関西学院凋落・偏差値低下の原因/関関同立内の順位変動

関西学院の偏差値だけが下がっている

進研模試の偏差値、あるいは共通テスト模試などの合格基準点を見ていますと、学部間での凹凸はあるものの、総じて関西学院、関西大学、立命館が横一線に並び、同志社が抜きんでています。昔は関西学院と同志社が同じレベルで関西大学や立命館より少し上の状況が何十年も続いていたわけですが、最近急速に関西学院の劣化が進んだと言っていいと思います。

女子大学の劣化はよく言われますが、共学の総合大学では多くはありません。この理由はなんでしょう?

内部進学や推薦入試を取り過ぎている

関西学院と他の3大学の差は、内部進学や推薦入試の比率が関西学院だけ65%、他の3大学は50%ということ以外は昔からは変化していません。どの大学も一般入試の割合は下がってきていますが、関西学院大学は極めてその割合が低いのです。私はこの入試方式の差が一番大きいと想像するわけです。

なぜなら、付属校から大学に進んだ生徒と一般入試で同じ大学に進んだ生徒を比べた時に埋めがたいほど大きな学力差と辛抱の差があるからです。付属校で6年間お客様扱いされて付属校の生徒では辛抱や性根という躾が破綻して、付属校の大半の生徒は目を覆うばかりの状況になっています。一般入試と特定推薦枠(AO、自己推薦)の間でも大きな学力差があります。一般入試と指定校推薦でも差があります。推薦入試では入試勉強と入試の緊張感で揉まれていませんから。

したがって、一般入試の割合が低い関西学院は他の3大学に比べて学力や辛抱のない学生が集まり、彼らに対してレベルが低い授業を大学では行わざるを得ないのではないか? また、その基礎学力や性根は就職活動の際に、あるいは入社後に悪影響を及ぼしているのではないか?・・・などと付属校、自己推薦、指定校推薦、一般受験で関西学院に進んだ生徒たちを教えてきた私は推測するわけです。

これが関西学院の偏差値の低下の主要因だと私は想像しています。

他の要因、所在都市の凋落

関東圏に比べて関西圏の地盤沈下は激しいものがあります。そして大阪、京都、神戸の中でも一番沈下しているのが神戸です。震災以後の復興の失敗で住友ゴムなどの大企業が逃げ、強みであったおしゃれな中小企業は廃れ、国際レベルだった港湾はショボい規模に再興してダメダメになりました。金はショボい空港や大赤字の地下鉄や凋落している長田の再開発などに使われ、ほとんどの面で失敗しています。

都市部の不活性化と住民数・生徒数の減少が大学の受験生の質と直結しています。地方都市の凋落は昔主要大学だった熊本・広島・金沢大学などの偏差値を下げています。同じことが神戸大学にも起こっています。この現象が神戸に一番近い関西学院でも起こっているのではないかと思うのです。一方で人口が集中している東京や横浜の大学の偏差値は国立私立とも上がり続けています。

関西学院が打てる手は単純です

他の大学並みに一般入試の割合を5割に上げることです。偏差値確保のために一般入試枠を絞って付属校や推薦入試の枠を広げた関西学院の選択は完全に裏目に出ています。

その解決策として、いくつかの学部を神戸の中心部の王子公園後に移すようで、公園の存続を願う住民と今揉めています。バブル後に学部増設して郊外にキャンパスを移して受験者が減った大学、例えば青山学院、なども都心部回帰です。でもそれだけで名門復活はなるんでしょうか? 同志社は理系は田舎にありますが偏差値は上がっています。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。