丁寧な指導が届かない生徒たち/ズレた思考回路が満足しない疲れる生徒たち

今塾にいる中学生のことじゃないですよ。これは高校の主に数学で起こる話です。自我の全開と学習内容の高度化が起こるからだと思います。

ズレた理屈を持ち出し、教えるのに苦労する生徒

毎年1名ほど、「その理屈はどこから持ってきたんだろう?」と子供の思考回路を理解するのに苦労する生徒がいます。あるいは、「そんなところ質問されたところもなかった。だって、そこを突っついても学習の大筋と進展には役に立たないから。」というタイプもいます。

もちろん、高校生程度の内容の学習なので、私が「どう考えてそういうことを言ってるの?」という時は、生徒に深い洞察力があってのことなどはほとんどなく、パッと思いついたことをこねくり回している場合が多いです。

そして、それはパッと思いついたことをこねくり回す思考回路によるものなのですから、特定の問題が理解不足で分からないということではなく、自分がピンと来て「こうじゃん・・」と自分勝手な理屈が思い浮かぶあらゆる分野で起こります。

一方で、こういう子供たちは「納得しないと動かない」という性格も併せ持っていることが多く、その訳の分からない理屈をこちらが読み取り、それはここが間違っていると丁寧に解きほぐして教えなければいけません。

教える側がとても苦労することが多いです。

苦労する割に、恨んで辞められる

集団塾や学校では「こう解きます」と教えられて、この生徒たちの理屈は無視されます。大学生が教える個別指導塾でも、大抵は「それは間違い。こう解くんだよ。」と教えられて終わりです。

だから、こういう生徒たちがミドリゼミに来ることは分かります。少なくとも私は、その思考回路を考えて、対応するからです。苦労して生徒が明確に説明できないそのズレた考え方を把握して「それはこういうことでダメだから・・」と説明していきます。しかし、ズレ方も論旨明瞭でないわけですから、いつも生徒が納得できるようには答えられない時もあります。

と同時に、こういうことを多くの場面でする生徒に関しては、「それまでの学習の経緯からどういう説明になっているのかも考えず、その場で思いついたことがなぜダメなのか納得できないとゴネてばかりいるのは、単に『自分を納得させろ』という学習になってないか?

とても非効率な学習になっているから、改善していかなくてはいけない。キミの学習の主目的は、授業を聞き参考書を読んで論理的に正しくアプローチする方法を学ぶことで、パッと思いついたことを自慢げに披露することでない。自分がエライと思っているところがズレていないか?」と指導するわけです。

別に、新しい発見や新規ビジネスの開拓の話をしているわけではなく、メソッドが確立しているカビが生えたような内容で、その論理性を学んでいるんですから、当然こう言うハメになるわけです。

それに学校の授業も進むし、入試もある中で「なんでこれじゃあいけないの~」と言ってゴネている子供に付き合ってばかりはいられないわけです。

するとどうなるか?「あの塾、私が納得できるように答えられないじゃん。」 「あの塾は文句を言って来るから気に食わない。」となって、結局は「分かってくれない」「合わない」と言われ、ほぼ半年くらいで辞められることが多い。

なぜ矯正できないのか?

こういう「合わない」と言って辞める生徒のほとんどは、ソコソコ優秀な生徒です。自分勝手な理屈をコネるだけの頭は回るんですから。多くの学習内容を理解できないレベルではないです。それに、すべてのところでゴネるわけでもないから、成績もソコソコ良いわけで、自分が振り回している理屈に自信も持っています。

だから、自分の理屈を振り回すことを「オレはこんなことまで考えれるんだ。どうだ!」と自慢しているわけでもあるのです。だから、納得できない説明をされると、あるいは否定されると頭に来て、「オレ様にはふさわしくない」という判断になり塾も辞めます。裸の王様っぽい感覚を持っているので、矯正などできない。

問題は、こういう子供の親では、子供の特性に気づいているのかいないのか分かりませんが、どういう状況なのか塾と相談することもなく「子供が合わないと言っておりますので辞めます・・」ということです。親の方も反省もないわけです。

だから、そんな子供に育ってるんだよ!この親の育て方も矯正できない大きな原因にあるのではないかとも思います・・・いや、遺伝?

