経済格差は学力格差というウソ/中学受験に乗せられる親たち
最上位の学校以外関係ない
東大・医学部当たり前という阪神間なら灘中学・高校、それに甲陽の上位から東大や国立の医学部に進む場合を除いて、その下のレベルでは公立高校と進学実績など大差ありません。上位2~3割で大阪大学や神戸大学、真ん中くらいで関関同立、下位では産近甲龍、最下位はFラン大学です。
こんなところに親が尻を無理やり叩いて下位で進ませるなどバカげているとしか言いようがない。親の言うことを聞く小学校の子供に無理強いしてギリギリで進学校に入れても、どうせ高校に入ればその子供の本来の学習適性やまじめに取り組む性格が丸裸になるんですから無駄です。
だから、中学受験する経済力がないと負け組だなどという塾や私立の宣伝に乗せられる必要はありません。
中学受験に向かない子供もいます
逆に言えば、遅生まれなどで中学受験に向かない子供でも、高校に入れば本来の力を発揮して上位の生徒をごぼう抜きすることもあり得ます。私がこれに近かったのです。私は12月の末の生まれですから、小学校低学年の成績は非常に悪く、親からハズレだと思われていたらしいですから。
進学校に素晴らしい授業があるという誤解
公立でも私学校でも使うテキスト・参考書は同じです。数学なら数研の教科書とチャート式の青です。やることはほぼ同じです。
それに昔とは違い、受験産業も過当競争で参考書や指導書も切磋琢磨されているので、参考書や教師の間でそれほど教え方の内容に差があるわけでもありません。
進学校と公立の違いは授業進度のみ/裏目に出る場合も多い
進学私立と公立の違いは、主に授業進度です。進学私立では中学2年生の後半から英数では高校の学習に入ります。これは高校の学習が高校2年生や3年生の前半で終わることを意味し、1年近く受験対策ができることを意味します。
一方で年齢にそぐわない難しい学習を高校生と同じスピードで進められるのですから、灘などを除いた進学校では半数近くが理解不足で落ちこぼれることになります。これが最初に書いた、親の期待とはかけ離れた進学校の進学実績です。
そんなことなら御影高校にでも行って年齢相応の授業を聞いてゆったりと勉強した方がいい結果が出ます。御影高校でも最上位なら神戸大は進めるし、ホドホドでも関関同立には行けます。無理して進学校に行って早く速い授業に落ちこぼれて下位割で産近甲龍も危ないことになるよりはよほど賢い選択です。
ここまで考えて中学受験を選択する親は少ない
ほとんどの親は「経済格差が学力格差」などの受験業界の宣伝文句に乗せられ、あるいはママ友の対抗意識から、子供の適性や能力も考えずにむやみに中学受験に進みます。
小学校中学年の子供の親ではまだ30歳代のことも多く、人間として一番気が荒い時期です。他人のアドバイスなどをキチンと評価できる年齢ではありません。
だから無駄な中学受験が隆盛していると思うのです。