立命館大学の偏差値が上がっている理由/一般選抜の比率が高い
立命館大学の偏差値が上がっている
これは一般的な学部の偏差値を表にしたものです。関学の国際学部は高い!なんて詳しい話はなしです。この表で言えるのは立命館が上がって、関西学院が落ちたということです。
こういう傾向を見て、私は「関西学院凋落・偏差値低下の原因/関関同立内の順位変動」と書きました。でも、最近になればなるほど立命館が上がり関西学院が低下していく傾向が明らかです。このブログでは、傾向は内部進学や推薦入学の増加と関係があると書きました。なぜなら、関西学院の内部進学や推薦入学の比率がダントツで高かったからです。
このブログの中で、学部増大と少子化の中で受験者人数も減少傾向にある中、付属高校を増やし推薦入学の定員を増加させ、一般入試の定員を35%にまで削って偏差値を維持しようとした。ところが、これが学生の質低下等を招いて、逆に偏差値が落ちているのではないか?と書きました。
立命館は最近、このような宣伝活動をマスメディアを通じて始めているようです。「立命館大・伊坂忠夫副学長「関関同立で一般選抜の比率が最も高い理由」」
一般入試が高いことが高偏差値の理由
この記事によると、2021年度の入学者は、一般選抜63.1%、附属高内部推薦11.1%、指定校推薦10.5%、総合型選抜6.4%です。立命館の副学長が言っているのだから、間違いはないでしょう。
この記事ではこういうやり取りがあります。
――立命館大学は関関同立の中では一般選抜の比率が最も高いです。一般選抜を重視しているのですか。
高校で最後まで勉強し、確かな学力を身につけた人に来てもらい、大学でいろいろなことにチャレンジしてほしいと思っています。一般選抜の比率が高いのは、確かな基礎学力を備えたうえで、多様な学習歴を持つ人に来てほしいという大学側のメッセージでもあります。
とても付属校の高校生などに失礼な副学長ですね! でもこうも明言しています。「総合型選抜は一般選抜と選考基準が違うので、学業成績は多少、差があるところもあります。」これが付属校からの入学者だと、多少ではなく大きなということになると思います。
この副学長の発言からは、一般受験生への媚びとともに、今の推薦や付属校入学の増大の弊害を素直に認めていることが伺えます。
副学長が差があるって言ってるんですから・・・
この副学長の言葉は、付属校、総合推薦、指定校推薦、一般入試と様々な学生を送り出してきた私の感触と同意見です。加えて、「数学ができる」「古文が得意」などという勉強の差だけなら「会社に入って、そんなもん関係あるかい!」で良いでしょうが、明らかに物事に取り組む姿勢や忍耐に差があると感じています。これは企業に入ってからでも、仕事に大きな影響を及ぼすとは私は思っています。
最近、若い人で、仕事で自分の思い通りにならないと、それも子細なことで、すぐにキレる人が増えている気がします。私の数少ない最近の若手社員や役人とのやり取りでも、彼らが自分で勝手に決めたことを「それは違うんじゃない」なんて言うと、すぐキレたり「パワハラですか?」なんて攻撃したりしてくる。5歳の幼児か80歳の老人並みの忍耐しか持っていない。
仕事能力以前の問題として、忍耐がまるっきりない。これは、推薦や付属校から大学に入った若者の増大と関係しているような気がします。採用した企業でも「アレッ、昔のこの大学の新入社員もっとキチンとしてなかったか?」ってなことになっているのかもしれません。ネットでは学歴フィルターに続いて、「推薦フィルター」なる言葉まで登場しています「女子だけじゃない。AO、附属出身…企業採用の新たな“学歴”フィルター」。
だから、一般受験の枠が一番大きな立命館が偏差値を上げているという、関西学院の逆を行った大学の偏差値が上がっている。もちろん、これには関学や同志社が理工系学部を田舎に集めたにに対して、立命館が情報関係の学部などを都市部に作ったということ、阪神大震災後神戸の地盤沈下が大阪や京都より著しいなども人気には関係していると思いますが。
だから、関西学院は神戸の中心地の王子公園に、地元の大きな反対があっても、キャンパスを作ろうとしている。でも、王子公園じゃあなぁ・・・寂れた三宮からまだ外れている。大阪駅の貨物地後くらいに作らないと意味ないと思う。せめて、三宮の東遊園地くらいには・・。