高校の数学の問題集利用の問題点/そしてチャート式が年々分かりにくくなっている件

高校の数学の宿題が非合理な件

高校の数学の参考書で最も有名であり多くの学校で使われているのがチャート式という参考書です。いわゆる進学校では青チャート、中堅校では黄チャートが高校から配られます。これに加えて青チャートとセットで4ステップ、黄チャートとセットでクリアなどがの問題集が配られます。

ほとんどの学校では学校の宿題としてこの4ステップやクリアを出して、定期テスト前に提出させます。だから、ほとんどの高校生は学校の授業が終わった後にステップなやクリアで復習を行っていきます。ところがこの4ステップやクリアは正解の解説は載っていますが、各問題パターンごとの解法が整理されては載っていません。だから多くの高校生で正解を書き写すだけの学習に陥り、理解不足のまま学習を進めることになります。学校できちんと授業をしているならそこで解法は整理されているはずだということなんでしょう。

ところが高校の数学は複雑で、授業を聞いたぐらいで理解できていない生徒が進学校でも大半です。だから正解の解答を丸写しして理解不足のまま定期テストを受けて大破するような生徒が進学校でも多いわけです。もちろん、学校では教えていない少し応用の問題もテンコ盛りで、そんなものは当然できないわけです。

応用問題も含めてこの各問題ごとの解法の説明が詳細に載っているのはチャート式の方なのですが、こちらは授業の復習などに使わずに、夏休みなどの長期の休みの宿題として出題されます。

私は反対なのではないのかと思います。授業を聞いた後にチャート式などでしっかりと確認してきちんと解法を身につけさせる。多少の応用問題はできる生徒には独力でチャート式で解かせる。そして、定期テストを受けさせ理解不足のところをもう一度復習させる。こうして基礎学力が出来上がった上で、答えと解法だけがついている方ステップなどの問題集を夏休みの宿題などに出すという方が理にかなっていると思うのです。

どの学校も授業の復習として4ステップなどを使い、長期の休みの課題として青チャートを使うということは、先生ごとの判断ではなく、数研出版からこのようにな利用プランが打ち出されて、先生方はそれに盲目的に従っているだけだと思うのです。私でもどう考えてもおかしいと思うのですから、数学を専門に教えている先生がこのような出版社のプランに盲目的に従って、理解不足の生徒を量産しているというのはとても不誠実なことだと思います。

ところがチャート式の解法説明にも近年問題が生じている

ところがこのチャート式は文科省の指導要領の改定が行われるたび新版が出るのですが、年々分かりにくくなっているように思います。解説に問題があるというので話にテクニカルな解き方をバンバン入れてきて生徒が整理しきれなくなっていることが原因です。

基礎的な理解をするだけで精一杯な生徒に、それを使って問題を解いていく汎用的な知識を授けるのではなく、この問題はこう解きましょう・あの問題はこう解きましょうと、テクニカルな解法を羅列する傾向が増えてきています。そして多くの生徒が、進学校でも優秀な生徒のかなり多くがそのような解法の羅列を整理しきないでいます。

その分野で一番大切な基本的な考え方を汎用的に用いて、様々な問題にアプローチして行く方法を教える方がいいように私は生徒を教えていて思います。

そして大きな問題が4ステップで生じる

もちろん学校ではこの基礎的な話か教えてもらえません。生徒はテクニカルな解放の解説をチャート式で読むこともなしに、問題ごとにテクニカルな解法が突如として記載されている4ステップを学校の宿題として取り組まないといけません。理解不足を起こして当たり前です。わけのわからないまま正解は赤で書き入れることしかできないでしょう。

こういう生徒を日々個別指導している私にとって、学校の宿題にフォーステップやクリアーなどを出し、そして夏休みなどにチャート式を課題として出す今の学校の方針は間違ってると感じています。

出版社から「授業を受けた後だから、解説がない方を自力で解かせる」など言われているのだろうが、そんなことが出来ない生徒が大半だと一番分かっているのは教師だろう? もう一度塾で教えても怪しい生徒が大半なのに、授業を聞いただけで解説もない問題集などできるはずがないし、授業で教えていない応用問題など猶更できるわけはない。

教師も無責任だと思う。。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。