経済格差は学力格差ははウソ。上位国立大学の理系では本当。でも一浪すれば埋められる。結局本人の資質次第。
私立と公立の格差とは?
①私立と公立に大きな授業格差はない
私の経験から、私立と公立で大きな授業格差はありません。学校のレベル間でも、ホドホドの上位の生徒が行くような学校間では大差はありません。だから、「私立の進学校だから教えてもらえる特別なこと」はありません「経済格差は学力格差というウソ/中学受験に乗せられる親たち」。
②進学私立と公立の大きな差は授業進度
いわゆる進学校と呼ばれる上位の中高一貫の私立では、公立校より授業進度は早いです。それでも、多くの進学校では数学は1年ほど速いだけで、英語や国語、理社に関してはそれほど大きな差はありません。ただ、最上位の特別な進学校だけは、中学2年生の最初から高校の数学の授業が始まり、中学1年生から高校の古文の文法などが始まる場合もあります。
でも、これは落ちこぼれる可能性もとても大きいことを意味します。なぜなら、キチンと中学レベルの基礎を教えてから高校の範囲にはいるのではないからです。中学3年分の数学を1年間で教える、現代国語の5段活用も学んでいない生徒に古文の文法を教えるのでは普通に授業をしていたら十分にいい大学に行けた優秀な生徒の多くの生徒が落ちこぼれることを意味します。
では、それが進学格差になるのか?
①文系の場合、この私立の早い授業進度は意味がない
進学校で数学だけなぜ授業進度が速いのかには理由があります。公立の授業進度で数学を教えると、高校3年生まで数Ⅲを積み残すことになり、十分な受験の準備ができないからです。しかし、私立文系には数学は受験科目にありませんし、国立でも数ⅡBとCの一部だけです。この数ⅡBCは高校2年生で公立校でも授業が終わります。だから、受験までに十分に準備をする時間が公立でもあります。だから私立の早い授業は落ちこぼれを生む危険が増すだけで意味はありません。
②理系なら意味がある
ところが理系では、数Ⅲが高校2年生で終わり高校3年生では受験の準備に専念できる私立の進学校は大きなアドバンテージがあります。同じような傾向がある理科では公立と大差ない授業進度で進む私立も多いですが、一番学習に時間がかかる数学にアドバンテージがあることは大きなことです「経済格差は学力格差の理系/でも文系志望なら公立も私立も関係ない」。
特に共通テストがあり3年生で国語や社会の準備もしなければいけない国公立大学志望者には、公立と比べて圧倒的に有利であると言っても過言ではないと思います。
③でも、言い換えれ一浪すれば、公立と私立の格差は無くなるということ
お金がなければ自宅で一生懸命高校時代の問題集を復習し、ネットで大学の過去問を書きあつめ、youtubeで難問の考え方を見ていれば私立に進む意味はありません。youtubeの数学の番組では、その辺の予備校よりよほどいい授業をしてくれるチャンネルが一杯あります。
進学校でも有利とは限らない最大の理由
進学校でも有利ではない最大の理由は、子供本人の資質によります。
中学受験で親や塾の言うことを素直に聞き、一生懸命(盲目的に)頑張って進学校の私立中学に進んでも、中学2年生あたりからは思春期・反抗期に突入して親の言うことを聞かなくなり、その子供の生来の資質が丸出しになります。その年齢では、自分の成績や周囲の話を聞いて反省できる能力はまだありません。
「私って進学校に通ってる上級国民なんだ!」って勘違いしている間に、中学3年生から高校の数学が入ってきて、思春期を卒業した高校2年生あたりで客観的に自分を見つめだしたときに「もうダメだ。手遅れだ。」となることがとても多いです。
この「本人の資質」こそが、経済格差は学力格差ではない最大の理由です。親の経済力と環境を生かし、医学部などの理系の難関学部に進める子供は、いかに親が優秀でもとても少ない。一方で、公立でも、歯を食いしばって自宅浪人して