国立大学志望に見切りをつける最後のチャンス/高校2年の秋
数学は得意不得意が激しく、私立の理系や国立の二次では配点も大きいので、一番得点差が開く科目です。数学があまり得意ではなく、英語や社会などで底上げをして合格ラインに何とか乗っている生徒で、神戸大以上の国立大学に合格した生徒を私は知りません。だから、数学の学習にポイントを置いてお話したいと思います。
まだ国立大学という皆さんへ
この時期に、文系でも数学ⅡBCまでのチャート式が完成していて、数研などの入試問題集に手が出ない生徒は国立大学は無理です。理系では数Ⅲのチャートがほぼほぼ終わっていることです。別に青でも黄色でもかまいません。それほど大差があるわけではない。
理由は、国立大学には共通テストがあるからです。この準備は3年生の9月の後半からは始めないと間に合いません。私の経験からでは、独特のマークシートの出題に慣れるために8年分くらいは過去問題を解かなければ高得点が望めません。そのためには、3カ月はかかります。
だって、解くのだけでも1教科1~2時間はかかるわけです。答え合わせをして、間違えた理由や苦手な範囲を確認して見直しするとなれば、1日で1教科も出来ないかもしれない。もちろん、共通テストでまだ終わっていない副教科の暗記とか、二次対策の継続などもあるんですから、共通テストの対策だけをしていいわけでもない。
だから、1日1教科学習して2か月少しかかるんですから3カ月は見ておかないと間に合わない。9月の後半からは共通テストの準備を始めることが 必要だと考えています。「高校生の数学 国立大学に向けて2年からの学習」「2学期の過ごし方/高校生編・これができていないと国立大学は無理です」
共通テストが済んだら1カ月で二次です。この1カ月で難しい「 国立大学の数学、入試問題の風格あり。 どれだけの努力が必要か分かります?」 のようなレベルに、チャートが出来ているからと急に学力が上がるわけではない。共通テストの結果から選んだ、あるいは変えた志望校の対策くらいしかできません。
だから、3年の夏休み終了時には二次試験の問題が解けるようになっていなければいけない。ということは、2年の夏休み辺りには基礎学力は身につけた上で入試問題にアプローチしていかなければいけないんです「大学入試は高校2年生の夏休みが勝負/学校の学習と入試問題の差を埋めるために」「ミドリゼミの高校2年生の夏休みの数学の学習/高校の範囲を学習している私立中学の学習」。
理系では数Ⅲも含めてこのスケジュールに準じて展開していかなければ間に合いません。その上、理科の学習今からしていかなければいけない。学校から配られているシグマやαと言った問題集は3年生の夏休みまでに解けるようにして、夏休みには重要問題集などの入試問題を解けるようにしなければいけない。
3年生の段階で数Ⅲや理科の授業がまだ終わっていない公立高校では、理系の上位国公立や医学部は難しいです。「国立大理系は公立高校から現役ではもうムリ?/理系なら中学受験は必須」
このことを理解できていない生徒、進学校で思い上がって「イザとなれば自分は・・」といつまでも言っている生徒は、必ず失敗します。
さっさと関関同立に進路変更すべし
だから、まだ数学のチャート式が不十分な理系志望者は共通テストがなく問題も優しい関関同立以下の私立に、チャート式がまだダメダメな生徒では数学をもう諦めて私立文系に素直に変更して、出来る限り上位の大学に進むことを考えて下さい。
共通テストの負担がないのなら、理系では3年の夏休までに数Ⅲのチャートを終えて、夏休みからやや簡単な重要問題集などのの基本問題を始めれば間に合います。産近甲龍以下の理系では数Ⅲが入試にないことも多く、その際は数ⅡBCのチャートを3年生の夏休み終わりまで頑張れば大丈夫です。テスト問題も大したことはないのですから入試対策もそれほど必要ありません。英語でも、3年までに基本文法を学習しなおして、3年からNext StageやVintageなどの学校から配られた入試文法問題集と英文基礎問題精講などの長文を始めれば間に合います。
この時期にそれが出来ていない生徒は、私立に志望校を変えて余計な学習はしてはいけません。下手な科目に手を出すと、失敗します。また私立でも、この時期に数Ⅲのチャートが分からない生徒などは関関同立は諦めて産近甲龍以下にしましょう。産近甲龍以下では理系でも入試に数Ⅲはないことが多い。そういう生徒は数ⅡBCまででもできていないことが多いです。数Ⅲなど無理です。だから関関同立は諦めましょう。
文系でも英語は同様です。同時に今から3年までに古文の基本文法をマスターして、少し上の入試問題集を3年から始めれば間に合います。おすすめは旺文社の古典文法、次のランクとして河合塾の古文文法問題演習などがあります。こちらは長文がついています。
もちろん、文系では選択科目の社会も 3年生から 始めて下さい。暗記なので間に合います。 一方、理系では今から学校から配られたセミナーやαといった問題集を選択科目で徐々に始めてください。それ以上のレベルは必要ありません。
国立大学志望では、社会はそんなものでもいいですが、理系の理科は今から同様の学習を始めて3年生の1学期の半ばには重要問題集を始めましょうね。理系・文型の共通テストの副教科の理社は3年生から始めましょう。
ミドリゼミでは「神戸大学なんか無理」と高校1年生で断言します
上に書いたような学習を進められそうにない生徒、「ミドリゼミの高校1年生の夏休みの学習/高校の範囲を学習している私立中学の学習」のようなスケジュールで学習しない生徒には高校1年生の終わりに「神戸大学なんか無理だから。関関同立目指そう。」と断言します。この判断に間違いはありません。「高校2年から頑張るから、断言するな!」などというヤツは、高校2年生になると「高3から頑張るって」というに決まっています。そんな性根の奴が進めないから上位の国立大学の就職は良いのです。
この断言をしないような塾や予備校は、私はダメだと思います。生徒のためではなく、そういう厳しいことを言って辞められたら困るから、いい加減なことを言っているだけです。その結果、関関同立や産近甲龍に進めた生徒が、余計な科目に手を出して遅れた学習スケジュールになって進めなくなります。
足を引っ張る親は最悪
上に書いたようなスケジュールも分からず「子供の可能性」とか「今からでも頑張れば!」と言う親御さん。あまりにも愚かです。どうせ国立大学レベルに乗らない数学なんかに手を出して英語の学習も不十分だとなれば関関同立に行ける生徒も行けなくなりますよ。できることは、「英語全振り」です。
愚かな願望から子供を潰すことだけはしてあげないでください。