校や塾、そして友達が知っている子供の顔は親が子供に主張している顔とは全く違ったもので、クレームをつけられた側はキョトンとすることになります。それで状況を確認しようにも、親御さんからは「私たちの子供はそんなはずはない。塾や学校がきちんと見ていないのではないか!」「家ではいい子が塾でそうなっているのは、あなた方の指導力不足ではないか!」と言い放たれ、話し合いもできないことになります。

こういう親御さんは、簡単な計算問題や漢字などでアゴが外れるような間違いを連発している状況すらテスト答案などで確認することもしないで、学校や塾とは話し合うこともなしに「分かりにくい。」と言うような子供の言い訳を信じ込んでクレームに近いことを言ってこられるわけです。私が知る限り、塾で起こっている問題の大半は、この親と塾側の子供に対する認識の差にあります。

では、そのことで何度も痛い目にあわされてきた塾はどうするのか? 子供の不満が出ないように、親に変な告げ口をしないように子供を喜ばせるサービス業に徹するしかありません。だから、ダラケている子供に少し厳し指導をすると親からクレームが飛んでくる集団塾の下位クラスでは、子供が文句を言わないようにお遊戯教室に近い状態で放置します。個別指導塾では子供のお話し相手にキレイなお姉さんやカッコいいお兄さんを雇いキャバクラやホストクラブ化します。

こういう子供の成績を上げることなど塾はとっくに放棄して、エンタメ化しているんです。いや、学校のクラスメートやクラブ仲間が集うサロン化していると言ってもいいかもしれません。

親の方はどうなるか

親や学校そして塾を舐め切った子供が色気づく高校2年生くらいなるとやっと親の方も子離れします。子供の動物的発育を目の前に大人だと認めざるを得なくなって初めて子供が別人格で、巣立っていくものだとやっと実感するわけです。と同時に、子供を客観視した親は、その人格も学力ももうどうにもしようがない状態で巣立ちを迎えることに直面します。

それで、それまでは自分の分身として周囲にクレームをつけていた親は、唐突に「お前の責任だ。」と手を引きます。いや、別人格に責任を押し付けます。あれほど中学受験で熱心だった親が大学受験ではけっこう覚めているのは、自分自身の分身で自己実現の手段であった子供が、もはや思う通りにならない別人格で、もうどうしようもならないところにいると唐突に気づくからです。会社で有能な若手社員=人様の子供に文句ばかりを言い、自分のだらしない子供を褒めちぎってきた父親が、この時期に手のひらを反してあきらめるのを私は何度も見てきました。

そうならないようにアドバイスしてくれる先生や塾には「ウチの子供に責任を押し付けるな!」と怒ってきたんだから仕方がないですよね! だって、塾や学校は、あなたが職場でしていることを遠慮気味にしてきたにすぎないのですが、それすらも分かってなかったのですから。気づいた時には手を引くしかない状況まで子供を野放しにしたのは、あなたですよ。

コロナ以後状況は酷くなっている

リモートワークで家庭の世界が大きくなった親御さんでは、家庭内の情報が絶対化し、それを補正する世間とのかかわりが薄くなってきているように思います。子供からおかしいことを聞いても、その状況を塾や学校に確認することもなく、家庭の中の偏った情報だけを自分の頭で考えて完結し、その結論だけを学校や塾に伝えてこられることが多くなっています。

だから、塾や学校の方も子供に嫌われないように一層サービス業に精を出すことになり教育機関や受験産業として機能していない悪循環が続き、その中でデキの悪い子供ほど羽を伸ばしているわけです。まあ、その子供は、就職の際に唐突に大人扱いされて「お前なんか雇えるか」と言われて初めて現実を知り、30歳になるとその現実から逃れられないことを思い知り、40歳を目の前にその重さに耐えられなくなります。

やり直しがきかない日本で20歳代と30歳代の最も多い死因は自殺です。その孤独な死に手を差し伸べる親は多くはいません。その根っこは親が作ったのに・・・。

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