中学・高校受験の優等生が高校の学習で落ちこぼれるか、克服するかの分岐点2つ

公立中学では2学期の期末テストも終わり、この3週間ほどの親子の面談で志望校が決まります。志望校決定のご参考になればと思い書きました。

中学・高校受験の優等生とは?

小学生の場合、京阪神なら各府県のトップ校に進む小学生以外年齢的に思考力などありません。全部解法丸暗記です。高校受験の場合も似たり寄ったりで、解法を丸暗記が得意な生徒が勝ちます。これは学校や塾の責任というより、正直考え方を教える必要が少ない簡単な問題を幅広く学習するので丸暗記させた方が効率的だからです。

だから、一番理解力が必要な国語の長文読解など塾の授業では一番少ないわけです。教えても大抵の生徒は理解できないし、成績など上がらないからです。それなら数学の解法や英語の構文でも丸暗記させた方が手っ取り早い。

こうして受験戦争を乗り越えた子供は高校の学習でつまずく

こうして丸暗記が得意な子供たちが進学校に進みます。そして、中高一貫校では多くの場合中学3年生から高校の数学が始まります。公立高校などはもちろん高校1年生からです。

そして、私の経験からでは、このとき2つの要因から元優等生の落ちこぼれが生まれます。

まず最初は、中学・高校受験を親の圧力で乗り切り、ホッとしたのもつかの間、また尻を叩かれ出して嫌気がさした子供が反抗期を迎え、親の言うことなど効かずにサボった結果、難しい高校の学習で落ちこぼれてしまうというものです「働きアリの法則/進学校で7割の生徒はなぜ失敗するのか?」。

高校の学習は難しく、学習進度も速いため、一度落ちこぼれてしまうと、前の分野を復習しながら今の分野を学習するなど不可能です。ところが本人たちは反抗期の上にプライドが高く「ほっとけよ。いざとなったら私なら。」と全く言うことを聞きません。

そして、本人が「ヤバい」と気づくころには取り返せなくなり、そのままズルズルと終わります。これが進学校で落ちこぼれる生徒の典型的なパターンです。

こうなってから塾に連れてきても、大抵は手遅れです。処置しようにも訳の分からなくなった今の学習を何とかするには、昔の因数分解や関数を掘り起こしながら教えなくてはいけません。速い学習速度の高校で、そんなことは無理です。

しかし、こういう生徒は「何とかなる」と思っているので、春休みや夏休みに死に物狂いで復習することなど私の経験からはありません。

まじめに勉強している優等生が落ちこぼれるパターン

これが2つ目のパターンです。とても多いです。まじめに勉強していても成績が上がらない。本人はその理由は分からないので、学習の改善が出来ないパターンです。

こういう生徒は自分が成功した暗記学習を高校の数学や英語に持ち込みます。ところが、高校の数学はその分野の基本的なアプローチ=考え方を身につけていなくては解けないのですが、そういう思考にベクトルが向かないのです。

いくら「この分野は・・・」「この文法は・・」と塾で教えても、「問題解きます。」「解きました。解答はこうなっています。」という脳筋丸暗記を繰り返します。私の塾ではそこで「じゃあ、なんでその解答はそうなってるんや?」と詰めますが、そんな考え方をしたことがない優等生の脳ミソはフリーズします。

これ、本当に思考停止でフリーズするんですよ。「そんなこと言われたって、解答はコレじゃん。その上、何を聞いてるの?何を考えればいいの?」から一歩も前に進まない進学校の生徒は非常に多い。

フリーズする脳ミソの行方は?

こういう子供は考え方を教えても受け止める論理的な脳の回線が出来ていないので、何度教えて考え方を丸暗記しようとして「教えてもらった時は分かったんですが、どうしていいのか分かりません。」を繰り返します。

だから、何度も何度も同じ問題を繰り返すことになりますが、そうするとついに複雑な解法を丸暗記してしまいます。でも、また次の問題で「この新しい問題も教えてもらった時は分かったんですが、どうしていいのか分かりません。」を繰り返します「「分かっている」こと、「自分で解ける」ことが分からない生徒たち/大学受験のレベルから解説」。

ここで「そうか!そう考えるのか!」と乗り越える生徒は、そのまま高校の数学や英語を克服して関関同立、努力の度合いによっては神戸大学以上の国立大学に進みます。だからこの両者の差は、脳ミソの出来の差より努力の差の方が大きい。

やはり問題も難しく、共通テストで多くの教科をこうして克服しないといけない上位の国立大学は負担が比べようもなく大きいです「神戸大学以上に行ける生徒の簡易判断方法/共通テスト前のお話」。

一方でこの壁を乗り越えられない生徒は、正直いくら手を差し伸べても関関同立は無理です。努力に差も大きいですが、それ以前に考える力がないのです。だから産近甲龍の入試問題は教科書レベルなのです。入試の時期になって巻き和えしても脳筋頭脳ではここまでです。産近甲龍より下のランクでは、大学の序列など崩壊していて、このレベルの問題が解けるとかそういう状況ではなくなってきています。

改善はできるのか?/進学校に進む問題点が阻む

私が「それは前の問題と同じ考え方で、ポイントがここに移っているだけでしょ?」と言っても、「だって解き方も違うから新しい問題じゃないの?」という高校生は、関関同立以上の大学は無理です。もちろん最初に書いた落ちこぼれレベルでは、いくら進学校でも産近甲龍が精一杯です。

進学校であこの理解の壁を乗り越えてよい成績を取る生徒はやはり多いです。落ちこぼれた生徒はもとよりこの壁を乗り越えられない生徒は、こういう優秀な生徒に下位に押しやられ、昔の優等生から劣等生としての自分を自認してそのポジションに甘んじ出します。

塾で「何のためにそんな進学校に行ってるねん。自分より成績が下やった友達が付属で遊び惚けていて、そいつらより下の大学に進むなんてあり得るのか?」と聞いても、もはや無反応になっていきます。

兵庫県の公立高校のトップ校でも下位3割は産近甲龍です。同レベルの序列3位くらいの私立の中高一貫校も同じです。こうしてサボった生徒と脳筋を改善できなかった生徒は進学校でも結構多いのです。そういう多くの生徒は、かつての優等生だったプライドから学習の頑張りや改善がおざなりになり、そしてそこから抜け出せないと分かるとそのポジションに甘んじます「大学入試で逆転する学校間格差・逆転は難しい校内格差/上位校に下位で進んではいけない理由/哀れさえ感じます」。

逆にその下のレベルの高校でも、この脳筋を改善できた生徒は関関同立以上には進み、必死に頑張れば神戸大や大阪大にも進みます。だから、自分にプライドが持てる上位の成績で下位の高校に入る方がいい結果を生むことが圧倒的に多い。中学や高校入試で必死になるなどナンセンスなのです「大学入試で逆転する学校間格差・逆転は難しい校内格差/上位校に下位で進んではいけない理由/哀れさえ感じます」。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。