新しい進学校躍進の理由 古くからの進学校との違い PART2
塾にいる新旧ふたつの進学校の中学1年生
中高一貫の私立の進学校の中学一年生が今塾にいます。大学進学実績は真ん中少し下のレベルで大阪大学というトップクラスに近い進学です。この中学一年生たちは二三か月前までは中学受験の学習に邁進していたわけで、中学の学習さえしたことはありません。
この生徒たちに新旧二つの進学校はどういう授業を進めているのでしょう?
授業内容の違い
旧来からの進学校の理科の教科書を見て、私は「やっぱりか・・」と思いました思いました。高校の教科書を渡していたからです。融点も沸点も学習していないこの時期に、分流やクロマトグラフィーなどてんこ盛りの授業が行なわれています。社会でも、明らかに高校の内容の歴史のプリントが配られています。
進出の進学校の教科書は、ごく一般的な中学の教科書で、学校のプリントを見てみると、その教科書内容にプラスαしたもので、このレベルの子供なら容易についていける内容です。
これが、「新しい進学校躍進の理由 古くからの進学校との違い」で書いたことです。旧来の進学校では、この段階で理解不足を起こし、また似たような高校の内容の授業を始める中学2年生では、基礎学力さえ身に着いていない状況で高校の授業が始まり、多くは落ちこぼれます。
進出の進学校では、中学3年分を1年生でキッチリと終わらせて、高校の学習に必要な基礎学力を身につけさせます。「そんな速いスピードで大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、このレベルの生徒では大丈夫なのです。中学3年分を3年間で教えなければいけない並みの生徒の能力に授業進度を合わせるために、能力の高い子供は飼い殺しにされ、無駄な受験勉強で時間を潰し、結局高校に入ってから高校の勉強を始め、高校の勉強が終わった高校3年生では目の前に入試がぶら下がっていて、大学受験に充分が時間が取れないというのが公立高校のです「高校受験を無視する学習の提案 「ひとつでも上の高校など意味がない、高校の予習をしよう!」ミドリゼミの説明会と体験授業」
旧来の進学校はなぜこんな授業をするのか?その問題点
それは、この授業についていける子供では高校から始まる高校の授業で有利になるからです。逆に言えば多くの落ちこぼれの子供を容認してまで上位の進学実績を上げたいということになります。そして、更に問題になるのは、研究者上がりのような教師によって、子供の理解不足などお構いなしに「分かっている人間が分かっている人間に教える」という授業が行われ、分かっていない子供は全く理化できずに、学習に拒絶感さえ抱くようになるということです。
ところが昔は機能していたこのシステムがうまく機能していない。それで旧来の進学校の進学実績が停滞しているわけです。理由は、少子化と進出の進学校の躍進で、以前はその学校に来れなかったような子供たちが来ているからです。だから以前と同じレベル上位の層はこの授業を受け入れられて以前と同じ進学実績が出せても、以前なら合格できなかった下の方はボロボロになります。
この状態で旧来の進学校の進学実績は停滞しています。
この旧来の進学校で、こういう授業を栄養に出来るレベルとは?
先日、この旧来の進学校の生徒に質問を受けました。
以下のようなクロマトグラフィーの実験問題です。問題は油性のインクと水性のインクを水で展開した時の差です。水性のインクでは図のように各インクの成分ごとに分離されますが、油性のインクでは全く展開されません。
この状況を示す問題では、①水性インクは水に溶ける、というのが正解です。②油性インクは水に溶けない、というのは不正解だったわけです。そこで、この生徒は②も正解でないのはおかしいと言い出したわけです。で、私は苦し紛れに「クロマトグラフィーの素材が油性インクと結合しやすいものであった場合、水に溶けても展開できないからではないか?」と吸着クロマトグラフィーの理屈を持ち出したわけです。もちろん、この実験で使っているろ紙にそんなものがあるはずもなく、私は誤魔化そうとしたのです。
すると、次の問題の①水性インクでは、水に溶けやすい成分と溶けにくい成分が分離されている、という正解で「じゃあ、吸着の話がこっちでは考慮されていない」と言い出して、私はお手上げになり「キミは正しい。問題が考慮不足だ。」としか言いようがなくなりました。
中学1年生の1学期の中間テスト前のプリントで、こんなことを言うのです。
このレベルの生徒たちだけが、旧来の進学校のメチャクチャな授業では生き残るのです。

このレベルより下位では
このレベルより下の進学校になると上位2 ~3割で神戸大学がやっとというレベルになります。ということはこのクロマトグラフィーの問題で紹介したような頭脳の生徒はほぼなくなります。ですからここで紹介した旧来の進学校のような授業をしていると、ほぼ全員が落ちこぼれるということになります。
だから授業内容は、上に紹介した新出の進学校と同じ中学生の教科書に則った授業で行われます。そして授業進度は上に紹介したレベルのトップクラスの進学校よりも一年間遅くなります。中学2年生で中学3年分の授業を終わらせ、高校の授業は中学3年生から始まることになります。私もこの程度の内容とスピードが、いわゆる秀才と呼ばれる子どもたちに無理のないものだと思います。
ですから無理にトップクラスの進学校に下位で進むということは落ちこぼれに行くようなものです。それなら次のクラスの進学校で上位2 ~3割で入って、自分より学力が下の生徒の中でそのポジションを維持する方がよほど楽です。
下手に旧来の進学校に進むと・・・
最悪は無理やり旧来の上位の学校に下位で進んで一番怖いのは、上のような授業をやられて、全く理解できずに学習意欲もなくなり学習を放棄して落ちこぼれる事です。しかし、ここで紹介したレベルの同級生は楽勝でついて行く。らから、それまで優等生扱いされてきた子供は嫌気がさして学習を放棄してしまい、公立高校に進んでいたなら普通に学習して楽勝で理解できたことさえ分からなくなる。本来なら進める大学に進めなくなる。
皆さんはこういう授業をするトップクラスの学校の成績分布を実際にに見たことはないでしょう。高校の授業が始まる中学2年生の段階で、真ん中より上にいる生徒の層が半分、真ん中より下に分布している生徒の層が半分にきれいに分かれています。この下位層は明らかに分不相応な学習で落ちこぼれていて、神戸大学などの合格も難しくなってきます。下手をすれば関関同立です。中学受験でははるかに下の生徒が、付属で6年間遊んで進める大学に、苦労して進学校に入って、そこで落ちこぼれて惨めな思いを5年間して進まなくてはいけない。
そして上位の中学で下位にいても会の中学で上位にいても、どうせ神戸大学ぐらいになるのですから、中学2年生から高校の勉強を始める必要もなく、中学3年生から高校の勉強を始め高校3年生で全教科の学習を終わり一年間の受験準備期間があれば充分対策が打てます。
看板欲しさにひとつでも上を狙うのはリスクが高い。そうしないと気が済まないのなら、進出の進学校の方がまだ可能性はあるかもしれません。


