中学1年生の1ページ目から落ちこぼれさせる英語の教科書／いい塾か悪い塾かの判断材料にもなる／I go to the school to teach English.訳せますか？

中学1年生の1ページ目に載っている英文ご存じですか？

今、芦屋や神戸で使われている代表的な教科書では中学1年生の最初のページ、Lesson0からI want to ~.や　I like～ing.などの不定詞と動名詞が放り込まれています。不定詞や動名詞は中学2年生の2学期で学習する少し高度な文法です。今まで全く教えられたこともない文法が教科書本分に放り込まれ、どうしてそう訳すのか、どういう順番に単語を並べてどう変形してあるのかなど一切の説明もなしに、みんなで教科書を音読して、そして教科書の和訳を先生が言って終わりです。

中学で行われている授業ご存じですか？

中学3年生で学習する最初の重要文法は現在完了進行形です。因みに、現在完了はまだ教えられていません。だから、なぜhaveがあるのか、beenになっているのかなど分かりませんし、そもそもbeenって何なのかも子供たちはわかっていません。

そこで一切の説明もなしに、みんなで教科書を音読して、そして教科書の和訳を先生が言って終わりです。因みに現在完了はこの後に学習します。狂ってるでしょ？

もちろん、現在完了進行形と現在完了の継続と現在完了の完了と過去形の差が分かっている生徒などいません。だって、動作動詞と状態動詞を教えないんですから、現在完了の進行形も継続も完了もどう違うのか分かるはずないです。

この程度の差ですから、学力的には大したことはありません。

しっかりとしている塾は、ここをきちんと教える

まあ、中学1年生の最初から不定詞を教えるのは無理ですが、しっかりとした塾なら不定詞の名詞的用法を「～すること」などとは教えません。文型の中で主語・目的語・補語と言った名詞が使われる場所で動詞を名詞化して使うと教えるでしょう。副詞的用法は動詞や形容詞などの用言を修飾する用法で、形容詞は名詞を目的語や主語などとして修飾する用法とも教えるでしょう。

だから、今の中学生ではもちろん、不定詞の基本的な用法は中学で学習したことになってキチンと教えてもらえない高校生でもI go to the school to teach English.は訳せません。みなさん「英語を教えるためにその学校に行く。」と訳すはずで、それに一切の疑念もないはずです。でも形容詞的用法をキチンと学習していたならschoolを主語として修飾して「英語を教えるその学校に行く。」と訳してもいいはずです。

もちろんI go to the school to teach English in.になると差がまったくわかりません。これなら、teach English in the schoolと修飾され、「英語を教えている学校に行く。」になります。

大学入試の長文読解は、こんなところを聞いてくるのです（もちろん、もう少し複雑です。）。不定詞の各用法や現在完了の各用法をしっかりと教えられない塾は、丸暗記で中学のテストでは得点できても、高校でロクなことにはならない。

で、しっかりと教えると退塾する

ボケ～っと授業を聞いて、みんなで教科書を読んでいればよかった生徒に、「この文章はこうなっててな・・」と熱心に教え、間違った問題を説明して「できるまでやってごらん。」と言うと、塾を辞めます。もちろん、子供の学力を見て理解できる範囲でその子に合った内容は教えているのですが、そんなことは関係ありません。

子供たちはそんな面倒なことは真っ平だからです。学校でも多くの塾でも、ボケーっと聞いていれば良かったからです。ところが、親御さんはこの状態をどう認識しているかと言うと、塾でどうなっているのかも聞きに来ずに、子供の「イヤヤぁ～」という泣き言や、「あの塾むずかしい。」と言う文句を聞いて、「あの塾はウチには合わない。」と言って辞めます。

うれしい楽しいで、楽な授業だけ受けて難しいことの一つも習わずに、わざわざお金を払って塾に行く値打ちがどこにあるんですか？　それとも、その子供の親だけあって、「うれしい、楽しい、苦労もなしにグ～ンと成績アップ。」とか、すぐに泣き言や文句を言う子供に「うれしく、楽しく努力する姿勢を教えられない塾は無能。」って考えておられるんでしょうねぇ・・・。

そら、そんな子供になるはずですわ・・・。