成績が良くない生徒のテスト前とは？

中学生と高校生のテスト前

多くの学校では来週から10月の下旬にかけて中間テストが始まります。中学生は学習内容も難しくなく学習進度も遅いので、通知簿４以上の生徒なら、普段から5教科満遍なく学習できます。学校の授業進度に沿って復習できます。テスト前には、暗記に抜け落ちはないか、今まで学習して苦手だったところはできているか、などテスト前になんとか見直しもできます。

ところが、通知簿３の子供は学習速度も遅く、学校の進度通りに学習ができません。だから、テスト前にやっていないことが積みあがります。それでテスト前に頑張らせてやっと一通り終わったかと思うと、当然2～3日前に学習したことなんかスッカラカンに忘れているわけです。

高校生になると教科数も学習量も増えるので、普段から満遍なく学習するのは難しいです。成績が良い生徒でも普段は英語や数学の時間がかかる学習を地道に行い、テスト前には理科や社会などを詰め込みます。したがって、テスト前の高校生は大変で、睡眠不足と闘いながら学習することになります。

ところがほとんどの高校生では普段から英語や数学も十分学習などできずに、テスト前には英語や数学の主要科目で悪戦苦闘します。テスト前でも理科や社会など当然学習する時間もなく全教科壊滅します。

その上、成績の良くない生徒は、テスト前でも踏ん張りも効かない上に自己評価が高い

もちろん、上に書いたような成績の良くない生徒でも「テスト前ぐらいは頑張れよ。」と言うことになるのですが、本人たちは全く焦りもなく通常運転で学習し続け、分からないところがテンコ盛りでも平気でテスト受けてとんでもない点数を取ってきます。

ところが、こういう生徒ほど自己評価が高く、テストの結果を聞いても「まあまあです。」なんていう生徒が多いのです。高校生になると減ってはきますが、中学生では結構多いです。私も経験が浅いうちは「目標が低いから、その範囲内でまあまあ出来た。」と言っているのだろうと思っていましたが違います。本当に出来たと思っているのです。

このことは私の思い込みでもなく、アメリカの研究でも同様の結果が出ているようです。「バカと無知／名著から考える塾経営／だから私の塾はダメなんです」

この状況は年々酷くなっています。5年位前までの生徒はテスト前には「応用問題はもういいから、基本問題をキチンと解けるようにしよう！」と指導すると、「そりゃあそうだ。」とその通りに頑張ってきてくれたのですが、最近の子供は全く踏ん張りがききません。スカスカの学習になっていることも、やっていないことがテンコ盛りで塾側は「酷いことになるぞ。」と分かっていても、平気で「まあまあです。」なんて言っています。

最近の子供を見ていると、これは子供個人の問題ではなく、全体的な問題と言ってもいいと思います。褒めて育てる式の家庭環境と教育環境が、こういう子供の生来の傾向を助長しているのだと思います。

この失敗を際限なく繰り返します／親もです

こういう子供たちでは「まあまあです。」と言っていたテストで酷い得点を取ってきても反省もありません。同じようなだらけた学習と準備不足を際限なく繰り返します。何度説明してもアドアイスしても叱っても、ほとんど効果はありません。私は最近、頑張れる人間とこういう人間は別種の生物なのだとしか思えなくなることがあります。

ところが、その親も全く危機感はありません。こういう子供の親はテストの得点だけを見て「塾に連れて行って勉強を教えてくれたら何とかなるだろう。」と言って来ることがほとんどです。漢字も英熟語も計算問題も、テスト前に少し勉強したら出来るはずのこともスッカラカンに間違っていることまで見ていないのです「中学生の親がすべきこと／テストの点数だけではなく答案を見る」。要するに、こういう親は勉強以前に「テスト前くらいは頑張る」という躾のレベルで失敗していることが分かっていないのです。躾と言うのは塾の守備範囲でもありますが、多くは親の子育の責任です。このことが分かっていないのです。

だから、親に「このままでは大変なことになる」とメールなどをしても、「それをするのに金を払っているんだろう。」程度にしか思っていません。塾で躾けられるレベルの子供ではないから「親も何とかしろよ。」と塾からSOSしているのです。その危機的な状況が分かっていないから、たいていの場合塾に来てもほぼ効果は出ません。

親子そろって、何度失敗を繰り返してもとめどなく失敗を繰り返し続けます。そして、塾で子供を繰り返し叱り、繰り返し要望を出すと「あの塾、イヤヤねん。辞めたい。」と子供がいい、「面倒なことを言って来るな！」親から逆切れされます。