今年度の最大の課題/進学校の生徒の個々にあった学習管理
今年度の課題の選択理由
進学校の生徒で学習管理に困っている生徒が増えているためです。進学校では各教科の宿題が多く、生徒が宿題をこなすだけで精一杯になっている場合が多い。それで学力が身に着き、成果が上がっている場合なら何の問題もないのですが、そうではない場合が多い。宿題を一通りこなすのに精一杯で、分からないところをじっくりと考えて取り組む時間もなく、後で見直す時間もないからです。特に、私の塾のような個別指導塾では、塾にまで持ち込んでやっと宿題をこなしている生徒では目も当てられない状態になります「落ちこぼれる進学校の生徒の思考/中学・高校受験の塾の「宿題さえやっておけばいいだろう」から抜け出せない」。
宿題だけで精一杯な生徒が進学校に多い理由
こういう生徒が私の塾で増えている理由は3つあると思います。
一つは、こういうことを書いている私の塾を選んで来てくださる生徒さんが多いことです。多くの塾や予備校の宣伝には通り一遍のことしか書いていないし、経験の浅い講師のyoutubeやブログでも同じです。だから、進学校で何らかの問題を抱えている生徒さんが来ることが他の塾よりも多いのかもしれません。
2つ目は、進学校や進学コースがや乱造されて学校間の競争が厳しくなり、学校の管理が厳しくなっているからです。生徒の学力別に学校がもっときめ細やかに課題を与えて、考える時間も作れるようにしてあげればいいのですが、どの生徒にもエイヤッっで教師は放り投げる。それが全教科の教師で行われる。もちろん、学校と言う特殊な組織のことですから、各教科の教師間で宿題の量の共有や話し合いは行われてはいない。だから、生徒がどれだけの課題を抱えて、どうなっているのか誰も管理していない。能力差のある生徒ごとの細かい管理などはもちろんされていない。
この中で、アップアップになっている生徒も最近は妙にまじめで、一方で思慮が浅く、「この教科は入試に関係ないから適当でいいや」と自己判断できない。小学校から塾や親に管理されてきた結果だとも思います。
3つ目は、進学校ではいつまでも「国立大学」と言い続け、不得意な数学に手を出して十分に得点できるまで学習できずに、そのしわ寄せが英語や古文に及んでこちらでも成績が伸びない場合です。こういう生徒には数学を捨てて私立文系の英国に専念するように言うのですが、エリートだと思っている本人は納得しません。その結果、関関同立にも行けないことになる。
この2つ目と3つ目は通常ミックスされています。それでどうにもならなくなって私の塾なんかに来る方も多いのです。
こういう進学校の生徒をどうするのか?
こういう生徒が兵庫県では最高位の公立高校、2~3番手あたりの中高一貫私立の下位3割で起こっています。このレベルの学校でも真ん中少し上でやっと関関同立なのですが、学校の大学進学実績を突き付けてもこういう生徒は諦めません。
もちろん諦めずに頑張ればいいのですが、宿題をこなすのに精一杯で理解も出来ておらす、定期テストで同じ問題を出されても全滅しているような上記進学校の半数では無理です。さっさと関関同立に志望を変えるべきです。
でもそれをいくらアドバイスしても国立大学志望にしがみついて、最終的には失敗する。
こういう生徒を少しでも少なくしていくために、真摯に子供と対話していくしかないと考えていますが、これは解答のない難問です。しかも、生徒の学力や性格によって正解が違うのです。正直キツイですが今年はよりどうにかしていきたいと考えています。
こうならないためには
数学で半年分の予習を高校では積み上げておくことです。学習に一番時間がかかる数学で余裕があると、他教科の学習にゆとりが出ます。
私の塾では学校が宿題用に使用している教材を使って半年分の予習をさせます。これなら数学の宿題に時間を食われてアップアップになることはありません。また、春や夏のの長い休みに予習をさせるので、マイペースでじっくりと考えて理解不足になることも少ないです。だから、定期テスト前に数学の宿題と理解不足が積み上がり他教科の学習不足になって全般的に成績が下がることは少なくなります「高校生と中学生の学習の違い/数学の学習が決定的に違うことが分からない高校生は失敗する」「春休みには数学の予習を半年分やる!/その予習が必要な生徒とは?」。
この指導が守れない生徒は、基本的に文系私立です。この方針を生徒には納得させて、笑って大学に進学できるようにしてあげたいと考えています。