経済格差は学力格差の理系/でも文系志望なら公立も私立も関係ない

都心部の国公立大学の医学部は、各府県の最上級の学校以外進めない

ミドリゼミから数年前に奈良県立医大に後期で合格した生徒がいます。その生徒は雲雀丘の最上位のコースで3年間授業料免除の特待生でした。ところが、大学に入学してみると同級生からは「そんな高校は知らない。」と言われてしまいました。同級生の出身校は、灘や東大寺などの各府県のトップの私立校出身者以外はいなかったのです。神戸高校や長田高校などの公立のトップ校出身者は皆無です。

なぜこんなことが起こっているのでしょうか? それは、そういう高校に優秀な生徒が集まっていることが主要因ですが、もう一つ大きな理由があります。それは私立の進学校の授業進度でっす。

トップ進学校の授業進度とは?

一番分かりやすいのが数学です。普通の進学校では体系数学という中高一貫校用の教科書を使って、中学1・2年生で中学3年間の授業を終えて、中学3年生から高校の授業が始まります。高校の授業は難しいためか、それ程速く進むわけではなく、高校1年生で公立高校の高校2年生までのカリキュラムは終わります。文系であれば、ほぼその時点で社会以外の全教科は終えています。

理系なら、私立の進学校は高校2年生から理系の数Ⅲが始まります。理科の選択科目も同様に始まり、高校3年生の前で全教科必要な教科の学習が終わります。進学校では高校3年生の1年間復習して難しい入試問題に対応する時間があります。一方、公立校では、進学校では授業進度は多少速いですが、理系の入試に必要な教科が終了するのは3年も後半です。難関大学の難問のへ準備期間がまったくありません。

そして、各都道府県のトップレベルの進学校ともなれば、このカリキュラムが1年さらに前倒しになります。中学の学習は1年間で終わり、中学2年から高校の学習が始まり、理系であっても高校1年生で必要な学習が終わります。難問が多い奈良県立医大のような医学部単科大学の入試問題や、高得点を狙わないといけない総合大学の医学部への準備が十分できるのです。

だから、医学部以外でも、理系では私立の進学校は圧倒的な優位性を持ちます。公立校なら1~2年間の浪人で対等な立場になると言えます「国立大理系は公立高校から現役ではもうムリ?/理系なら中学受験は必須」。

その上、理系の学習の負担増が公立には圧倒的に不利

その上、数学では曲線や複素数平面などの追加によって学習量が増え、また理科の化学では有機や無機の暗記分野のボリュームが増え、生物ではバイオ分野の学習内容が増え、理系の学習量は圧倒的に増えています。

だから、数学は数ⅡBにCという範囲を加え、数Ⅲから一部学習範囲をCにおろして、2年生の学習に落とし込んできています。また、理科があまりにも難しくなったので文系用に化学基礎や生物基礎などの簡易な範囲を用意し出しています。

理系の負担が著しく増えている状況で、入試間際になって「理系のカリキュラム終わりました!」という公立高校などから理系の有名大学など現役ではもはや困難になってきています。

でも、進学校だから素晴らしい授業があるということはない

多くの進学校の生徒を見てきましたが、進学校だから素晴らしい授業があるということはありません「進学校や進学塾に素晴らしい授業や進路指導があるという誤解」。公立でも私立でも教師によることが多いです。教え方が上手い下手というレベルではなく、学習内容レベルでも「そんなことも教えてないの?」「そんなことこの学年の生徒に教えても分からない。教師の自己満足?」とう進学私立もとても多い。

進学校とはいっても、「何を教えるか?」というカリキュラムが学内で統一化、マニュアル化されていないことも多く、教師に丸投げされていることが多いのです。だから、その教師が「子供のために」とう先生ならいいのですが、研究者になり損ねて不満だらけで教師を行っているような人間の場合、熱意もない授業をする先生や、生徒をバカにしてマウントを取ることに終始して理解不能な授業をする先生も進学校では多いです。

だから、進学校に限って素晴らしい授業があるということはない。もしそうであれば、進学校から鉄緑会はもとより、私の塾なんかに来ることはありません。

文系では私立の進学校の優位性はない

文系では理科や数学の負担はありません。公立高校でも高校2年生までに社会以外の全ての学習範囲は終わります。社会は公立では日本史などで3年に授業を行うカリキュラムも多いですが、国公立大学では社会は共通テストだけなので、それほど深い学習は必要なく対処できます。上位国立大学の文系の二次試験は英数国が多いからです。

だから、公立高校でも高校3年の1年間は復習や入試への準備に充てることができ、進学私立に理系ほど圧倒的な優位はなくなります。むしろ、公立でも十分な入試の準備期間があると言っていいと思います。

ここまで考えて中学受験を選択する親は少ない

中学受験ごときの算数が苦手と言っているようでは、まず理系の上位国立大学など無理です。断言しましょう。不可能です「あなたは理系に行けますか?/文系でも国立大学に進めますか?」。

だから、中学受験塾に放り込んで算数が得意な場合はそのまま受験をさせればいいし、不得意なら中学受験塾に通わせても公立中学に進む選択があってもいいと思います。でも中学受験塾は辞めさせないでください。野放しで動物園状態の小学校に教育を任せると、動物園がデフォルト状態で中学校で反抗期になった子供は、もう制御不能になり、漢字や英単語をおぼえるのも「面倒で、嫌だ」で押し通すようになり、その時点でソコソコの大学に進む未来はありません「公立中学の通知簿3は、教えるのが無理になってきている」「公立中学の下半分は終わっている」「公立中学の成績分布の恐ろしい実態/通知簿5は昔の4、通知簿3は昔の2」。

そんな生徒は限りなく見てきました。だから当塾の入学基準は公立中学なら5教科で通知簿4なのです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。