下位・中位・上位の大まかな見分け方/教えて成績は克服できるのか?
下位・中位・上位の差
下位と中位の差は、漢字や英単語、社会の暗記など、必要最低限の誰にでもできることをするかしないかということだけです。パッと見れば誰にでも解ける以上の問題など解ける必要はありません。別の言い方をすると、仕事の内容はともかく、まともに毎日時間通りに仕事に来るのか、というレベルのことも出来るかできないかということだと思います。
では、中位校と上位校の差は何か? これは、暗記物のような誰にでもできることができるかどうかの差ではありません、そんなことはクリアしています。私は、思考回路があるかないかの差だと思います。極端に言うとA=B、B=Cと言われれば、A=BとB=Cだけが分かって「分かりました!」「おぼえました!」というのか、「じゃあ、A=Cなんですね!」と言えるかどうかの差です。
上位と最上位の差は、この思考回路がどれだけ複雑なものに対応できるのかでランクが変わってきます・・・簡単に言うとですよ。
その差は克服できるのか?
下位と中位の差は、学習障害などよほどのことがない限りは、誰でも克服できます。簡単なことをおぼえればいいんですから。これを克服できないと言っている輩のほとんどは、「多少の頑張りもできない」ということなんです。だから、就職でもどの企業からも敬遠されるんです。現場や工場での労働もまかせておけないじゃないですか。
上位と最上位の差は、ほとんど克服できません。持って生まれた能力の差だとあきらめるしかありません。努力で解決できるのなら、5浪くらいすれば、誰でも東大に行けることになります。でも、2浪以上しても大抵は成績などさほど上がりません。努力で届くところは、才能で決まっているのです。皆さん、勉強となるとこういう話は否定されますが、スポーツや音楽なら当然のこととして受け入れるでしょう。勉強の影響が絶大だから否定したいのは分かりますが、それこそ道を誤ることにもなりかねません。
問題は、中位と上位の差
私は、この理解力の育成というのは、さまざまな要素は関係しますが、トレーニングで克服できると思っています。
なぜそうなるのか、どうしてそう考えるのか、塾で教え続けることによって、「解法丸暗記」ことを繰り返しかできなかった生徒が、「そう考えていくのか!」「こういうところに目をつけて判断していくのか!」と徐々に思考回路を育成していきます。そうなれば、「考えること」が分かり始めてますから、後は自分でどんどん考える領域を増やしていきます。
「解法丸暗記」で苦労しておぼえても、2~3日たてば忘れることを繰り返し、熱心に勉強はするのだけれど一向に成果に結びつかなかった生徒が、考える力を手に入れて羽ばたかせることができるのが、塾をしているいちばんの醍醐味です。
中位から上位に這い上がる唯一の方法/努力
この思考回路が一番必要な科目は、もちろん高校の数学です。だから、当塾では「予習復習に1時間なんて無意味。」と言い切ります。1時間の学習では、解法を読んで真似る以外のことはできず、思考回路など育成されないからです。だから、あくせく細切れの学習をする「マジメ派」は数学の成績なんか上がらないことが多いんです。
他教科の学習を放っておいてまでも、1日4時間5時間数学に向き合い、解説など読まずに自分の力だけで解き切る学習を続けないと考える力=解き切る力など身に付かないんです。「数学の学力を上げる最良の方法」やHPの「高校生の指導」に書いた通りです。だから、理数系の生徒で英語が弱い生徒が多いのは、英語ができないからではなく、英語に手が回らないからです。逆に、数学が苦手で私立文系などに進む生徒は、それだけの覚悟を持って数学に取り組んでいないからです。
だから、上位の国立大学に進む生徒は数学と英語の学習を両立させるために、相当な学習時間が必要です。上に書いたような最上位の「もともとデキる」生徒の進学実績を引き合いに出して「クラブ活動が学習の邪魔になるなんて大間違い。先輩は京大にも阪大にも行ってる。」という教師など、多くの生徒の人生を潰しにかかっているようなものです。分かっていないで言っているのならまだしも、教師ですから重々承知で言ってるんですから犯罪行為だと思います。
ところが、この努力をできない子供が激増している
このような説明をして、「じゃあ、進学校、有名大学に進みたいのなら頑張れ!」とお尻を少し叩くと、「あの塾イヤヤ~」「その問題集は難しすぎて・・・」という生徒が激増しています。
前者は「○○大学に行きたい!」と高望みはしても、そんな努力はしたくない。塾に来てるんだから、「塾でどうにかしてよ。僕座ってるからさ。」という子供が、最近激増しています。このタイプが凄く多い。当塾では現状を親にも話しますが、こういう子供の親は「それを何とかするのが塾でしょ?」と子供と同じような感じです。まあ、だからこう育ってきているんですが・・・。
後者も増えています。2番手クラスの進学校の中位に多いです。できることしかしたくないタイプです。まじめに学習するんですが、できることを続けるだけ安穏に浸って自己満足するだけで、上のレベルを目指して「もっと考えなければ!」というしんどい努力はしたくない。だから、中学受験でも2番手クラスなんです。
そこで、「この学校では上位に抜けないと国立大学はない。あの問題集にチャレンジしないと!」までは、今回も考えない。中途半端なテストの点数に泣き叫びはするんですが、現状を変える厳しい努力まではしたくない。だから、2番手の進学校の真ん中の成績では簡単な問題集さえできていれば入れる関関同立クラスの大学しか行けないんです。