「早期教育」の限界の理由/本当の早期教育はごく一部の子供にしかできない
「早期教育」の学力向上効果はすぐに追いつかれる
「データが証明 「早期教育」の学力向上効果はすぐに追いつかれる 中室牧子」というような記事に、小学校の先取り教育を幼児に教えたとしてもすぐに追いつかれると書かれています。
この記事は、大きな論点と矛盾を含んでいます。
ひとつめの論点は、なぜ追いつかれるのかということです。これは簡単で、小さな子供に知育玩具を使って平仮名をおぼえさせたり、幼稚園児に無理やり四則計算を教えたところで、それは脳の発育段階から考えて無理がある子供に無理やり刷り込んでいるだけす。しかし、そういう教育が受け入れられるまで発育した小学生になると、それほど無理をしないでも受け入れることができるので、先取り教育などすぐに追いつかれて意味がないというものです。
そして、残酷なことに、この脳の発育は子供ごとの能力の限界も露呈させていくわけです。幼稚園で四則計算が出来たとしても、それが中学生の二次関数の解決力に結びつくわけでもないし、もっと複雑な高校生の二次関数の解決力に結びつくわけでもないということです。
ところが、早期教育が有利な子供がごく一部にいる
ところが特殊な適性があって、脳が発育して学習を受け入れられる年齢になった子供に問題集を与えておくとどんどん先に進んでいつの間にか中学生の内容などまで到達する場合があります。もちろん、こういう学習を受け入れられる年齢は子供によっても違うでしょうし、もしその年齢になって四則計算ぐらいはできてもどんどん先に進ませることができる子供もごく少数です。。しかし、小学校などの早い時期にこういうことが出来る子供もいます。
そういうラッキーな場合は、学校のカリキュラム通り学習することは子供の学習の発展の邪魔になるだけです。さらに言えば、ただただ難問の解法を丸暗記するような中学受験なども邪魔になるだけで、そんなことに時間を使うくらいなら中学や高校の学習を進めていれば、大学受験に大きなアドバンテージになります「本当の早期教育を考えさせられる新入生 中学受験も無駄?」。この場合、どの中学に進ませるかなど問題ではなく、かえって中学受験の学習など子供の邪魔になるだけです。
しかし、大抵の子供では多少出来が良くても、小学校の学習+αの中学受験用の簡単な問題を解けるだけしょう。だから、大抵の子供には中学受験が最適解なのです。
ところが、多くの親は自分の子供の適性も考えずに、本当の意味での早期教育をするのか、あるいは中学受験塾で一つでも上の中学を目指すのかなど考えたこともないでしょう。ただただ受験ビジネスに乗せられて「ひとつでも上の中学」を目指すだけで、そこには子供に対する理解も思慮もないのではないか?と私は思います。
ところが、学習ビジネスサイドでも、小学校の学習範囲で、誰が少し難しい問題を解くかというような中学以後大学受験までの学習に役に立つこともない学習に明け暮れる中学受験塾に子供を放り込むくらいなら、算数も国語も英語も、適性がある児童はどんどん先に進ませて、中学受験や高校受験などより大学受験で有利な立場にいられるようにした方が良い言う塾はありません。
なぜでしょう?
本当の早期教育が実現しない理由
早期教育と幼児教室などが謳う知育玩具を使ったお遊び+αの学習も、中学受験の小学校の学習+αの学習も、多くは大したレベルではなく多くの子供にレベルの差はあれ受け入れられるものです。だから、中学受験の塾などでも2~3の能力別クラス別編成で生徒を教えることができる。結果を求めない幼児教育では画一的に教えることも可能でしょう。
だから塾や幼児教育のビジネスが成り立つ。
けれど、私が書いたような本当の意味で子供の能力を引き出しような早期教育をしようとすれば、まずそれが可能な子供は限られた子供になり市場はとても狭くなる。その上、子供ごとに大きな差は生まれるし、多くの子供の親には「お子さんではここまでしか無理です」という冷徹な通知をしないといけない。市場は狭い上に、大多数の親と揉め事必須の仕事になる。だから、本当の意味での早期教育のビジネスは展開できない。
その一方で、親の方も自分の子供にとって最適な学習や最終目標の大学受験には何が有利かと言う深い考えを持つことは少なく、ただただ受験ビジネスに乗って「名門中学」の看板、目先の結果を求めるだけのことが多い。だから、そういう大多数の親相手にビジネスを展開しているだけと言うのが中学受験の実情だと思います。
受験ビジネスと言うのは、公立小学校や中学があまりにも頼りになった結果親が塾や私立を求める状況を反映してでもあるが、一方では子供の本当の適性や子供の人生にとって何が最適解かまで考えることがない親の愚かさによることも多いのです。
本当に早期教育をするなら
今のところ、子供がたやすく四則計算などを受け入れられるか親が時々チェックして、もしその年齢が小学校より早く来たら親が付きっきりで子供を教えて、中学レベルに到達させるしかないでしょう。しかし、多くの子供は年齢相応にその時期を小学校で迎えます。そういう段階にないのに親だけが先走って教えても、大多数の子供はごく簡単な学習しか出来ないでしょう。苦労して幼児や園児に簡単なことを無理やり教え込んでも、そんな内容は小学校になれば瞬時に理解できるようになります。だから、最初に挙げた記事のように、多くの子供では早期教育のスクールなどに通わせても小学校ですぐに追いつかれて無駄になるだけです。
しかし、その小学生になっても、ほとんどの子供は学年相応のことしかできないでしょう。だから、文科省なその能力相応のカリキュラムを組んでいるのです。しかし、ごく少数の児童では、ドンドン先に学習を進められる子供が出てきます。
もし、お子さんが幸いにもそういう子供なら、親が少し手ほどきすれば小学校の早い時期に中学レベルに到達するはずです。そうなると、もう親の手には負えなくなります。次は、公文に放り込んでどんどん先に進ませることだと思います。本当に早期教育の適性があるなら、小学校の高学年で高校のレベルの学習に到達するはずです。
それで、小学校で高校の基本学習が公文で終わって中学生になった時点で「中学生ですけど・・・」と状況を説明して大学受験の予備校にでも入れてもらうのが本当の意味での早期教育だと思います。幼児や園児をスクールに放り込んで知育玩具で遊ばせることではない。
それが出来ずに、小学生で小学校のドリルなどに苦戦していたり、公文で中学の学習ができないと投げ出すようでは早期教育は無理です。でも大多数はそうなり、私が書いていることなどはできません。
子供のよっては異なる学習能力が飛躍的に発展する時期を親が把握し、その時期を迎えれば学習を押しすすめる。そして、幸いにもその能力が他の子供より早く開花するようなら、高校生の学習内容まで一気に進めるのが本当の早期教育だと思います。まだ学習を受け入れられる段階にない幼児や園児を早期教育のスクールに放り込んで、簡単な学習を教え込んで、小学校の早い時期に他の子供に追いつかれることではないと思います。
もしこの判断が出来ないし、どういうプランでどこまで学習を進めれば分からないのであれば、優秀な家庭教師を頼んでオーダーメイドの指導をしてもらうしかないでしょう。でも、そんな難題はその辺の学生アルバイトが出来るわけもなく、主婦のアルバイトの「プロ家庭教師」が出来るわけもなく、本当に優秀な人に頼まないと無理でしょう。とてつもない費用がかかると思います。その上、結局は「お子さんには無理です」ということに大多数の家庭でなって、「何百万円使ったと思ってるの!」と揉め事が起こる。結局は親が判断して進めるしかない。早期教育のスクールなどに放り込んで安上がりでできることではないと思います。


