国立大学二次試験 自由英作文の書き方

国立大学では、100ワード程度の自由英作文を課す大学があります。その書き方を説明します。

日本語で段落・文章構成を考える/英語で書きださない

まず、設問に対して何を答えるかを日本語で考えましょう。考え方は日本語の小論文と同じです。

① 設問に対する回答:賛成・反対、あるいは「~と思う」「~だろう」と言うような文章

② 自分の結論に対する理由:「なぜなら~だからだ。」と言う文章で

③ その理由を補強する例:「例えば、こういうことがある。」

(③’ 例が思いつかない時はを自分で作る:「そうすると、こうなっていくだろう」 と都合の良い例・論理を作らないといけない場合がある。)

④結論: だから~と考えると①を繰り返す。

これを大雑把に考える。これを考えずに最初から英文で書き始めると、英文を書くことに一生懸命になって論理破綻する。

そして、この型を身に付けること。その場その場でどう書くか論理構成するのは制限時間のあるテストでは、高校生には無理です。

文章量の調整

②の理由などで文章量を調整しようと、長い文章やややこしい文章にはしない。理屈が破綻するだけです。③の例を複数個使って文章量は調整する

だから長い自由英作文では①, ②, ③-1, ③-2, ④と言うような文章になることが多い。

自分が書ける英語で段落構成を考える

ここでも多いパターンは、上の①~③を日本語で考えて、その自分の考えをそのまま英語に翻訳しようとする生徒です。そんなことをしても、ほとんどの高校生は正しい英文法や適切な英単語で和文英訳などできない。

だから、上の①~③を考える際には、高校1,2年レベルの修飾句が一つ二つ入ったレベルの15ワードくらいの文章を並べて段落構成ができるように考えなければいけない。自分の考えをそのまま正確に英語に直そうと二重三重に重文表現を組み込むと絶対に破綻する。

だから、嘘でも何でもいいから、自分が書ける英文で書ける文章を積み上げて論理的に整合性がある小論文にする。ディベートと同じで、賛成なら賛成の立場で、嘘でもいいから、正しい文章を正しい並びで積み上げるのです。高校生に相応しい英語で論理的な文章を書けることを証明するのが自由英作文で、自分の考えを立派な文章で表明する場ではない。

採点者は素晴らしい意見を高校生から聞きたいわけではなく、論理的な説明が正しい英語で書かれているかどうかを採点するだけです。

自由英作文の模範解答に惑わされないこと

自由英作文の模範解答には、修飾関係を二重にも三重にも重文表現や修飾句を使った30語以上の文章を組み込んだ例文が載せてあります。あんな文章を、時間制限のあるテストで、間違いもなく高校生が書けるはずがない。

「時間制限のある高校生」の立場を考えずに、専門家が自己満足できる文章を考えたに過ぎない模範解答が多すぎる。英検準1級取れるか取れないかのレベルの高校生に、ああいう模範解答を突きつけるのはどうかと思う。

ああいう高尚な英作文をしないと落とされると高校生は思って、書けない文章を書いて破綻することになる。ご立派な模範解答を参考にして自分の首を絞めるのは止めましょう。自分の考えを正確に表現したいからと、そういう複雑な英語表現を使うのも止めましょう。高校1年・2年生の教科書レベルの表現で書けることを論理破綻なく書きましょう。

英文を書く際に気を付けること/英作文問題集よりしないといけないこと

特に単複数形、人称、時制、冠詞、代名詞、自動詞他動詞の区別に気を付けること。特に代名詞の使い方は気を付ける。「その内容は」という文章間をまたいだ代名詞は、書き手は分かっていても、読む側には不明瞭な表現と映る場合が多いから避ける。

英作文の問題集では、受験生が「スゲェ」と思うマニアックな修飾語句の使い方や構文を書いて受験生の気を引こうというものが多いです。けれど、ほとんどの高校生はそんなことの前に、単複数形や時制レベルの間違いが多い。

「スゲェ」と感心するということは、思いつかないことです。そういうややこしい構文を使わずに、教科書の重要構文で上がっている15ワード程度の簡潔な文章で、ミスなく間違いなく書くことが大切です。

多くの高校生の問題点

9割の高校生で、整合性を持って①~③を並べることができない。結論と理由ちぐはぐだったり、理由と例があっていなかったりする。小論文を書くトレーニングも、ディスカッションの経験もないから、その場その場で頭に浮かんだことを言う・書く癖が染みついていて、それを矯正されたことがない。

ところが、最近の高校生に「論理性が破綻している。」などと指導すると、「自分が考えたことを否定するな!」と逆切れされる。甘やかされて否定されたことがないからです。だから自分の論理性の破綻も自己反省できない。

そして思い描いたことを英文で書いて、メチャクチャな論理で間違った文法の文章を書いて落とされる。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。