高校の数学で大切なこと/解法のポイントを整理しよう

数学のポイントとは?

数学のポイントと言われても、抽象的で分かりにくい話です。

ところが、私が長年教えてきて、これには良い題材があります。例えば、数Ⅰの最初に、多くの生徒がつまずき、そのうち大半が解決できない問題がこれです。

x2-4ax+a+2=0

この方程式が重解を持つ場合のaを求めよ、と言えば大抵の生徒は判別式を用いて解きます

D/4=4a2-a-2=0です。簡単で重解

ところがこれを 

f(x)=(x-2a)2-4a2+a+2 の形にして、

-4a2+a+2=0 と言っても、大抵の生徒は分かりません。二次方程式を二次関数のグラフ上で考えた時にその最小値がx軸と接している場合に解が一つになることとの関連が教えられていないからです。この最小値の値の式は正負反対なだけで判別式と全く同じですが、この関係が分かっていないのです。

さらに、なぜこの形の式で最小値になるのかと言う理由も分かっていません。(x-2a)2≧0が分かっていないからです。

だから、少し振られると解けない

この式の二次の係数が変わって y=ax2-4ax+a+2 にして、「すべての実数でy<0のaの範囲」と言われると、多くの高校1年生はまるっきり手も足も出ません。

y=a(x-2)2 -3a+2と変形しても、この式の意味と頂点の意味が分かっていないからです。aが正の場合は上に開く形になって「すべての実数でy<0」はないのです。だからa<0です。その時は下に開くグラフに去りm最大値が -3a+2になります。だから -3a+2<0で答えが出ます。

これを判別式で解くと、D/4=a(3a-2)<0となります。でもx軸とグラフが接しないことを確定しておいてもa>0では上記の通りy>0と必ずなりえる場合があります。だからa<0となり3a-2>0となり、最大値で考えた場合と、正負逆ですが、同じ式になります。

このような問題を理解して解くには、「これは判別式」「これは平方完成」と言う解法を丸暗記するだけでは解けない。解法の意味を頭で整理して関連付ける必要があります。

数学に詳しい皆さんは、「こんな簡単なバカげた問題で何を言ってるんだ?」となると思いますが、このような思考回路の育成の上に入試レベルの解法の題意把握があると思います。

だから、二次関数でつまづく生徒は以後すべてダメです

こういう頭の使い方にまずぶち当たるのが二次関数のあたりです。この辺でつまづく生徒は、これ以後は全部だめです。こういうアプローチの延長線上に、すべての数学の問題があるからです。

数学で学習しても伸びない生徒がやっていることは 解法を読んでも、ポイントを把握しないから、題意が把握できず類題は解けないことです。解法の通りしかできない。 レシピ通りしか作れない料理が下手な人と同じです。上手い奴は一つレシピを見れば、基本は何かを掴んで応用が利く。冷蔵校の残り物でおかずができる。でも、下手な奴はレシピ通りの材料がないとできない。

ところが、そのコツを教えようとしても「分からない」の連発になる。与えられた情報を咀嚼して考えずに、かえって混乱する。料理で材料の性質を考え、出来上がりを考え、レシピのどこをどう使えばいいのか分からない。 だから、「これはこう解こうね!」の単発解法の羅列になり、おぼえては忘れるを繰り返す。レシピ通りしか料理が出来ない人と同じです。

こういう生徒には、この二次関数の時点で「私立文系」と私は言います「数学が苦手な生徒の勉強方法/数学を捨てることです」。そして、おそらく料理も上手くならない。

数式を書くのは疲れる・・・もうこんなことやめとこ・・・

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。