進学校に入っても失敗するパターン2/神戸大学には絶対に行けない
中学1~2年生の中学の範囲の学習の成績は問題ではない
進学校に入る生徒にとっては、中学の学習など難しいものではありません。もちろん、どこまでしっかりとやるのか、どこまで難問を解けるのかによってテストの得点や成績は違ってきます。しかし、高校の学習に必要な基本的な学力を満たすことについては、それほど大きな労力を必要とせずに、速い学習進度にもついていけるはずです。
だから、この時期に中学受験を終わったばかりで少しはゆっくりしたい子供に成績が少し上がった下がったとガミガミいうのは無意味だと私は考えています。それよりも、中学受験が終わっても限りなく続く学習に嫌気がさして投げてしまわれる方が恐ろしいです。
中学2~3年生で高校の学習範囲に入った時の多くの生徒の状態
多くの進学校では、特に数学は、中学2年生で中学の3年分の学習を終えて、中学3年生からは高校の学習に入ります。この時期にチャート式などの高校の分厚い数学の問題集を配られた生徒も多いことかと思います。
本腰を入れるのはここからです。
多くの子供は、まだ中学生なのですから、今までと同じように学校の宿題を受動的にこなそうとします。進学校に進んでからだけではなく、中学受験の塾から学校の宿題を中心に学習してきたからです。
ところが、高校の学習、特に数学では難易度が一気に増して、学校の授業の後追いになる宿題を中心にした学習では、授業進度に追われて学習時間が十分に取れなくなって、解答を読んで理解したような気になって、解答を丸写しするような学習を多くの生徒がしてしまいがちです。学習のポイントを把握し独力で解けるまで追い込む生徒はごく少数です。こうして理解不足が後追い学習で積み上がり、定期テストの前にはその解決すらも十分に出来なくなります。数学の学習で手一杯なのに、英文法や古文法などの学習に時間がかかる科目も増えて、こちらも理解よりも宿題を読んで答えを写してでも提出する学習になってしまいます。
こうして全教科の理解不足が積み上がり、高校生1年生になった頃には丸々1年分の理解不足が積み上がった状態になります。学校の方は容赦なく高校2年生の学習内容を進めますので、高校1年生の学習の理解不足が積み上がっている状態では、状況は悪化の一途をたどります。
かといって、目の前の宿題を提出するだけで精一杯になっているので、過去の理解不足を取り返して今の学習を理解できるようにする余裕など全くありません。
これが進学校の半数以上で起きていることです「進学校に入っても失敗するパターン/神戸大学には絶対に行けない」。
この状態を避けさせるためには
何度も書いていますが、高校の学習範囲に入る前の春休みに、少なくとも1学期分の数学の予習をすることです。出来るなら、学校が宿題に出す教材で予習をしておくと、提出用の学習がなくなり、授業の復習で応用問題を取り組むことができます。
予習とは学校の授業の準備をすることではなく、1ヵ月もある春休みや夏休みに、学校の授業や課題に振り回されることなく自分のペースで理解できるまで考えて取り組むことです。そして、学校が始まれば、理解不足がないか確認しながら応用問題まで学力を伸ばせばいいのです。そうすれば学校の授業速度にかき乱されることなく、理解不足も積み上がりません。
学習に一番時間がかかる数学でこの状態が出来ていれば、他教科で学校の復習や予習をしっかりと出来ることになります。そうすれば、全教科で学力が上がり共通テストにも対応できていきます。
神戸大学以上の上位の国立大学に進みたければ、この状態を作り出すことです。「春休みには数学の予習を半年分やる!/中途半端な学習をするくらいなら英国社に専念しよう」「春休みには数学の予習を半年分やる!/その予習が必要な生徒とは?」「見栄を張って上位校に合格した途端不安に駆られるお母さん/春休みにしっかり予習すれば、神戸大学に進めますよ!」
でもね、大抵の生徒は高校の学習範囲に入っても、宿題しかせずにず、理解不足を指摘しても「大丈夫です」と言うのです。 「進学校」という看板だけでプライドは高いけれど、自分は能力不足で怠け者だと分かっていない「進学校に入学しても落ちこぼれる最大の原因」。
そんなに予習が出来るわけがないだろう!って?
高校の学習が始まる前の春休みの1ヶ月の休みにせいぜい3カ月分の予習が出来ないのなら、他の科目を学習しながら学校の授業ペースで数学を理解するなど無理です。数学に時間を使っても、なかなか理解できない状況が続き、他の教科でもテスト前には理解不足が積み上がるはずです。だから成績が学校で真ん中以下なのです。
どっちみち数学のは理解不足が積み上がり、進研模試で偏差値65程度の有名大学の合字ラインなど到底無理になります。だったら、英語に全力を使って、古文も適度に学習して、3教科受験の科目だけは偏差値65を取って関関同立に進む以外選択肢はありません。
けれど、この選択を「可能性を否定するな」と「せっかく進学校に進んだのだから、神戸大に!」と取り返しがつかない時期になっても言うから、肝心な英語も学力不足になり関関同立にも進めなくなるのです。これが進学校の下位3割です。
それで、「関関同立ヤバイ」という状況に追い込まれて、「中学受験の塾で自分たちよりはるか下の学力の友達が進んだ付属校で、ヤツらは気楽に楽しく過ごして進める大学にも行けない!」と慄然としてこうなるわけです。「進学校で浪人が多い理由」
でもね、いくら酷い成績を取り続けて、何度も注意されてもやらなかったからこういう状況になっているわけでしょ?浪人したって繰り返すだけですよ「浪人をしていい人、悪い人/前向きに浪人できる人」。