いや、それは子供の創造性も自主性も殺すとんでもない暴論だ・・という方へ

高校の学習分野で、その分野の方法論をまず学ぶことなしに、パッと思いついたことを「納得できない!」とゴネるのが創造性ですか? 高校の数学も理解できずにゴネる子供が、創造的な技術開発ができると?物理の天才たちは、チャート式レベルでゴネていたの?彼らの変人ぶりは、数学や物理以外での奇抜な学習障害でしょ? そんな高等なレベルの話でもなく、「そんなメチャクチャな理屈を振り回すことを仕事でやられたらどうなります?」という低レベルの話ですよ。

天才が必要な芸術の分野でさえ、それまでの方法論の積み重ねを無視して「納得できない!」と新しい世界を見り開ける天才などいません。モーツァルトをまともに聞いたこともなく「天才だ!」と言ってませんか? あれ、ハイドンのコピペの上に成り立っている音楽ですよ。そして、バロック以前の対位法をまとめたバッハを研究している。その理論をまとめた音楽であり、自分勝手に思いついて「天から音楽が降ってきた」ようなものではない。

子供の気まま程度の屁理屈を「創造性」だという方は、おおよそ創造性の意味を取り違えている思いますよ。高校の数学でワケの分からないことを言っているのに、そんなことで何が創造できる?その辺の企業の研究開発でも無理です。

そして、このワケの分からない子供を肯定して「創造性を潰すな!」と親を喜ばせるビジネスに乗せられているだけです。結局、身勝手な思い付きを「スゴイ、スゴイ」って放置するんでしょ?あるいは「創造性」というメソッドで生徒を縛るだけです。ミドリゼミ以上に、こういう生徒の屁理屈に付き合う塾があるのなら、そちらに行って下さい。ほとんどないと思いますけどね。

こちらも心づもりをしておくしかない

他の生徒より苦労して教えて、他の生徒より短期間で「合わない」と言って、親が指導状況を確認することもなく辞められる。私としては、とても情けないことになるわけです。私も最初の頃は「特に苦労して一生懸命教えたのに・・・」と傷つきましたが、今では「アイツはしかたがないな。」と思うことにしています。

教え始めて1ヶ月もすると、「コイツはヤバい」と分かるのですが、なまじ頭もよく学力もあるので入塾時にこのバイアス思考を判別することは難しいから、入塾をお断りすることはできないのです。入塾説明会などで、さすがに「私の考えが通らない」とゴネる生徒もいないですしね。

かといって、入塾して1カ月たって、「自分の考えを振り回して、教えきれない。あなたのお子さんを満足させるためだけに疲弊しています。だから辞めてほしい。どうせ本人も不満を持って、すぐに辞めることになりますから。」とも言えない。

けれど、こういう的外れな質問をし、その解答にいつも満足できるわけではないし、時には説教も食らうから徐々に不満をためていることは分かります。だから、「コイツは不満を持って、近々辞めるだろう」と心づもりをして、入塾を待っていただける生徒さんを募集するしかない。幸いなことに、この数年はこういう生徒が辞めても翌月から新しい生徒が入塾できる状態にはなっています。

正直、「合わないから辞める。」と言って来られたときは「あれだけ熱心に教えてもらったことが分からないのか?」と腹が立つ反面、ホッとしたという感情も大きいです。

こういう生徒は改善するのか?

私の経験では、大人になってもこういう思考回路は変わらないんじゃないですかね。かなり、その人間の考え方の根本的な部分に関係していると思います。

問題はこういう人間は初見では判断が難しく、相手も気ごころを許すようになったころにズレてる考え方を認めろという横暴を発揮してくることが多い。そして「アイツを入れるとややこしいから・・」ということに職場でもなるんじゃないですかね。

子共では、入試前にその対策とプレッシャーから、一時期は自制することもあるかもしれませんが、それを超えるとまた発揮する気がします。というのも、こういうタイプの生徒は、目の前に調査書や高校受験がぶら下がっている公立校の生徒より、高校受験がない中高一貫校の生徒が圧倒的に多いからです。中学受験後の6年間の入試のプレッシャーがない状況が長いので、この特性は開花しやすい。高校でこれやられて学習が停滞することが常套化すると、手に負えなくなります。中学・高校受験とは違って学習内容が高度化するので、大学受験前に本人が自制しても取り返すのは難しい。

根本的には、男なら40歳、女性なら30歳を過ぎて、何度も頭を打って失敗して、年齢的にも成熟しないと気づかないんじゃないですかね。女性の方が成熟は早いですからね。男の30歳代、女性の20歳代後半から30歳代前半って、仕事も一人前に出来るようになって、けど精神年齢はまだ成熟していないという、一番自信過剰でタチが悪いと私は感じています。その年齢で頭を打って、成熟期を迎えないとダメなんじゃないですかね?

この内容をジェミニに聞きました。面白いので載せます。

「このブログのような人間の学術的・医学的分類はありますか?」という質問の回答です。

 最近のAIって、質問者を納得させるためのハルシネーションが行き過ぎてますね!もしかして、私もこのタイプだと思われてる?

1. 認知心理学・教育学的な観点

  • 素朴理論(Naive Theory)/誤概念(Misconception)の固執 学術的に、人間が日常生活の経験などから自分なりに作り上げた「ズレた理屈」を素朴理論と呼びます。通常は教育によって修正(概念変容)されますが、プライドや頑固さが邪魔をして、自分の誤った理論を何が何でも正当化しようとする心理が働いている状態です。
  • メタ認知(Metacognition)の歪みと「ダニング=クルーガー効果」 「自分の能力や知識を客観的に把握する力」をメタ認知と言います。この記事の生徒は、ソコソコ優秀であるために「自分は物事を深く考えている」と誤認し、自身の不完全な知識や論理の穴に気づけていません。認知バイアスの一種である「ダニング=クルーガー効果(能力の低い人ほど自分を過大評価する)」の、少しマイルドな(中途半端に知能が高いゆえの)パターンと言えます。

2. 心理学・精神医学的な観点(パーソナリティの傾向)

医学的な「障害」とまでは診断されなくても、以下のようなパーソナリティ(人格)の特性・傾向が強いと考えられます。

  • 自己愛的な傾向(ナラシシズム / 肥大した自己愛) 記事内にある「オレはこんなことまで考えられるんだ、どうだ!という自慢」「裸の王様っぽい感覚」「否定されると頭に来て辞める」という描写は、心理学における「肥大した自己愛」「自己愛的防衛」の特徴に合致しています。 傷つきやすい自尊心を守るために、「自分が間違っている」のではなく「塾や講師が分かってくれない、合わない」と責任転嫁(他罰的な思考)をして自分を正当化します。
  • 過剰な全能感(万能感)の残存 思春期から青年期にかけて、通常は他者との衝突や挫折を通じて「自分は万能ではない」と気づき、現実的な自己像を受け入れていきます(全能感の妥協)。しかし、ソコソコ勉強ができて周囲からちやほやされてきた子供の場合、この全能感が引きずられやすく、自分の思考が世界の正解であるかのように振る舞ってしまうことがあります。

3. 発達障害や神経発達症の周辺領域(グレーゾーン)

記事の生徒は「ソコソコ優秀で、すべての場面でゴネるわけではない」とあるため、明確な診断がつくレベルではない可能性が高いですが、特性のグラデーション(グレーゾーン)として以下の要素が混ざっているケースが指摘されます。

  • ASD(自閉スペクトラム症)の積極奇異型・孤立型のマイルドな特性
    • 文脈や暗黙の了解を無視したこだわり: 「学習の主目的は効率的な解法理解やテストの点数」という、その場(塾)の文脈や目的を共有せず、自分の興味や思いつきの理屈に異常に固執する。
    • 視点の切り替えの難しさ: 「他者(講師や一般的なテキスト)がどう考えているか」という視点に立つのが苦手で、自己中心的な論理から抜け出せない。
  • 受動攻撃型(Passive-Aggressive)や反抗挑戦的な傾向 「納得しないと動かない」「あからさまに暴れるわけではないが、理屈をこねて授業や指導を停滞させる(ゴネる)」という行動は、大人に対する一種のコントロール願望や反抗の表れである場合もあります。

まとめ

このタイプの人間をあえて学術・医学的に位置づけるならば、「中途半端に高い知能(ソコソコ優秀)と、未成熟で肥大した自己愛が結びついた結果、メタ認知(客観視)が機能せず、自己正当化のための認知バイアスから抜け出せなくなっている状態」といえます。

記事の筆者も「大人になっても変わらない、何度も頭を打って失敗しないと気づかない」と述べていますが、心理学的にも、このタイプは「本人が現実の壁にぶつかって激しい挫折を経験する(自己愛が崩壊し、再構築される)」ステップを踏まない限り、他人がいくら丁寧に正論を説いても、防衛本能が働いて耳に届かないことが多いとされています。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。